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「それも含めての、あれですから」#東京嫌い 【500字コラム】

不思議な記事を読んだ。

一読目で、ワケのわからない恐怖に後ろから追いかけられた。二読目では、その恐怖の理由を考えた。そして三読目で恐怖の裏にあるドタバタ劇にくすりと笑った。

著者の悶着術が、表現を言葉を変えて、この「とうきょうたろう」の中に存在していた。

東京は、何でも飲み込んでくれる。古いものも新しいものも、東京出身者も地方出身者も。都心には日本経済の中枢を担う老舗大企業が並んでるかと思えば、正体不明で小さなスタートアップ企業が星の数ほど存在している。

このわけのわからなさを、私は好ましいと思っていた。どこの出身だろうが、どこの派閥だろうが関係ないし、理不尽な出来事も「そんなひともいるよね」「そんなこともあるよね」と許容する器の大きさがあるのだ。


そして、誰かひとりいなくなっても。


★★★

ちょっと、嫉妬した。

いつもはアットホームでコミカルな表現で私たち読者を楽しませてくれる著者ハネサエ.さんが、不気味な切り口で東京を語り、私を何とも言えない渦に巻き込んだ。

著者のそんな意外な魅力を引き出したのは、間違いなく東京嫌い マガジンの編集者たちだろう。この企画が、ハネサエ.さんの心を揺さぶり、新たな創作者を誕生させたのだ。

「東京嫌い」は全21本。
この「とうきょうたろう」で6人目。

あと、15人の書き手がどんな作品を出してくるのか楽しみで仕方ない。









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くにとみゆき(牡蠣ミユキ)
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