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レビュー:「ザ・スーパーガール」第13話「女ドラゴン 紅の必殺拳」②

前章でもお伝えした通り、「女ドラゴン 紅の必殺拳」がどれ位本気で志穂美悦子主演作のリメイクを目指しているかというと、殺陣のみならずハードかつ陰惨な物語も再現してるからなんです。志穂美悦子の容貌の印象から、主演作って爽快かつ痛快と思われがちですが、実はどれも陰鬱かつ殺伐としたお話ばかりで、流血沙汰や性犯罪は当り前、敵が全滅しても味方側も死屍累々というケースがほとんどです。

今回のゲストヒロインである山口美也子と水原ゆう紀の姉妹も、偽札組織にふたりとも惨殺されはかない命を散らします。で、今回異色なのが、普段お色気をウリとする「ザ・スーパーガール」なのに、ロマンポルノ出身である山口美也子も水原ゆう紀も最後まで脱がないんですよね。

女ドラゴン14

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水原ゆう紀は、この回が放送された79年の年初に公開されたロマンポルノ『天使のはらわた 赤い教室』に主演してイメージチェンジを図ったと大きな話題を呼んでいました。にもかかわらず、下着姿は披露してもバストトップは見せず。そこは元ネタに寄せて徹底してるんですね。ちなみに翌週の第14話では、やはりロマンポルノ出身の女優の橘雪子が、開始早々ポロンと脱いじゃってます。

さらに志穂美悦子主演作の引用は続きます。悦ちゃんの映画の楽しみと言えば、彼女をアシストしてシャープでキレのいいアクションを披露する千葉真一や倉田保昭といった男性協力者の活躍です。今回も牧れいを陰に陽に助ける男性協力者が出てくるのですが…何と! 「ピラニア軍団」出身の志賀勝なのです。

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ヤクザ映画などでおなじみの強面はいつも通りですが、ドスのきいた芝居は一切見せずコメディリリーフに回り、悪党相手にとぼけた小芝居でかわしまくる。絶対敵のスパイだろ…と思いきや、実は偽札組織を内偵していた警視庁の特捜課刑事だったという、驚愕の善玉オチでした。
志賀勝が正義の刑事かよ! という展開に当時の視聴者は口あんぐりだったと思いますが、実は「ザ・スーパーガール」終了直後の1980年4月、志賀勝は日本テレビ火曜21時枠のドラマにて、特捜刑事の一員として主役グループの一角を張ることになります。現在もカルト的なファンをもつ「大激闘 マッドポリス'80」です。

「女ドラゴン 紅の必殺拳」での志賀勝の活躍は、「大激闘 マッドポリス'80」の壮大な?前振りだったのかと考えるのも、ちょっと楽しいですよね。

アクションの話に戻りますが、前章でもお伝えした通り、牧れいの格闘自体は決して高いレベルではないですけども、後半牧れいと山口美也子が偽札組織に追われて山中をさまようシーンがあるのですが、その途中で物凄くハードな崖落ちスタントがあるのです。勿論牧れいも山口美也子もダブルを使っており、クレジットされていた当時のJACメンバーである岡本美登らが担当してるようなんだろうけど、コレはさすがに身体張り過ぎですw あとそこからの小川と雑木林のロケカットとかいかにも過酷な環境で、演じる側も撮影する側もさぞ大変だったのは察せられます。

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