【エンジニア採用担当者向け】人材業界未経験から2年半でエンジニア採用にちょっと詳しくなるまでに取り組んだ事
エンジニア採用は、人事と現場のコラボレーションが大事だと思う今日この頃ですが、人事の方でエンジニア採用に詳しくなりたいと思う方に向けて今日は僕のエンジニア採用・転職支援の学習過程を公開したいと思います。(人事がエンジニア採用に詳しくならなくても、会社に魅力があり、現場を巻き込めれば一定採用はできるため、詳しくなることを希望しない方には向かない記事です。
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「エンジニア採用って知らない英単語・カタカナ・専門用語が出てきて、良く分からない。とっつきにくいし、どこから始めたら良いか分からない」というのが、初めてエンジニア採用に関わる人事の方の悩みかと思います。
僕は前職でIT系に特化したヘッドハンターをやっていたのですが、初期に面談したエンジニアの方からの面談後アンケートでは、「全然この人エンジニアの事分かってないので、もう連絡は要りません」と来て、とてもショックを受けた記憶があります。
そこから、エンジニアリングの構造や仕事内容を勉強する中で、2年半で年間採用決定56件の内、26決定をエンジニアの方で出すことができるようになりました。
そして、ヘッドハンター時代終盤の面談では、大手IT企業に在籍しているバックエンド系のエンジニアの方から「今まで会ったエージェントは微妙だったけど、やっとエンジニアに理解がある方に会えました。」と言っていただけるようになりました。(実はその方は私のご紹介で複数社の選考に進む予定でしたが、ビズリーチで早々に転職が決まり、同じ職場のインキュベーションカンパニーで再会する事となりました笑)
僕は社内の人事をやった事はないのですが、面談してスキルや志向を見極めて現場に繋ぐ、選考開始から内定承諾までのディレクションを行うという観点では中途採用担当の方と通じる部分はあるため、内容がお役に立てるかと思っています。
前置きはこの位で本題に入ると、「エンジニア採用に詳しくなるためにどのように学習してきたのか」、今日はその過程をお伝えできればと思います。
1.エンジニアリングの構造や仕事の理解
まずは、デザイン、フロントエンド、バックエンド、インフラ等の開発のレイヤーや職種を理解すること。そして、それに即した言語の分類を知ることが第一歩かと思います。
例)フロントエンド → WEB → JavaScript、TypeScript
→ モバイル → iOS → Swift、Objective-C
→ Android → Java、Kotlin
そこから、その言語で効率的に開発するためのフレームワークの紐づけを覚えること、またエンジニアのキャリアステップの拡がりを知ることも重要です。
例)Ruby → Ruby on Rails
例)エンジニア → テックリード → 開発マネジメント
→ プロダクトマネジメント
→ プロジェクトマネージャー
→ ソリューションエンジニア, etc.
▼以下Casterさんの方が書いたスライドはとても分かりやすくまとめられています。
僕がエンジニア採用を勉強し始めた2015年~2016年はこのような分かりやすい記事がなく、開発のレイヤーや構造を覚えるのは大変で、知識が繋がってくるまで半年位はかかりました。
ただ、僕が恵まれていたのが、上司が東北大の大学院で半導体の研究を元々やっていて、エンジニアリングに関する知識が豊富で、この構造から丁寧に教えてもらった事です。
2.職務経歴書を読み込み、知らない単語をひたすら調べる
僕は、基本的に面談する前に1時間かけてエンジニアの職務経歴書を読み込んでいました。その人はどんなスキルや志向性を持っているのか、どんな企業が合っているのかと仮説を立てるだけではなく、知らない単語(Rubyとはどんな言語か)やカタカナを全部調べる。それも最初のうちは関連性が分からず、すぐ忘れてしまうのですが、何回も繰り返し泥臭く調べて、候補者と面談を重ねるうちに知識が次第に繋がっていきました。
3.約500件の企業様の面談・面接に同席
当時僕は、面談したエンジニアの方を企業様にご推薦して、面談・面接に同席させていただいていました。
そうすると、【面接官の経営陣(CTO・VPoE・CEO)・現場のエンジニアの方】と【候補者の方】が「何を話しているのか」、「その事業フェーズではどんな事が重要なのか」、「プロダクトの特性に合わせてどんな技術が必要なのか」、「アーキテクチャ設計で重要な事とは」、「エンジニアマネージャーの仕事内容は何か(例:心理的安全性の確保)」等少しずつエンジニアリングやエンジニアの仕事に対する知識が深まり、事業との接続についても何となく分かるようになってきました。
その上、貴重だったのは、「この方はこの企業にそういう風に評価されるのか!」とか、双方のフィードバックを聞いて「このエンジニアの方は表ではこう言っているけど本音ではそんな風に思っているんだ!」とか、「事業系の方と違ってそんなところを気にするんだ!」とたくさんの生の声を聞けた事です。
4. 20名以上のCTOへのインタビュー
入社3か月で採用、経営、エンジニアリングの知識も少ない中で当時の社長からエンジニアのキャリア形成を支援するインタビューサイトのインタビュアーを任せると言われて、ほぼ丸腰の素人が業界の最前線で活躍するCTOの方々にインタビューをさせていただき、分からない中でも「一流のエンジニアやエンジニアマネージャーはこんな考え方をするんだ!」と学ばせていただきました。
5.平均参加人数約15名→30名のCTO飲み会の運営
前職の社長から入社3か月でCTO飲み会の運営を引き継いで、インタビューや採用支援で出会ったCTOの方々を招いて、会を運営していました。
【少数精鋭でクローズドなCTO飲み会を運営した結果】
2015年 平均参加人数15名
↓
2018年 平均参加人数30名
※年間約4回開催
ここでは、CTOの方々から「経営・技術・採用に関してそんな悩みを抱えているんだ!」という事を学ばせていただきました。(ただ、当時は自身がIT系サービスの事業開発に携わった事が無かったので、あまり実感は湧きませんでした笑)
まとめ
エンジニア採用に詳しくなりたい採用担当者にとって大事なことは、以下の3つかと思います。
1.広く薄く、エンジニアリングの構造の知識を身につける
2.自社のトップ(特にCTOやCEO)が経営、事業、技術、組織をどのように捉えているか、求めるスキルや人物像をどのように考えているかを理解する
3.より多くのエンジニアにリアルで会ってコミュニケーションを取る
僕自身、新規事業のハイスキルエンジニア向け転職サービス「BINAR」の事業開発でエンジニアと一緒に働きながら、今現在もクライアント企業様や候補者様よりエンジニアの採用や転職に関していろいろと学ばせていただいている身なので、偉そうなことは言えないのですが、エンジニア採用をこれからがんばりたい人事の方にとって少しでもお役にたてば幸いです。
また、これからも不定期で記事を書いていきたいと思いますので、役に立ったら「スキ」をいただけると嬉しいです。
to be continued...