3年間AI肌診断に向き合い続けてわかった、AI活用未成熟市場への実装で重要な「はじめの一歩」
いつもご支援・ご声援ありがとうございます。Novera 遠藤です。
Noveraも第5期が終わり、今月より6期目に入ります。
お陰様で、前期は大幅な売上増を記録し、今期へ弾みをつけることができました。心より感謝致します。
今回は新年の挨拶の代わりに、弊社の主戦場である「AI活用未成熟市場」への実装を進める上で大切だと感じたことを少しお話できればと思います。
Noveraについて
Novera(ノベラ)は、AI肌診断「skinsense」を開発・提供している会社であると同時に、その肌×AIの開発経験や知財を活かし、データサイエンスからAIモデルの開発・提供まで幅広く事業として展開しているAIテック企業です。
現在、化粧品ブランドを始め、ドラッグストアやメディア、ECプラットフォームなど多種多様なクライアント様とお取引させていただいております。
AI活用未成熟市場への実装で重要な「はじめの一歩」
戦略的価値を共有できる「はじめの一社」を見つける
さて、弊社はAI肌診断を開発し始めてからもう3年になります。
去年からはAIテック企業として肌診断に留まらず、AIモデル開発やデータサイエンス等も行っております。
メインターゲットは化粧品市場ですが、ドラッグストアのような店舗型小売市場へのAI実装も行っており、一段とまだAIが浸透していない市場への実装が進んでおります。
しかし、AIと一口に言っても範囲が広く、ほとんどの市場でAI活用が未成熟じゃないか!、この市場のこの分野ではAI活用が進んでるぞ!という声が聞こえてきそうですが、ここでのAI活用が未成熟な市場の定義は「教師データ」いわゆるAIの先生になるデータが保有元の重要知財となっている市場または分野です。
現在DXがワードとしてバズり、デジタル化の意識が高くなっていますが、AIとなると社内で理解可能な人材が一気に少なくなってしまい、余計に費用対効果が見えない=「判断できない」状態に陥ります。
また、新たなAIモデル開発しよう、データサイエンスをしようとなるとコストが非常に大きくなるので、そのような中長期且つ戦略的意思決定が可能な部長や経営層レベルの承認を得ないといけなくなります。
更に、スタッフのノウハウや購買データといった長年培ってきた重要な知財をどんな価値を生み出すかもわからない状況下で渡すなんて、知財や法務担当からすると非常に理解に苦しみます。
こうなるともう難攻不落です(泣)
このような状況の中では、戦略決定権のある経営層にご理解していただけないと何も進まないので、重めのビジネス交渉が多くなるのですが、はじめの一歩では経営戦略レベルで「やる意義」をすり合わせることが重要であるケースが経験上多くありました。
例えば、売上の拡大が店舗数に依存するようなドラッグストアの場合、売上を大きく伸ばすためには出店戦略が重要視されますが、中長期的な視点に立つと経営課題として資金力の戦いである点や投資回収のスパンが長いなどがあります。
そのため、地盤や地域顧客との強いつながりを活かし、データを集めて顧客を知ることで、別軸での価値提供の可能性を模索していくことが経営戦略として求められていました。それは単純なデジタル化ではカバーしきれない部分が大きいので、AIを活用したデータ取得やデータサイエンスが価値としてハマるというわけです。
(詳しくは下記を御覧ください)
しかし、AI活用が未成熟な市場では上記のような綺麗な落とし所がそもそも無いことのほうが圧倒的に多いので、その場合は弊社の将来性を信じていただいて出資という形でベットしていただくところから始めることもあります。
このように、「はじめの一社」を見つける難易度が高いことを理解いただけるかと思いますが、逆に言えばこの一歩を踏み出せると、その市場の他の多くの企業にも展開できるようになり、非常に大きな先行者利益を持てます。
更にNoveraの場合、AI関連知財を制限なく取得可能な座組を組んでいますので、先行者利益があるうちに重要特許を取得することで、参入障壁をより強固なものにする戦略をとっております。
社会実装で市場側とAIテック側の双方のリテラシーのバランス感覚を持つ
通常AIプロダクトの導入において、作業効率化とコスト削減がイメージしやすく予算を組まれやすいですが、そもそもAI活用が未成熟な市場では事例がほとんどないので、どんな価値をAIがつくるのか、その価値をAIがどこまでできるのか、クライアントと一緒に見極める必要があります。
そこで、重要になるのが市場側とAIテック側のリテラシーのバランス感覚です。
例えば、前者の比重が大きすぎると実現難易度が高くなり、後者の比重が大きすぎると市場に受け入れられないものが出来てしまいます。
このバランス感覚を持つために、徹底的なリサーチとヒアリングは当たり前のように行うとして、Noveraではクライアントワークや研究開発だけでなく、viewtyやskinsenseのような直接"エンド"ユーザー(BやC)からニーズを吸い上げられるサービス提供もしており、実際の市場側との感覚のギャップを埋める社会実装を大切にしています。
ただしその上で、どこをバランスをとるポイントとするか判断するセンスは経験値の部分が大きく、属人的にならざるを得ないのが現状です。
必ずビジネス定量化を追求する
最後に、Noveraでは開発したサービスやAIモデルをビジネスが成り立つKPIまでチューニングして落とし込む「ビジネス定量化」を大切にしています。
AI活用が未成熟な市場でのAI実装は特に計画通りにいかないケースが多いので、計画通りにいかなかったからダメだったねではなく、ゴール設定をしたKPIに対してチューニングをしていくことが大事だと考えています。
そうしないとその市場でビジネスに繋がらないよねという評価をされてしまい、持続性がなくなってしまいます。
そのため「事前に決めたものを納品しました。仕事終わりです。」ではなく、NoveraではしっかりとデータサイエンスやUI, UX等の分析・改善を繰り返して、ビジネスの定量的な価値につなげることを行っています。
これの副産物として、データサイエンスから新規ビジネスも創出できており、単にレポート提出をするだけだともったいないとクライアントさまと共に改めて実感しているところです。
Noveraは、AI活用が未成熟な市場を先導する「AIテック企業」へ
Novera(ノベラ)は、AI肌診断のイメージが強いですが、AI導入がまだ未成熟な市場において、その市場ノウハウ・ニーズとAI開発を繋ぐ難しさを経験し、その類稀なサービス設計経験や開発実績を活かしたAIモデル開発からデータサイエンスまで行う会社になりました。
場合によっては、AIリテラシーがほとんどないクライアントさまの経営層と弊社エンジニアが定例をもち、スピード感をもってヒアリング及び開発実装, 検証を行い、その成果が事業戦略にも影響を与えるまでになっていたりもします。
現在、市場を見渡すと化粧品や小売, ヘルスケアを始め、AIの活用がまだまだ未成熟な市場や分野は多く、上述の通り、市場とAIテックのリテラシーのバランス感覚や実装後のビジネス化の難易度が高く、社会的, 経済的機会損失を生んでおります。
そこをNoveraでサポートしていきたいと考えています。
この事業展開をドライブするNoveraの強みの一つが間違いなくパートナー企業との座組であり、未成熟市場におけるAI特許を積極的に取得申請可能なポジションをとれている点です。
これを活かし、ビューティ・ヘルスケア領域を中心にAI活用が未成熟な市場へのAI導入を先導していく役割を担ってまいります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?