オンラインツアー、始めていました。
こんにちは。スロウ編集部のたつたかんなです。北海道は、そろそろ冬の気配。SNSを見ていると、道内でも早いところでは雪が降りはじめているようですね。遠くにいても、それぞれの今を知ることができるのは、この時代のいいところだなと日々思っています。
さて、今日は私たちがつくっているオンラインツアーの内容をご紹介したくて、この記事を書いています。振り返りの前に、「えっ?スロウって旅もやっていたの?」という方は、過去のツアーレポートから読んでくださるとうれしいです!
●オンラインがあたりまえのツールに。
ここ1-2年、私たちにとって「オンライン」というものがすごく身近なものになりました。スロウの編集会議の他、会社の会議のほとんどをオンラインで行っていますし、今年度の入社式もオンラインで開催しました。それからさまざまな経験を経てわかったのは、「オンラインだからこそ、広げられるものがある」ということです。その一つが、2021年から始めたオンラインツアーでした。
早速、具体的な例をもとにお話ししていきますね。
01.中川町「なかがわの森から届く香りと手仕事」
冬の森歩きとトドマツクラフトのワークショップをオンラインで生配信。中川町のトドマツの枝を事前送付し、木工作家・髙橋綾子さんに教えてもらいながら「トドウォール」を制作しました。
配信方法/Zoom
▼ダイジェスト動画はこちらから
参加してくださったのは、大阪や天塩町などなど日本各地で暮らす皆さん。画面越しに集まり、「冬の森の様子を家でゆっくり見ていられるのが良かった」、「トドマツに触れながらの作業だったので森の香りや空気が楽しめた」とうれしい声を寄せてくれました。
02.「旭川・緑道エリアから届く午後のひと時」
ミチヒトによるアウトドアコーヒーのドリップ講座(コーヒー豆、折りたためるコーヒードリッパー付き)の後、チーズ工房・ジャパチーズ×ハルニレカフェ×ミチヒトのソイコーヒーチーズケーキを実食。新しくオープンしたギャラリーやチーズ工房の裏側なども生配信でお届け。
このツアーの所要時間は、全体を通して1時間半程度。今回の見どころの一つ、コーヒーのドリップ講座はオンラインで上手く伝わるかちょっぴり心配していました。途中で若干音声が途切れるなどのトラブルはあったものの、最終的には無事成功!「コーヒーをちゃんとドリップするのは初めてだったけどコツが掴めた」という声も。
ツアー終了後、参加者の方から「街のカタログを見ているようでした」という感想が届きました。この街には、こんなお店がある、こんな楽しい場所がある、こんなに素敵な人がいる。そういう情報がカタログのようにたくさん並んでいて、その一部を体験することができる。その体験から、いつか実際に訪れた時のイメージを膨らませてもらえていたら、うれしいです。
03.オンラインでものづくりWS
十勝でものづくりをする作家さんによるオンラインWS。参加者の方には事前に作品キットを送付し、当日はZoomでWSを進めていきます。第一弾は、リネンのキャラメルポーチづくり(講師/Sjunde himlen )。第二弾は、革のキーケースづくり(講師/amina)を行いました。
いずれも、作家さんの工房に配信班がお邪魔しての配信だったので、参加者の方には工房の様子を見ていただくことができました。道内、関東圏にお住まいの方が参加してくれました。「作家さんのファンだけど、コロナ禍でなかなか会いに行けなくて」という方もいて、画面越しの再開にうれしそうな様子。細かい作業工程が上手く伝わるか心配でしたが、コミュニケーションをとりながら無事完成。リネン素材や革といった経年変化を楽しめる素材を使用しましたが、皆さんの手に馴染んできた頃でしょうか。
04.今金せたな2町合同オンライン移住ツアー
北海道南西部にあるまち、今金町とせたな町の移住情報をPRするオンラインツアー。過去にはYoutube配信した事例もありますが、「参加者の方と顔の見えるコミュニケーションがとれるように」とZoomを使って催行しました。参加者の方には後日2町から特産品を送付し、地元の味を楽しんでいただきました。
当日は、緊急事態宣言中だったこともあり、帯広の配信スタジオから今金町・せたな町・参加者の皆さんのご自宅をつなぎ、オールリモートで実施。夏の映像などは事前収録した動画を配信、質疑応答や座談会は生中継でお届けしました。
地元のスーパーや市街地の街並みを紹介した「今金せたな暮らし体験コーナー」や、ドライブしながら2町の風景をめぐる「今金せたな絶景ドライブ」などのコンテンツが好評でした。参加者のうち約8割が、関東・関西にお住まいの方。2拠点生活の候補地や、将来的な移住の候補地として情報収集のため参加してくださったようです。
この他、さまざまなトークイベントやウェビナーを開催してきました。内容は、Slow Life Hokkaidoのサイトからご確認くださると幸いです。
▼2021年秋に開催したトークイベント
●オンラインは旅の味方?
こうして振り返ってみると、最初は「コロナ禍でなかなか移動が難しい。リアルで集まれないなら、オンラインでやってみよう」という代替案としてオンラインツアーを企画してきたように思います。でも、実際の企画を通して、作り手の皆さんや参加者の方のお話を聞くうちに少しずつ考え方が変わってきました。これからは、「もっともっと北海道を楽しむためにオンラインを使っていくべき」なのではないかということです。
たとえば、2月に開催したオンラインツアー「なかがわの森から届く香りと手仕事」の開催会場は道北の中川町。上川管内の最北部、下の地図で赤いピンが立っている位置にある小さなまちです。※他のピンは、私が過去に取材で訪ねてきた市町村の印です。(引用/GoogleMAP)
編集部のある帯広市から向かうと、車で5時間ほどかかります(夏道の場合)。そう、北海道って本当に、本当に広いんです。その広さゆえに、たとえばツアーやイベントに参加したくても、まとまった時間がとれなかったりアクセスの問題があったりして、「行きたいけれど行けない…!」と断念してきたことも、一度や二度ではありません。そしてこれからも、少なくともどこでもドアができるまでは、あり続けるでしょう。
そんな時、オンラインは味方になってくれると思ったんです。インターネットの力を借りれば、画面の向こうに行きたい場所の今が広がって、ずっと会いたかったあの人と話すことができます。会話に数秒のタイムラグは生じるかもしれませんが、それぞれの場所にいながら同じものを見て、同じものを作って、同じ時間を楽しむことができます。それって、とてもうれしいことですよね。
「街のカタログを見ているようでした」という感想があったように、オンラインツアーは、きっかけになってくれるはずです。まずはオンラインツアーに参加して興味を広げて、今度は自分の足でその場所を訪れて、もっともっと深く狭くそのまちを楽しんでみるのも、きっといいものです。
広い広い北海道を、もっと楽しむために。私たちはこれからも、本やwebマガジン、ツアーを通して、「いいな、素敵だな」と心から思う人やモノの物語を届けていきます。その手段のひとつとして、オンライン事業にも取り組んでいきたいと思っています。
何かありましたら、お気軽にご相談ください。
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