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10年前よりもゆるくなってますように 【500字コラム】

もう10年近く前、不登校の子どもについて公立小学校の教員の方と話す機会があった。教育という仕事への誇りが高く、そして愛情たっぷりに児童に接しているひとだった。

しかし熱意がある分、辛い矢面に立たされることもしばしば。不登校の児童には長期的なケアが必要になる場合が多い。児童数の少ない単学級の学校ならともかく、担任として関われるのは長くて2年。自分のできることは限られていると嘆いていた。

「自宅でひとり過ごすより、フリースクールなどで過ごすのもひとつの手。けど、教員としては信頼できるコミュニティを知っていても、公に保護者に勧めることができないんです。自分たちの教育環境を否定してしまうことになるから…」

これはもう10年も昔の話。今はここまでの強い縛りはないにしろ、公務員としての任務にはおそらくもどかしい制限があるだろう。

今朝の記事から。

市立中学校の制服の標準が男女共通でスラックスになるとのこと。兵庫県や姫路市という自治体単位ではなく、学校単独の決定だ。

また、東京のある自治体ではコロナ禍における修学旅行の実施について、学校単位での決定に委ねられているという。

何がなんでも足並み揃えてた時代とは、今はもう違うのだろう。

10年前に話したあの人が、あの時よりももっと自由に子どもたちと向き合っていますようにと、祈らずにはいられない。


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くにとみゆき(牡蠣ミユキ)
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