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Vketreal 音響まわり

ついにリアル音響デビューをする時が来ました。
とはいえどもそもそも音界隈の人間なのでPAが初めてということで。VketrealのコミュニティステージでPAをやってました。


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きっかけ

まずはきっかけについての話から。
そもそも音響としてお呼ばれしたわけではないことを断っておきます。音についてはかねてから興味というか勉強をしていて機材に関してもある程度の知識はありましたが本職ではないのでオープンイベントで音響をやる機会はありませんでした。
イベントスタッフの募集を見て、応募したのですがその時に”音響できます”なんて書いてみたら音響チームが完成しました。HIKKYスタッフさん、きっと不安だっただろうな。

やらなければならなかったこと

今回は盛りだくさんで機材も決まってなければ規模も最初から決まっていたわけではありません。ただ決まっていたのは場所がサンシャインということだけ。ステージの場所も何回か検討し直しました。
ということで最初に課題になったのが”どの機材をつかうか”です。
私としては音は形がないけどもかっこよくありたいというのが理想形なのでとにかく大きいスピーカーを入れたくて仕様がありませんでした。当初スタンドに500w程度のアクティブスピーカーを左右に配置する計画くらいだったのですが、結果としてはトータル出力6.4kwなんていう当初想像されてないスペックになりました。音もよかった。
それ以外にも実際の運用するためのルールづくりなどもしなければなりません。みんなプロではないですし、プロだとしても現場ごとにルールが異なってくるのでルールづくりはオペレーションでのキモになってきます。
その他に注意しなければならないのがVRChatお馴染みの”あいさつまわり”です。かなり重要。
そんな話を含め紹介できればと思います。

機材選定について

今回は制約がほぼなかったのでまずは自由に考えるところから始めました。まず欲しい音のエリアと規模を考えていきます。今回でいえば前列から最後列まで6mくらいあるとのことだったので前列のスピーカーのみで運用するのは厳しそうです。ステレオでガンガンに焚いても良かったのですが、そうすると前方の人は耳が痛くなります。なので後方は別のスピーカーをパラレルで流す想定で選定していきます。
出力との兼ね合いから今回VRX932を選定させてもらいました。ここで本当はアクティブにしてルーティングをとにかくわかりやすくしたかったのですが、SRX910だと2台重ねてスタッキングして60kgくらいになってしまい周りに演者さんも通る動線があることから扱いにくいためより軽量なパッシブでの運用になりました。転がしのモニタースピーカーはスピコンで飛ばしたくなかったので当初アクティブで配置していましたが系統が複雑になることからパッシブのパラ運用になりました。出力としては大したことないのでアンプはかなり余裕がありましたが採用したアンプにあまりがありましたのでそこからルーティングすることにしました。実際の運用ではスピーカー出力>アンプ出力になるので許容値までは持っていきません。
あとこれはキモになるところとしてはコンソールにQL1を採用しました。これは他の現場でも一般的なコンソールになるのでチーム全体で今後のことを考えて採用しました。アナログコンソールになると非常に複雑な操作が必要になるので複数人でオペレーションする上では使いやすいコンソールを使うことが必要になります。ということでスピーカー10台、サブウーファ2台という構成になりました。

実際の運用

実はQLシリーズ初めてだったんですよねDanteのマルチも慣れてなかったのですがかなり使いやすいコンソールだと思います。中上級者に向けては十分すぎるのである程度の規模のイベントではなかなか使えそうです。しかしinputとoutputが致命的に少ないので必然的にDanteを使うことなるのでそれが少しわかりにくいかなと感じました。
結果としては運用はうまくいったのですが、コンソール上でアサインするのに苦しむのはわかっているのでやはりDanteは中級者向けかなぁと感じました。初心者の方はやっぱりアナログミキサーが使いやすいし、仕組みを知ってもらうには使って欲しいなと思います。あと今回はパッシブスピーカーを使ってみたのですが、これは使いやすいです。アクティブだと一回セッティングを出すといちいちボリュームをいじるのは大変なので、手元にアンプがあるとすぐに対応することができますし、フレキシブルな運用ができます。ただ問題といえば電源の系統を考えなければならないので1500w以上を商用で使う場合には特に注意しなければならない点かなと思います。今回は2系統から20Aずつ取り出したので余裕を持った運用ができました。
問題になったのが事前にリファレンスで音の設定ができなかったところでしょうか。ヘッドホンと出音が違いすぎたのでこれを合わせるのにスタッフさんと走り回りました。それでも意外と運用ができるので慣れたら即興で入ることもできるかな。。。?

ここでおしまい

今回はPAで参加しましたが、音響の大切なことは割と地味なことだったりして、実は仕事のほとんどは軽くこなしているように思われがちですが結構ハードワークです。準備も含めて全身を使ってオペレーションをするので体力的にはかなりこたえると思います。同時にイレギュラーな事態にどう対応できるかが技術力とセンスを求められる点だと思います。また、紅白歌合戦でもあったように音響の失敗はすぐに話題にされますがいいことは全く話題にされないことから地味だし目立つことができない仕事です。逆に”音響がよかった”とか”PAがすごい”とか言われたら世も末かなと思います。アーティストさんがいてアーティストさんのために力を尽くして仕事をしているので私たちが表に出ないのが一番良い仕事ができた時だと感じています。


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桜音 さなれ
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