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「商い」の心得

 最近、週末のどちらかが雨が降る感じですが、今週末は久々に両日ともいいお天気になりました。このnoteがアップする頃は「つむぎやオープンマルシェ」が開催された後になりますが、今週の初めまで雨予報だったので心配していたところ、結局のところ金曜日だけ雨となりましたが、土日はいいお天気になり、マルシェ日和になりました。前回の「つむぎやオープンマルシェ」では、最終日に雨にたたられながらウォールアートイベントも同時開催し、客足は少し寂しいながらも出店者やウォールアートイベントの参加者も含めて絆を深められた気がします。
 この模様は過去のnoteに書かせていただいていますので、そちらもご覧くださいね。

 さて、今回のテーマは前置きとは関係ないですが、「商いの心得」について書かせていただきます。

■ネットショップがコロナ禍で売上げを伸ばす

 今やAmazonや楽天市場などの多くのネットショップが蔓延はびこる中、特に物販においてはリアル店舗が次々と閉店している状況に陥っています。
 特に経済産業省の電子商取引に関する市場調査によりますと、EC化率の高い順では、書籍・映像・音楽ソフト、生活家電・AV機器・PC周辺機器類等、生活雑貨・家具・インテリアの順になっており、自分でネットなどで調べることができればお店に行かなくても満足できる商品が手に入るということです。

「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」(令和4年8月経済産業省)より引用

 一方で食品・飲料・酒類、自動車・自動二輪車・パーツ等、化粧品・医薬品なんかは、自分に合う合わないもあることや、ネットでは細かい情報まで収集しにくい分野などは、ネットよりリアルで購入されやすい傾向にあるみたいです。
 コロナ禍で巣籠すごもりが日常化したことから、EC特有の「外に出なくても買い物ができる」ことが当然となり、一旦、ECを使ってみると日常生活において何不自由のないことに気づいたことから、一気にECは売り上げを伸ばしていくことになっていくわけです。

「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」(令和4年8月経済産業省)より引用

 とは言うものの、いまだにクレジット番号なんかが漏洩するのではないかと不安がる人は、実店舗で買い物を続けていますが、ECの方が実店舗より経費がかさまないと言う利点では勝てず、実店舗を残しながらも商品の品数を少なくしていく店舗も増えていっています。
 特に消費期限や流行りすたりのあるものなどは在庫リスクを背負いたくないということもあり、売れ筋のものしか置かない実店舗も多いようですね。

EC主流となった今日、在庫リスクを回避するため、実店舗は売れ筋しか置かなくなってきています

■ネットショップが主流の時代の実店舗のあり方

 商売をやる上で仕方のないことだとは言いながらも、実店舗が当たり前だった頃に育ってきた人たちにとって人情味がなくなったとつくづく感じてしまいます。
 ここで本来の商売とは何かということですが、もちろん「儲け」は大切で、赤字を出して商売はずっと続けられるものではないので致し方が無いのですが、ここで「お客さん」という存在を忘れてしまったら、商売は成り立たないのです。
 売る人がいて買う人がいる、その構図を今の商売を営んでいる多くの方々には教えられてこなかったんだと思います。
 今から30年以上前、平成バブル期の時に、一見いちげんのお客はお断りや、お客の態度が気に食わないと罵倒する店が多く見受けられました。一見のお客はお断りという商慣習はいまだに京都で残っているそうですが、お客さんがお客さんを呼ぶシステムで成り立つ商売システムを構築しているからで、この商売の本質を見ずに上べだけを見て真似しても必ず失敗します。この商売システムも上得意さんが元気に通ってくれる間に成り立つシステムで、上得意さんが来れなくなった時に次の上得意さんが現れるかがキモとなります。
 話を戻しますが、こんな商売システムを構築するより、もっと簡単な方法があります。それは実店舗ならではシステムです。

