住宅ローン控除とは? 注意点についてまとめました
こんにちは、くみょんです。
毎年2月~3月は確定申告の時期ですね。今回は、「住宅ローン控除」について簡単にまとめてみます。
税金に関することですので、国税庁のHPやタックスアンサーで最新の情報をしっかり確認し、不明点は最寄りの税務署にお問い合わせください。
✅住宅ローン控除とは?
住宅を購入する場合、ほとんどのケースで住宅ローンを利用します。住宅ローンの金利負担を軽減し、国民の住宅取得を推進しようという制度が「住宅ローン控除」です。
2023年2月現在、住宅ローンを借り入れて住宅を取得(新築・増改築も含む)した場合、年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税から最大13年間控除されます。(対象住宅の年末住宅ローン残高上限については、ご確認ください。)所得税で控除しきれない場合は、翌年の住民税から控除されます。
住宅購入時のメリットとしてよく知られている住宅ローン控除ですが、適用するための要件が多く(ややこしく)、入居の年によって内容も異なるため注意が必要です。
✅住宅ローン控除を受けるための主な要件は?
主な要件は下記の6つです。他にも要件はありますので、国税庁HPで確認をお願いします。
①自ら居住するための住宅であること
②床面積が50㎡以上であること※
③合計所得金額が2,000万円以下
④住宅ローンの借入期間が10年以上
⑤引渡し日、または工事完了日から6か月以内に入居
⑥昭和57年以降に建築、または現行の耐震基準に適合
※2023年末までに建築確認を受けた新築住宅を取得等する場合、合計所得金額が1,000万円以下に限り、床面積要件が40㎡以上
✅住宅ローン控除をめぐるトラブル
私が住宅メーカーに勤めていた時、住宅ローン控除をめぐるトラブルに何度か遭遇しました。
住宅に居住しない親が住宅ローン控除を受けられると思っていたトラブル
住宅ローン控除は、要件①⑤にある通り自らが居住する必要があります。私が遭遇したのは、フラット35の親子リレー返済で新築住宅に居住しない債務者の親が住宅ローン控除を受けられると思っていたケースです。
建物の引き渡しが終わり、住宅ローン控除を受けられないと知った「親」が「聞いていない」と主張しクレームになりました。
明らかに説明不足によって起こった問題ですが、自分の収入や税金のことを「住宅メーカー任せ」にしていたことも要因の一つです。
住宅ローンの実行が遅れてしまったケース
住宅ローン減税は、入居した年の年末ローン残高から適用されます。当たり前ですが、入居した年に住宅ローンの残高がなければ控除が受けられません。
新築住宅の場合ですと、借入先によっては、「つなぎ融資」を利用してお引渡しをすることがあるためお引渡し(建物完成)と融資実行(ローン残高発生)が同時にならないことがあります。
住宅ローン実行が入居年の翌年になってしまうと、住宅ローン控除の適用期間が1年少なくなってしまう場合があります。
建物の表題登記申請日、入居日、住宅ローン残高発生が同じ年になるように注意が必要です。
✅マンション購入時の床面積50㎡問題
おひとりさまが中古マンションを購入する場合は特に、床面積50㎡以上の要件に注意する必要があります。
住宅ローン控除が受けられるからと安易に50㎡以上の物件を探すのではなく、トータルの費用と自分のライフスタイルで考えましょう。面積が大きくなれば、物件価格だけではなく、固定資産税や不動産所得税も高くなりますし、管理費や修繕積立金の金額にも注意する必要があります。
また、税法上の床面積は登記簿上の面積(内法面積)で、広告上表示される「専有面積(壁芯面積)」とは異なります。登記簿上の面積の方が小さくなりますので、50㎡ぎりぎりの物件は住宅ローン控除が適用されるか、登記簿謄本で確認が必要です。