英文解釈 基礎知識まとめ7(句・節を作るもの)
前回の記事から引き続き、英文解釈の基本ルールを確認しています。
今回は、どんな形がそれぞれの句や節を作るのかという視点から知識をまとめていきます。
(「句」「節」などの用語の理解が怪しい方は、基礎知識まとめ5を改めて確認してみて下さい。)
また、今回の内容は文法分野全体に関わるので、この基礎知識まとめシリーズでは扱っていない用語がたくさん登場します。現時点でよく分からないものがあっても、それらは後に文法学習をしたときにその都度改めて確認していただければよいので、ひとまず気にせず進めましょう。
<句・節を作るもの>
基礎知識まとめ5で「句・節」がどういうものかという用語の解説は行いました。今回は、実際にどんな形がそれぞれの句や節を作るのかという観点から簡単にまとめをしていきます。
【名詞句】
① to不定詞(名詞的用法) ② 動名詞
③ 疑問詞+to不定詞 ④ 原形不定詞
※to不定詞は"to+動詞の原形"の形で、動詞に他の品詞(名詞・形容詞・副詞)の機能を追加するものです。
その中で名詞の機能を追加したものを「名詞的用法」と呼び、もともと動詞でもあるので目的語Oを後ろに伴うなどして、2語以上の名詞句を作ります。
また、疑問詞(when/where/what/which/howなど)+to不定詞のかたまりで、「いつ~するか」「何が/を~するか」など名詞句を作ります。
➤ to study math(数学を勉強すること)
➤ to be a doctor(医者になること)
➤ where to go(どこに行くのか)
➤ how to use the machine
(どうやってその機械を使うのか)
※動名詞は"~ing"の形で、動詞に名詞の機能を追加するものです。
こちらも、もともと動詞でもあるので目的語Oを後ろに伴うなどして、2語以上の名詞句を作ります。
➤ studying English(英語を勉強すること)
➤ being a good man(良い人でいること)
【名詞節】
① that(従属接続詞)+SV~ ② whether/if+SV~
③ 疑問詞+SV~ ④ what(関係代名詞)+S'V'~
⑤ 複合関係代名詞+SV~
※従属接続詞(because/when/thoughなど)は、後ろにSV~が続いて、かたまりで副詞節を作って(M)になるということを基礎知識まとめ4で確認しました。
しかし、①that・②whether/ifという3つの従属接続詞は、副詞節だけではなく名詞節を作ることもできます。
➤ that the earth moves around the sun
(地球が太陽の周りを回っていること)
➤whether it will rain tonight
(今夜雨が降るかどうか)
⇒ 名詞句・名詞節は、ひとつのかたまりとして英文中で名詞と同じ扱いなので、前回の基礎知識まとめ6の「名詞」と同じ機能を果たします。
【形容詞句】
① 前置詞+名詞 ② to不定詞(形容詞的用法)
③現在分詞/過去分詞
※to不定詞として、動詞に形容詞の機能を追加したものを「形容詞的用法」と呼び、原則的には後ろから直前の名詞を修飾します。
➤ a book to read(読むための本)
➤ a house to live in(住むための家)
※現在分詞・過去分詞ともに、動詞に形容詞の機能を追加したものです。
現在分詞(~ing)の場合は「~している」、過去分詞(~ed) の場合は「~される」というニュアンスを表します。
➤ the man standing over there
(向こうにたっているその男性)
➤ the book written in simple English
(分かりやすい英語で書かれたその本)
【形容詞節】
① 関係代名詞~ ②関係副詞~
※関係代名詞・関係副詞ともに、全体でかたまりとなって前にある名詞(先行詞)を修飾する形容詞節を作り、(M)になります。
➤ the lady who lives in Kyoto
(京都に住んでいるその女性)
➤ the park where we play soccer after school
(私たちが放課後にサッカーをするその公園)
⇒ 形容詞句・形容詞節は、ひとつのかたまりとして英文中で形容詞と同じ扱いなので、前回の基礎知識まとめ6の「形容詞」と同じ機能を果たします。
【副詞句】
① 前置詞+名詞 ② to不定詞(副詞的用法)
③ 現在分詞/過去分詞~(分詞構文)
※to不定詞として、動詞に副詞の機能を追加したものを「副詞的用法」と呼び、動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾します。
➤ go to the store to buy some milk
(牛乳を買うためにその店へ行く)
➤ happy to see you again
(またあなたに会えてうれしい)
※現在分詞・過去分詞には、動詞に副詞の機能を追加する用法もあり、主に動詞・文全体を修飾します。この用法を「分詞構文」と呼ぶこともあります。
➤ He walked on the street, waving his hand.
(彼は手を振りながら、その道を歩いた)
➤ Written in French, this book is difficult for me.
(フランス語で書かれているので、この本は私には難しい)
【副詞節】
① 従属接続詞+S’V'~
② 複合関係代名詞/複合関係副詞~
③ that(従属接続詞)+S'V'~
⇒ 副詞句・副詞節は、ひとつのかたまりとして英文中で副詞と同じ扱いなので、前回の基礎知識まとめ6の「副詞」と同じ機能を果たします。
以上のように、形からどんな句・節を作るかがある程度絞れるので、やみくもに考えるのではなく、何句・何節になるかの可能性を把握したうえで品詞やSVOC(M)を見抜いていくことで、英文解釈の精度を上げていくことができます。