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【ネタバレなし】ブンブンチャンプ2023総評

どうも、ブンブンチャンプ2023審査員の讃岐邦好です。
毎年ブンブンチャンプの審査員をさせて頂いた後はツイキャスで感想を喋ったりしていたのですが、今回はnoteで感想をまとめてみます。
例年だと予選から拝見する事もありましたが、今年は都合により決勝から参加する事になり、会場で決勝進出者と出番順を確認して審査に臨む事になりました。

ここからは決勝の出番順に寸評をまとめていきます。
なお、後日配信が予定されているため、ネタの内容や固有名詞にはほぼ触れていません。
そのため、見てない方にはかなり不親切な寸評となっております。
気になる方は配信を見て下さいね。


ファーストラウンド


1.Xe…92点


決勝常連でありながら、昨年は予選敗退で涙を飲んだ職人肌のピン芸人が返り咲き。
今年のネタは共感性の高い題材をもとに、職人らしい丁寧な仕事ぶりを感じさせる一人コント。
ちょっとした演技や、準備されたものの作り込みなどポテンシャルの高さでこちらの点数になりました。

2.スモールメリー…95点


立ち上がりは男女による重めの会話。そこから、ある一言をきっかけに一気にシリアスからバカへと振り子が揺れる良いツカミ。そこから見る側の想像を膨らませるやりとりがバッチリハマっていました。オチがやや物足りないものの、今年のブンブンチャンプはレベルがヤバいと予期させるに相応しい2本目でしたね。

3.らーゆ…97点


今回最も衝撃を受けたネタ。こんな形で笑いが起きるのかと。理屈では証明し切れない笑いを見せつけられました。とにかくその目で確認して欲しい。

4.高崎愉快…96点


こちらもドラマになりそうなシリアス展開からの落差から笑いに繋がる一人コントなのですが、役柄と高崎さんのキャラがマッチしていた点、熱演から出て来るワードのバカさが実に噛み合って、オチも綺麗。今回は衝撃度かららーゆさんを1点高く評価しましたが、言葉の練り上げ方など本当にトップで評価しても良いぐらい紙一重の内容であった事は間違いありません。

5.天ぷら10年ナガサワ…92点


こちらは有り得ないシチュエーションでツカミから惹きつけられるコントでしたが、中盤の展開にやや物足りなさがあったか。オチがあの展開に行き着く事を考慮すれば、そこまでに布石を打つ事も出来たような気はしました。
まだまだ伸びしろのあるネタとも言えます。

6.駐輪ガム…90点


今回の大会では数少ない漫才のひとつ。設定は分かるのですが、もう少しその設定ならではの引き出しが多ければ…と感じました。

7.ゆるい13世…95点


漫談はその人ならではの言葉や理屈がどれだけ出て来るかがポイントなのですが、ゆるいさんの漫談は本当にゆるいさんならではの視点で観客が共感できるようで出来ない絶妙な理屈をぶつけてこられるので、それだけで聞く側は前のめりになってしまう。
後半で本当に想像もつかない理屈を展開してきた所があって、かなり心揺さぶられました。

8.鉄腕打線…93点


ひとつひとつのボケ自体は良く、技術的にもアベレージの高い漫才を披露していましたが、テーマが所謂アリモノなので、その枠組みを突き破るようなワードや展開が後半に用意されていれば…という印象です。

9.下町モルモット…95点


言葉のゲシュタルト崩壊が起こるような一方の理屈を、論破ではなく声量で押し切ろうとするバカバカしい掛け合いが見事にハマっていました。
漫才の技術も高く、見る側は圧倒されるけど後には何も残らない無意味な会話を最後まで見せ切る話芸はちょっと凄い。

10.ゴミー・ペイジ…93点


ピン芸はいかにシステムを作り上げ、そこを崩せるかがキーポイントになると思うのですが、今回のネタはシステムが綺麗に作り上げられた分、そこを上手く崩せるような後半のボケがあればより爆発力が出たように思います。
ワードの強さにシステムの崩し方が加われば更にハネたかも。

11.のはこ…94点


最終出番にかなり評価が難しいタイプのネタが来ましたが、このシステムのネタはもう評価が分かれるのは仕方ない事かもしれません。
個人的にはここまでのネタとの衝撃度を比較した上でこの点数を付けさせて頂きました。

最終決戦

1.スモールメリー


出オチなツカミから徐々に背景の設定をネタバラシしていく構成は上手く決まっていたように思いますが、その設定に頼るタイプのボケは審査する側では気になる人はいるかもしれません。

2.下町モルモット


システムは1本目を踏襲しているものの、後半の圧倒的な爆発力はお見事。あの前段があってこそのこの展開というのが必然性もあるけど、よく考えたら不条理極まりないというのが凄い。

3.らーゆ


設定の時点でややネタバレした感はあったため、1本目ほどの衝撃度は得られなかったのですが、見せ方を変えながら最後まで世界観を走り切ったのが素晴らしいです。

あとがき

寸評は以上となります。
毎年驚くようなネタが発見されるのがブンブンチャンプの決勝なのですが、今年は本当に衝撃を受けるネタが多く、審査には非常に苦しみました。
他の審査員の方とも終わってからあれこれ意見交換をしたくなる今回の結果でしたが、最終決戦については僕は文句無しで下町モルモットさんの名前を挙げさせて頂きました。
改めまして、下町モルモットさん優勝おめでとうございます。
そして、来年のブンブンチャンプも楽しみにしております!

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