壮大なフリからの、またフリ?そしてただただ田中圭を褒める人。「わたしの宝物」2〜4話感想
2話 宏樹は悪くない
1話の美羽への言動、振る舞いは確かに見るに耐えなかった。
2話でその背景の見せ方で視聴者を納得させたのはすごい。
書斎の大量のビジネス本や、
明らかに朝になると変調をきたす宏樹。
外面がいい、という言葉があったけど、
がらがらと崩れていってしまいそうなのをかろうじてのところで食い止める、宏樹の武装だったんじゃないか。
心を許せる身近な人にだけの甘え、なんて言うと、じゃあ受け手の気持ちは?となるのは当たり前。
でも完全宏樹モンペの今の私にはそれを正当化させてようとしてしまう。
プツンと糸が切れるギリギリ寸前のところで、もしあの時、家で、本当は大好きな美羽にだって、弱みを見せてしまったらもう自分を保てなかったんだろう。
心無い言葉、なりふり構わない美羽への行動で自分を間違った方向で強く見せることでしか、次の日に繋げることができなかった。
田中圭の『え?』が好き。
美羽:赤ちゃんできたの。 え?
マスター:逃げちゃえば? え?
部長:プロジェクトのリーダーの話が来てる。 え?
マスター:カミさんのことめーっちゃ好きだろ? え?
変幻自在の『え』俳優 だった2話。
3話 誰も置いてかない
3話からも絶妙な塩梅で
視聴者を置いていかず
みんな味方につけていったあの繊細なお芝居。
美羽に話しかけられても最初は振り返りもしない。次にはノックを聞いてどうした?と言って振り返るし、
哺乳瓶のお礼を言われても、まだきちんと対峙できずに目を逸らして、言葉をモゴモゴさせるとか、
名前にまつわるなにがしをネットで調べてはノートにまとめ上げ、見られないようにPCを閉じノートも閉じる、気づかれないように振る舞う一連の流れとか、
名前を考えることで自分の心の動きに気づき、美羽に正面から向き合って過去を振り返り、真っ直ぐに謝って、行動する。
場面場面の行動に整合性がとれる絶妙な塩梅のお芝居が本当にすごいと思う。
かなりのスピード感。あそこまでのスパダリに変貌させるのは相当無理がある…
ってきっと圭くんも思ったから3話まで読んで1話の宏樹を調整した。
1〜3話を見てこの台本・台詞調整エピソードになるほど!!と感嘆したけど、
まだ演じてもない、台本上の字面だけでそれをやってのけたなんて、
相当な想像力と宏樹という人物のアイデンティティを自分の中で落とし込まないとできない。
田中圭の田中圭たる所以。役を生きるってそう言うことなんだなと、改めて思う。
田中圭すぎょい。
4話 『栞と宏樹』
3話まで(宏樹については)納得オブ納得であったため、4話の『栞と宏樹』については眼福でしかなく。これからの不穏さに目を瞑ったメインパートでしかなく。
『栞と宏樹』の書き起こしをしたぐらいであります。
わたしは何度でも田中圭に落とされる。
いいんです、
モンペだから、やめてー
このまま知らないで
宏樹ぃ、幸せでいてーーー
って思ってるんだけど。
だけど。
わたしは田中圭の振り幅で沼落ちしたので。
好きになるきっかけとなった、おっさんずラブは春田の
真っ直ぐで、バカで、優しくて、嘘がなくて、バカで、可愛くて、よく食べて、バカで、カッコイイところが
もちろん、部長にたがわず大好きだったけど、
そこじゃなくて。
ちずに海辺で「春田も好きなの?」と聞かれた後の、
『オレは……まぁ、うん』
と言った後の‼︎
愛しさと切なさと心強さが詰まった
あのとんでもなく心の内側が溢れ出すような表情に落ちたんだよ。
THEいい人の春田の中だけの振り幅でも落ちたのに、さらには、
知的で色っぽくて聞き上手な親友から
嫉妬と独占欲に負けて最後には崩壊していくズルい男、岩井良介にやられたんだよ。
え、なに、そっちもいけるんですか?
甘い声で黒縁メガネのちょっと情けないパピやってるかと思えば、ちょいバブリーなスリーピースを着こなしゴリゴリの法律用語を母国語かのようにこなし、眼光鋭く狂ってるバイオレンスが度々見え隠れする伊武努、
え、それ1役…うそん。
そう、わたしは役を生きる田中圭の振り幅に何度も何度も沼の奥底までズブズブに落とされてきた。
1〜4話の、感想です。途中言いました。
いいんです、
モンペだから、やめてー
このまま知らないで
宏樹ぃ、幸せでいてーーー
…
予告の
鏡の前の暗がりの表情、
『ちょっと待って、それどういうこと?!』と声を荒げる宏樹。
武者震いをしておるよ、
これからまた田中圭の振り幅に
突き落とされるのを
飛び込み台への階段を登りながら。
宏樹の(過去の)宝物を握りしめて待ってる。