英文解釈【演習】超入門 <第2文型>その2
第2文型の英文を実際に見ながら英文解釈の演習を行っていきます。
それぞれの品詞や句・節などを確認しながら、最終的に簡単な訳を考えていきます。ただし、和訳をすることそのものではなく、英文構造を把握するときの頭の働かせ方、辞書の使い方などの「考え方」を身につけることが重要なので、自分でイチからこの考え方を再現できるようになることを目指してじっくり進めてください。
※よく使う基本的な英文解釈のルールは以下のpdfにまとめてあるので、適宜参照しながら定着させていきましょう。
※前提となる用語などの知識が怪しい方は、基礎知識まとめの記事をまず読んでみて下さい。
It is getting dark.
【構造分析】
(ア)”It”は代名詞でS
⋄文頭にあるItは代名詞で、文の要素としては名詞とほぼ同じ働きをします。
そして、名詞の6つの機能[基本ルール1(ⅰ)]のうち、このItが文頭にあることから、ひとまず主語Sになっていると判断します。
※通常、代名詞のitは"the+名詞"など既出の決まった語・句・節を指します。
しかし、今回のように「天候・気候・明暗」を表す場合にitを主語にします。このitは日本語にするときには特に訳出しません。
その他にも、「時間」「距離」「曜日」などを表す場合にもitが主語として使われます。
➤ It is 10 a.m. now.
(今は午前10時だ。)
➤ It is 365 kilometers from Tokyo to Kyoto.
(東京から京都までは365kmだ。)
➤ It is Friday today.
(今日は金曜日だ。)
(イ)”is getting”は動詞でV
⋄続くisはbe動詞の現在形、gettingは一般動詞getの現在分詞で、"be+~ing"の形で現在進行形になっています。
これらは、文の要素としてはまとめて1つの動詞Vだと理解しておけばよいと思います。
(理屈上は、進行形や受動態を作るbe動詞は通常の動詞ではなく、特殊な助動詞であると考えて、be+~ing, be+~edをまとめてVとする考え方や、be動詞がVで、続く現在分詞~ingをCだとする考え方もあります)
(ウ)”dark”は形容詞でC
⋄続くdarkは形容詞で、形容詞の2つの機能[基本ルール1(ⅲ)]のどちらかの働きをするはずです。
ここでは、前後にこの形容詞darkが修飾できそうな名詞がないことや、動詞getに、get+C「Cになる」という用法があることから、②Cになっていると判断します。
(darkには名詞もありますが、通例theをつけてthe dark「暗闇」の形で用いられ、無冠詞のdarkは「夜・日暮れ」の意味でbefore/after darkなど決まった形で用いられることなどから、今回は形容詞のdarkだと判断します。
こういった情報も辞書に載っているので。積極的に調べてみましょう。)
【和訳作り】
It / is getting / dark.
S V C
(ア)文の骨格部分は第2文型SV「SはCだ」となります。
ただし、今回は上記の構造分析で確認したように、get+C「Cになる」という語法が使われています。
→「Itは暗くなる。」
※get+C「~になる」は、動詞getが「所有する・手に入れる」というニュアンスを持つことから、最終的にどうなったか(どんな状態を手に入れたか)が重視される文脈で使われることが多い印象です。
ここでは、最終的に「暗い」ということが重要で、だから「そろそろ家に帰ろう」とか、「明かりをつけよう」といった流れになることが予想されます。
(イ)さらに、上記構造分析で確認したように、「天候・気候・明暗」を表すitは日本語に訳出しません。
→「暗くなる」
(ウ)また、この文の述語動詞Vは"is getting"と現在進行形になっています。
進行形の基本的なニュアンスは、始めと終わりのある行為の途中・最中を表すというもので、ここでは「暗くなり始めから暗くなり終わる途中・最中」ということで、段階的に暗くなっている様子を表しています。
よって、和訳としては「~の途中(最中)だ」、「だんだん~している」などが考えられます。
→「暗くなっている最中だ。」
→「だんだん暗くなってきている。」
※その他、始めと終わりが考えづらく一瞬で終わる行為や出来事に対して進行形を用いることで、「~しそうだ」「~しかけている」という直前を表す用法もあります。
➤ He was drowning in the pool.
(彼はプールで溺れかけていた。)
➤ We are arriving at the station.
(もうすぐで駅に着きそうです。)
【訳例】
「暗くなっている最中だ。」
「だんだん暗くなってきている。」