英文解釈【演習】超入門 <第1文型>その2
第1文型の英文を実際に見ながら英文解釈の演習を行っていきます。
それぞれの品詞や句・節などを確認しながら、最終的に簡単な訳を考えていきます。ただし、和訳をすることそのものではなく、英文構造を把握するときの頭の働かせ方、辞書の使い方などの「考え方」を身につけることが重要なので、自分でイチからこの考え方を再現できるようになることを目指してじっくり進めてください。
※よく使う基本的な英文解釈のルールは以下のpdfにまとめてあるので、適宜参照しながら定着させていきましょう。
※前提となる用語などの知識が怪しい方は、基礎知識まとめの記事をまず読んでみて下さい。
We are on the same page.
【構造分析】
(ア)”We”は代名詞でS
⋄文頭にあるWeは代名詞で、文の要素としては名詞とほぼ同じ働きをします。
そして、名詞の6つの機能[基本ルール1(ⅰ)]のうち、Weが文頭にあることから、ひとまずここでは主語Sになっていると判断します。
(イ)”are”は動詞でV
⋄続くareはbe動詞で、英文の中での機能は2つ[基本ルール1(ⅱ)]。
ただし、areはbe動詞の現在形であり、動詞の現在形が②準動詞になることはありません。よって、必ず①述語動詞になるので、このareはV。
(ウ)”on the same page”は副詞句で(M)
⋄onは前置詞なので、原則的に(前置詞+名詞)の形で使い、形容詞句の(M)となり名詞を修飾するか、副詞句の(M)となり動詞/形容詞/副詞/文全体を修飾するかのどちらかです[基本ルール2ⅲ-①、ⅴ-①]。
よって、こから(M)の括弧が始まります。
⋄前置詞onが出てきたので、後に名詞が続くことを予測しながら読んでいきます。すると、"the same page"は「定冠詞the+形容詞same+名詞page」でひとかたまりの名詞(句)なので、ここまでで(M)の括弧を閉じます。
※名詞は英文中での機能が多く、文の要素としてもS・O・Cなど中心的な役割を果たすので、解釈では非常に重要です。
しかし、名詞は単独で使われるだけでなく、さまざまな語を伴って英文中に現れるので注意しましょう。
名詞(単独)
形容詞+名詞
冠詞a/the+名詞
冠詞a/the+形容詞+名詞
冠詞a/the+副詞+形容詞+名詞
などが基本的な形の一部になります。あくまで名詞を起点としてそこにいくつかの語がつくので、英文中では全体でひとかたまりの名詞として扱うことになります。
※今回のような"S+be動詞+(前置詞+名詞)"の形の場合、例外的に(前置詞+名詞)をCだとする考え方もあります。どちらで考えても構いません。
【和訳作り】
We are (on the same page).
S V (M)
(ア)まず、文の骨格部分は第1文型SV「SはVする」ですが、be動詞をどう訳すべきかが問題となります。
be動詞が第2文型SVCで使われた場合、「C(とイコール)だ」「Cの状態だ」くらいの意味を表し、特に和訳には出てこないことが多いです。
しかし、be動詞が第1文型SV(M)で使われた場合、「Sがいる」「Sがある」と存在の意味で和訳することが多いです。
よって、第1文型である今回の文は、areを「いる」と訳しておきます。
→ 「私たちはいる。」
(イ)次に、on the same pageという(M)がどこを修飾しているか考えます。
構造分析の(ウ)で確認したように、(前置詞+名詞)の形は、形容詞句の(M)となり名詞を修飾するか、副詞句の(M)となり動詞/形容詞/副詞/文全体を修飾するかのどちらかです[基本ルール2ⅲ-①、ⅴ-①]。
ここでは、「同じページの~」と、前後に修飾できる適当な名詞がないので形容詞句ではなく、「同じページに/で」という副詞句になりそうだと判断します。
具体的にどこを修飾しているかは、日本語訳も考えながら決定していき、「同じページに」⇒「いる」と、動詞のareを修飾していると判断します。
→ 「私たちは同じページにいる。」
これで、英文の構造に沿った直訳は完成ですが、前後の文脈などからこの英文の言いたいことをよく考え、より意味的にも日本語的にも自然な訳を目指していくことになります。
特に今回は、このままでは日本語としても何を言っているのか分からないので、文脈や状況などを加味して意味を考えていったり、決まり文句(イディオム・スラングなど)ではないかと調べたりすることになります。
今回は決まり文句なのですが、実際に、on the same pageを辞書の成句検索(イディオム検索)で調べてみると、「(複数の人の意見が)一致して、目指すものが同じで」(ジーニアス5th)と載っています。これで、今回の英文の言いたいことと和訳が分かりました。
さらに例文も見てみると使い方がよりイメージしやすいですが、会議などで前提を確認する場合や、相手と立場が同じことを確認する場面で日常でもよく使われる表現です。
➤ Let's make sure everyone is on the same page.
(みんな同じ考えか確認しよう)
(みんなちゃんと分かっているか確認しよう)
また逆に、否定文にして、be not on the same pageで意見の相違をはっきりさせるために使われたりもします。
➤ My wife and I are not on the same page when it comes to childcare.
(子育てについては、妻と私は違う考えなんだ)
話題を限定する表現である、when it comes to~「~に関しては、~のこととなると」とともに使われることも多いです。
be on the same page as/with~で「~と同じ意見/立場だ」と相手を明示することもあります。
※ちなみに、ジーニアス5thの成句検索では、on the same pageの次にbe on the same wavelength「波長(考え方)が合う」という似たような表現も載っています。辞書をひくときにこういった周辺情報も得られると学習の機会が拡がると思うので、積極的に活用しましょう。
【訳例】
「私たちは、同じ意見(考え)だ。」
「私たちは、同じ立場だ。」