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第4回 映画『星くずの片隅で』を語る!! 〜鬼滅の刃が突きつける、人のあるべき姿がこの映画の中にもあった

くに:さーどんんどん行きますよー。

たけ:週2とかにしない?(笑)

くに:思いついたらどんどんやって行くかんね。

たけ:がんばりやす〜(汗)

くに:今回は、香港映画の新作ですな。

たけ:実は2022年公開の作品だけど、日本では8月に公開の『星くずの片隅で』。個人的に凄くオススメです。

くに:ふたりして一緒のもの連想したよね(笑)

二人:、、、、、、、、『鬼滅の刃』(笑)

くに:簡単にストーリーをおさらいしよっか。

たけ:コロナ渦ピークの香港が舞台で、主人公は小さな清掃会社を営んでいるザクという男です。経営大変ながらなんとか切り盛りしていて、病気持ちのお母さんと一緒に暮らしてますと。そこに、ある日突然仕事を求めてキャンディという若い女の子とその娘がやってきて、ザクはしぶしぶ雇うんだけど、そっから色んなトラブルが起きていく…..っていうお話ですね。

くに:率直にどうだった??

たけ:まー、、主人公のザクがまさに煉獄杏寿郎。ザクは煉獄さんみたいなテンションの人ではないけど、コロナ禍で本当に生活が苦しい中、地に足をつけて生き延びている感じ。若干ネタバレだけど、ザクに雇われたキャンディ親子が色んな問題を起こしてしまうことで話が進んでいきますが、どんなにトラブったとしても、ザクはこの親子を守ろうとするんだよね。自分の生活もやっとなのに、この親子を見放すことだけは絶対にしないよね。家族とは絶縁しちゃってるから帰るところがないし、まともに教育も受けてないから、働けるところはほとんどないだろうということで。

くに:ここまで何かを守るために貫くっていう映画のキャラクターって言うと、、、。

たけ:煉獄さんだよねーってなったよね(笑)

くに:煉獄さんは、自分のその特別な能力は弱い人を助けるためにあるんだと小さい頃にお母さんに教えられ、それをずっと信念にしながら鬼と戦い、
その強さゆえ鬼から仲間にならないかと誘惑されるも、「自分はお前たちとは価値観が違う」と、あっさり断るよね。ザクは煉獄さんのような力だったり富を持っているわけではないけど、一つの信念を貫く存在として、非常に鬼滅的なメッセージを放っていて、とても際立っていたと思う。

たけ:そこホントに刺さった。最近俺がよく話す、新約聖書のルカの福音書の「善きサマリア人のたとえ話」ね。話し出すと長くなるから気になる人は調べてみてって事ではしょるけど、雇わなけりゃ最後にあんな事にもならなかったもんね。結末は言えないけど、あのような状態になっとしても自分を犠牲にして利他的になれる、という意思には感動したね。あのコロナ禍の状況からして、あの親子に徹底的に利他的になったとしても、自分に何か大きな利益がリターンしてくるわけでもないじゃないから、主人公は何に突き動かされてあのような行動を取ったのか、というのが、この映画から学べる事だと思った。

くに:弱い立場の人や困ってる人がいたら、無意識に助けずにいられないっていう気持ちの発動って、日常で起きる事ある??

たけ:そういったシチュエーションになる事少ないけど、こないだ地下鉄で道に迷ってるおばあちゃん助けてあげたな(笑) 日本って、各々の人の立場の弱さや、困っている状況そのものが自己責任だ、という考えが強い気がするよね。最近だと、「親ガチャ」「上司ガチャ」っていうワード凄く出てくるけど、それに対しても、「それは甘えだ」という声が多い気が、、、。面白い統計があって、「生活が困窮している人に対して国が補助を行うべきか?」という意見調査をしたところ、世界のほとんどで賛成がマジョリティーなのに対し、日本は全く逆の結果になった、というのがあるから、現実にそうなんだと思う。

くに:自己責任論についてどう思う?

たけ:例えば、自分の生まれた環境は自分の意志で選択したものではないよね?それについてその人自身に責任が生まれるというロジックにはさすがに無理があるよね。背負っていかないければいけないのは事実だけど、本人のせいでもなんでもないから、それを自己責任という人は多分恵まれた人なんだろうなーと。もし、自分が恵まれていたとしたら、例えば逆の立場の人に対して何かしらの形で寄付はできないとしても、せめて逆の立場の人たちに哀れみの気持ちを持てるようにありたいなーと。その感情すらなく、ただ富を手にしているだけの人に対して、果たして本当のリスペクトできるかな??と思う。聖書、ヨハネの第一の手紙 3:17にこういうことが書いてます。「世の富を持っていながら、兄弟が困っているのを見て、あわれみの心を閉じる者に、どうして神の愛が、彼のうちにあろうか。」 ちなみに俺カトリックじゃありません(笑)

くに:きたね、引き出し(笑) まーでけへんわな。

たけ:自分がもし生まれつき恵まれているとしたら、その現実について常に自覚的であると同時にそれは自らでつかんだものではないという認識を忘れないというのが、煉獄さんの貫く価値観に繋がってると思うんよね。でも、煉獄さんのような人、現実でもバーチャルでもほぼ見かけないよね。でも、それって忘れちゃダメだよねって無意識にみんなわかってるから、多くの人が鬼滅の刃にあれだけ感動した、という風に思うわけで。ザクは自分自身も苦しい生活ながら、自分よりも困窮しているキャンディ親子について、似たような視座を持っていて、苦しいコロナ禍をなんとかみんなで乗りきるという考えを超えて、一人の人間としてやらなきゃいけない事を全うしなきゃいけない、それで自分がより苦しい状況になったとしても、後悔はなかったと、最後のシーンを見て思った。それを象徴するザクのセリフが「この荒れた世界に同化するな」っていうのだよね。たとえ同化した方が得だとしても、一線を超えちゃダメだと。途中でキャンディが起こす色んなトラブルの後でも繰り返しザクはキャンディに伝え続けて、キャンディは次第に変わっていくよね。ほんと、よかったね。

くに:ザクの状況が一気に悪くなるから、もしかしたらザク自ら命を、、、、って思っちゃった。

たけ:わかる。キャンディ親子に「しばらく会えなくなる」とかいうからなおさらね。ここ結構大事なポイントだと思っていて、日本タイトルが「星くずの片隅で」で、すごくいいな〜と思うんだけど、要は、「苦しいのは自分だけじゃない」と言う視座だよね。ありきたりな感じかもしれないけど、世界中では、同じように苦しんでいる人はたくさんいて、自分はその一部なんだと。自分を思いきり俯瞰してみると、想像だとしても自分以外の人と世界について意識が広がって行って、結果「あ、苦しいのは自分だけじゃない」って言う風に、少し気持ちが軽くなるじゃない?それは一瞬かもしれないけど、それが自分を繋ぎ止めてくれていたりして、日々の生活で忘れちゃいけない視座だよね。ザクは多分その視座を持ってたような気がします。

くに:コロナが収束した後に日本で上映されたのが、なんか悔しいね、、、。コロナ中に色んな人に観て欲しかったな。

たけ:今からでも是非観て欲しいねー。ルイス・チョンとアンジェラ・ユン、役にピッタリだった!!特に、ルイスチョン以外にザク役思いつかないくらいピッタリだった。
一人でも多くの人に観て欲しいです。

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