リアル店舗ならではの特徴を活かせばECより売り上げを伸ばせます

■実店舗の強みは…

 ECサイトの販売だけでなく、今や少しずつ伸ばしつつある無人販売や無人精算機など人を介して販売しなくてもいい商売が出てきています。確かに効率的で、少子化で生産年齢人口が必ず減少していく時代の中、一見いっけん効果のある取組みだと感じてしまいますが、それって言わば、売り手側の意見だけですよね?
 確かに人件費を抑えることにより固定費を抑えることができ、販売価格も抑えることができるという理屈はわからなくはないですが、安売りをしている限り、商品の価値ではなく、価格=価値にしかならないのです。
 その結果がEC率が高い商品群となっています。特に家電量販店など安売りを売りにしてきた業界などがその象徴ですね。
 しかし、リアル店舗でなければ提供できないものもたくさんあります。ECで買えば時間を選ばないし、荷物は玄関先まで届けてくれるし、便利なのは確かです。
 でも、それって何か味気ないと思いませんか?
 機械から買って、単に消費しているだけの人生って。AIが進んでいくと人でなくてもできる仕事はたくさん出てきます。でもどんなにDXが進化してもAIが進化しても人でなくてはできない仕事は残ります。
 その人でなくてはできない仕事に影響を与える分野に携わる人たちに、人としても温かみのない生活を与えてもいいのでしょうか?
 単に消費するのではなく、消費する意味を与える商売をするべきではないかとつくづく思います。

人間でなければできない仕事を生み出すためには人間らしい日常が必要です

■インターネットでは得られない価値を提供するのが実店舗の強み

 ECなどのインターネットで買える時代にわざわざリアル店舗に行く理由ってなんだと思いますか?
 これは一つの考え方ですが、偶然の出会いか、予定調和でない先の読めないことの楽しみ、そして人との触れ合いなのかなと思ったりします。
 商売は大きなくくりで言うと、サービスになります。サービスの本質は、お客さんが気持ちよくさせられるかどうかが重要であり、そのためには敢えて「負ける」選択をすることも必要なのです。
 確かに「儲け」は大切ですが、儲けることばかり前に出てしまうと、お客さんは離れてしまいます。ですので商売を続けるだけの儲けは必要ですが、お客さんを喜ばせることを先に考えていくことが大事だと思います。
 商売とはお客さんとの信頼関係ですので、商売する本人だけが得をしそれを良しと思っている人には成功の神様は降りてきません。
 そういう意味では、つむぎや(SHARE BASE つむぎや・つむぎやAmenity)や、めぐりLab.ラボに出店していただいている人たちの多くは、自分のチャレンジを楽しみ、来てくれたお客さんをどう喜ばそうかと楽しんでいる人が多いような気がします。
 そう言う人たちを黒子のように裏方で支え、活躍できる基盤を作ること、それがVRS(=一般社団法人バリュー・リノベーションズ・さの)が与えられた使命だと考えています。

SHARE BASE つむぎやでのイベントの模様

■お知らせ

⚫︎つむぎや通信No.2【デジタル版】公開
 つむぎや通信No.2を去る5月15日に発刊しましたが、デジタル版も遅れながら公開しましたので、下記の画像をクリックしていただけばご覧いただけます!

つむぎや通信No.2 
※画像をクリックしていただくと全ページがご覧いただけます

⚫︎空き店舗等活用型新事業創出支援補助金受付開始
概要:
空き店舗等の遊休不動産を活用し、新たに事業を行う拠点として整備する場合でその提案が採択された場合、改装工事等の経費3分の2(対象経費に限る。最大250万円まで)の補助金を交付
補助上限:
250万円
      ※補助率:対象経費の2/3
      ※採択件数:4件(予定)
申請期限:令和5年6月30日(金)正午
 ※詳しくは下記画像をクリックしていただく弊社HPに移動します。
 ※当該補助金の活用するに当たり、使用する物件は申請者自身でお探しいただくことになりますので、ご注意ください。

空き店舗等活用型新事業創出支援補助金のチラシ
※画像をクリックしていただくと詳細ページに移動します。

 商いとは人とひとのつながりを大事にすることでもあります。商いをする人だけが得をするビジネスは必ず衰退しますので、注意しましょう!


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VRSのnote
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