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住宅ローン手続きの山場「金消契約」について解説!

こんにちは、くみょんです。
住宅ローンの最大の山場?である、「金消契約」についてまとめてみます。「印鑑を押すときには手が震えた」というお客様もいるくらい、大きなイベントです。

✅金消契約とは?

金消契約とは、金銭消費貸借契約の略です。金銭消費貸借契約とは、「借主(が、貸主から金銭を借り入れてその金銭を消費し、その借入額と同額の金銭(利息付の場合は利息分も含めて)を貸主に返済するという契約」のことで、要は「お金を借りる契約」のことです。

この金消契約を行うには、いくつかの条件がありますし、必要しょりうも様々です。今回は、フラット35を借り入れるケースで解説していきます。

✅フラット35の場合の金消契約を行う条件

フラット35の場合は、原則金消契約の段取りを組むまでに、下記の条件を充足している必要があります。(新築戸建の場合)

①表題登記の申請

融資実行時には「所有権保存登記と抵当権設定登記」を同時に申請するので、それまでに「表題登記」が完了している必要があります。
そのスケジュールを担保するために、金消契約までに表題登記が問題なく申請され、完了日が把握できていることが条件となります。

②融資条件の充足

住宅ローンの承認時に条件が付いていた場合は、完備が必要です。
よくある条件としては、下記の通りです。
・既存ローンの完済条件(車、携帯割賦など)
・直近の給与明細(特に育児休暇から復職した場合など)
・登記に関すること(地目変更、既存建物滅失登記など)
 …登記についてはとても奥が深いので、別の回で取り上げたいと思います。

③適合証明書の発行(原本の提出)

フラット35を借り入れる場合、「住宅に対する基準」に適合していることを証明する必要があります。新築住宅なら、建物建築の進捗に合わせて、原則「設計検査」「中間現場検査」「竣工時現場検査」の3回の検査を受けて合格し、「適合証明書」を取得します。

この「適合証明書」は、「竣工時現場検査」後2~3日で検査機関より発行されますので、金消契約時に「原本」を金融機関に提出します。

住宅メーカー勤務時代、この「適合証明書」ではトラブルも多くありました。原本の行方が分からなくなってしまったり、そもそも検査を受けるのを失念していたり、フラット35S(金利引き下げ)を適用するための検査を行っていなかったり…そのたびに奔走したのは懐かしい思い出です(笑)

✅申込人、連帯債務者が用意する書類

金消契約にあたり、フラット35の申込人、連帯債務者が用意するものは下記のとおりです。

1.印鑑証明書 2通
2.住民票(世帯全員、マイナンバー・本籍地除く) 1通※
3.返済用口座が分かるもの、返済用口座の銀行印

※住民票は、申込人、連帯債務者が同世帯の場合は1通でOKです。登記上の住所の変更登記が必要な場合はもう1通必要です。注文住宅の場合は、新住所で登記をすることが多いですが、建売住宅やマンション購入の場合は旧住所で登記を行い、新住所に住民票を移転したら、入居の確認資料として住民票を金融機関に提出することが多いです。

住宅建築や購入において、この「印鑑証明書・住民票がいつ何通いるのか」というのはややこしく不動産業者でも把握していないことが多いです。必要となる相手先も、金融機関、土地家屋調査士、司法書士など様々です。

また、両親の土地に注文住宅を建築するなど、担保提供者がいる場合は、担保提供者の方の印鑑証明書も2通必要です。その他個別の状況により必要な書類があるケースもあるので、事前に金融機関に確認を取りましょう。

✅署名・捺印が必要となる書類

金融機関によって書類名など異なりますが、大まかには次の書類に署名・捺印をします。印鑑はかけたりぶれたりしないように、いい朱肉を使ってしっかり押しましょう。

・金銭消費貸借契約証書
・抵当権設定契約証書
・抵当権設定登記原因証明情報
・(抵当権設定登記用)司法書士委任状
・自動引き落としに関する同意書
・火災保険に関する念書
・ご契約の説明書
・口座振替依頼書
・(金利確定前の)念書・・・など

この中で「金銭消費貸借契約証書」がとても大切な書類です。
アルヒや日本住宅ローンなどのモーゲージバンクで借り入れを行う場合、実際に月々の返済金額が指定した口座から引き落とされる日と、契約書上の「約定日」が異なりますので確認しておきましょう。(例:引落日が5日で約定日が13日など)
また、ボーナス払いを併用している場合は、ボーナス払い月の返済額総額をしっかり把握しておきましょう。

✅金消契約時に必要となる本人確認・原本確認


本人確認はどこの金融機関でも必ず必要となりますが、フラット35に特有の事項として「契約書等の原本確認」があります。
住宅ローンの資金使途に含める工事費等について、基本的には「契約書」の原本を金消契約時に持参し、「申込時に提出されているものと相違ないか、正しい書類か」等を確認しています。

本申込後の融資条件にも付保されていると思いますが、金消契約時に忘れずに持っていく必要があります。

✅最近はインターネット上で「金消契約」ができる場合もある

ネットバンクを筆頭に、最近はインターネット上で金消契約が可能なケースも増えてきました。

金消契約とは本来、関係者が金融機関に集まって、対面で説明を受け実印を押印していくのが当たり前で、平日にわざわざ休みを取って数時間も銀行に缶詰ということも多かったのです。私の友人は都市銀行で住宅ローンを夫婦で2本ずつ組んだのですが、金消契約に3時間以上かかったと言っていました。赤ん坊を抱えていたので相当大変だったようです。

インターネット上の金消契約なら、好きな時にスマホさえあればできてしまいます。また、印紙代もかかりません。(紙での契約の場合は1,000万円超5,000万円以下で20,000円かかる)

フラット35でも、電子契約が可能な金融機関もありますし、住宅ローンを選ぶ条件の一つとして「インターネット上で手続きが可能か」という項目もこれから重視されてくると思います。

私も実際にインターネット上での金消契約を経験しましたが、とてもスムーズでした。ただ、「入力を間違えてはいけない」と慣れている私でも少しドキドキしましたし、「住宅ローンの手続きはよくわからない」という方にとっては不安もあるかと思います。

この不安の解消に、金融機関はUIやマニュアルの整備などでもっと分かりやすくなるように改善してほしいですし、私はそういった不安のある方に寄り添っていきたいです。

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くみょん@住まいとお金のコンサルタント
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