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【500字コラム】 誰が言うか、どこで言うか、それが問題

久々にのんびり田辺聖子さんのエッセイを読みました。「女の太もも」タイトル通り、女の隠された部分を赤裸々に綴ったエッセイです。

体のこと、容姿のこと、そして性(さが)のこと。

田辺聖子さんの綴るこれらは、1971年~1977年(昭和46年~52年)の週刊文春での連載されたものです。さすが文春。でも文庫版の初版は2013年。つい最近、7年前ではないですか。

「女はふともも」にある、女に対する数々の表現は、最近の風潮を鑑みると大半がNG路線。それでも痛快でついつい読んでしまうのは、田辺聖子さんの筆致の素晴らしさです。

エッセイの中に「愛のオシバイ」という章があるのですが、これが言い得て妙なのです。花嫁衣装を着たがるのはなぜか。通常で考えるとどう見てもおかしな恰好なのに、結婚式だとなぜ着れるのか。それは……。


少し前に「女性はいくらでもうそをつく」と発言した政治家がいました。それは性犯罪被害にあった女性に対してだったので、政治家の発言としては当然問題外ですが、彼女の立つステージが変わればどうだろう。

その言葉のみを切り取るとちょっと興味深い。こういうひとは、政治家ではなく表現者、つまりは小説家やエッセイストになればいいのにと思います。


さて2013年、この年に「女はふともも」を文庫化したのはナゼなのか? どんな出来事があったのかしらと調べてみたら安倍政権初年でした。

ザッツ!「女性が輝く社会」

皮肉かな。(憶測です)


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くにとみゆき(牡蠣ミユキ)
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