35歳で初めての転職 ~転職活動の軌跡と「こうすればよかった」と思うこと
私は35歳の時に、新卒から静岡県浜松市にある14年近く勤めた住宅メーカーを退職し、東京のマンションディベロッパー(総合不動産会社)に転職しました。今回はその転職活動について書いてみたいと思います。
私の最初のキャリアについてはこちら
✅転職活動のきっかけは職場での「閉塞感」
2019年夏頃から本格的に転職を考え始めました。きっかけは、端的に言うと「閉塞感」からだと思います。会社で組織改編があってから、自分の考えを実現する機会や下りてくる情報が徐々に減り、会社の方向性を理解できなくなってきていました。
静岡県の田舎で、ずっと同じ仕事を周りに文句を言いながら、過去の栄光にすがりながらしていくことに「焦り」に似た気持ちを感じたことも理由の一つです。30代半ばを迎えて、「このまま同じ場所で同じことをしていたら自分は成長できない、むしろ退化していくんじゃないか」という危機感もありました。
今思えば、分からないことがどんどん無くなり、ある程度の地位があって、毎日「それなりに幸せだったな」と感じますが、当時はそんな風には思えず最後の半年間は「ここからどうやったら抜け出せるのか」ばかりを考えていました。
✅勝間和代さん主催の「人生戦略講座2019」を受講し人生の方向性を見つける
そんな時に受講したのが、勝間和代さんの「人生戦略講座2019」です。この講座では2日間を通じてとことん自分自身と向き合います。
そして、「自分が自分のマネージャーとなって目標達成のために戦略を立てていく」というものです。そこで私は「今の生活に満足していないこと」「自分が達成したいこと」を確かめることとなりました。
私の人生において達成したいことは4つだと分かりました。そのためにはまずは東京に出て、新しいことに挑戦しようという気持ちを固めたのです。この私の「人生の目標」についてはまた別の記事で書いてみたいと思います。
✅利用した転職エージェント2つの特徴
さあ、転職活動をしよう、となった時に最初に行ったのは転職エージェントへの登録です。利用したサイトは下記2つです。
1.リクルートエージェント
2.ビズリーチ
リクナビネクストで自分から求人を探そうともしましたが、なかなか精査がむずかしいと感じ、エージェントに絞りました。リクルートエージェントは登録するとまず対面か電話での面談を1時間程度行います。
今までの職歴や希望を伝える場です。面談を終えるとエージェントから求人が自分のマイページに送られてきます。職務経歴書と写真を準備できれば応募が可能です。
私は送られてきた求人を見ても、いいんだか悪いんだかよくわかりませんでした。静岡からの転職活動ということもあり、気軽に「とりあえず行ってみよう」ということもできずに、最初はなんとなく求人票を見ているだけでした。
次に登録したのがビズリーチです。後輩が登録したと言っていたことを思い出したからです。ビズリーチの場合は、登録すると企業ではなくエージェントから連絡がたくさん入りました。大体1つ求人票を添付して、「このような会社をご紹介できます」といったエージェントとしての売り込みです。(企業から直接来ることもあるようですが。)
✅転職活動には「軸」が必要。時間を取って考えてみる
ビズリーチに登録した翌日、ある転職エージェントから送られてきたメールの差出人が前職の同僚でした。その偶然に驚きながらも、「お世話になったから良い求人を紹介したい」と言ってくれました。結果として、彼が紹介してくれた会社に入社することとなります。
私が転職活動をするにあたって考えた「軸」は下記の3つです。これは時間を取ってしっかり考えました。
1.東京に出ること
2.住宅関連の新しい取り組みをしている会社であること
3.男女差なく働ける会社であること
1.東京に出ること
私は静岡県で新卒から14年の会社員生活を送っていました。東京の取引先のところに行くのも1日仕事、車必須の生活の中で、都会と地方の格差を感じていました。もちろん、今思えば一長一短なのですが、東京に出てチャレンジしたい気持ちがありました。
2.住宅関連の新しい取り組みをしている会社であること
自分が「何をしたいか」「何ができるか」を考えたときに、コアスキルである「住宅」と「住宅ローン」からまずは離れずに会社を探そうと思いました。小さいころから間取り図を見ることが好きだったり、健康で暮らすために住環境が重要なことが身に染みていたからです。
3.男女差なく働ける会社であること
「男女差なく働ける」この定義は難しいし、外から会社を見ていてわかるものでもありません。それでもせめて制度が整っている会社、女性の役員がいる会社、男女比率が50/50に近い会社を探していました。
これら3つの条件に合致している(と思われた)のが、私が選んだ中堅マンションディベロッパーです。職域を問わない総合職での採用なので、「何をするか」についてもちろん希望は伝えていましたが、配属先は会社に任せることとなっていました。
面接は全部で3回、適正テスト1回。特に緊張することも背伸びすることもなく終わりました。一番大変だったのはやはりスケジュール調整です。静岡から上京して面接を受ける必要があったので、半休をとったり、面接をはしごしたりして乗り切りました。
✅転職活動を通じて感じた「こうすればよかった」こと
人生初めての転職活動を終えて、「こうすればよかった」と思うことがいくつかあります。
1.「会社に入る」ではなく「何をするか」をもっと掘り下げる
日本ではまだ「どの会社に入るか」を考えて転職活動をする人がほとんどだと思います。私もそうでした。しかし、これから個の力が重要視されていくことを考えると「何をするか」にもっと重点を置いて転職活動をするべきだったなと思っています。もちろん、「何をしたいかわからない」「選択肢が分からない」ということもあると思います。その場合は、「何をしたくないのか」だけでも明確にしておくべきです。
私の場合、転職活動に何かのリミットがあるわけではありませんでした。ただ、転職活動を進めるうちに「決まりそうだな」という気持ちになって、「前職を抜け出す」ことに意識が向いて行ってしまいました。今思えば、冷静に判断で来ていたのか疑問が残ります。自分を客観的に見て「何をしたいか」「何をしたくないのか」という視点をしっかり持つべきと思います。
2.「会社員として成功すること」をゴールにしない
「次の会社で長く働くには」という視点ではなく、「自分がどう成長できるか」「実力をつけられるか」という見方で転職先を選ぶべきだと思います。
「会社員として成功する」「長く働く」ことを考えると、どこに行ったとしてもその会社の考えやルールが自分にフィットしない状況を受け入れていくことになってしまいます。「自分が成長できるフィールドか」「自分が人生の目的を達成するための力になるか」を考えたらいいと思います。
上記2点は気をつけていたつもりでしたが、私には足りなかった視点だと思います。これから転職活動をする方にはぜひ参考にしてほしいです。
こうして転職した「マンションディベロッパー」を1年半で辞めることになったのですが、それについてはまた後日。