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【活動録】第10回カムクワット読書会【2022年で最も印象に残った小説】
本日は横浜の喫茶店にて、第10回カムクワット読書会を実施しました。今回は、当読書会で初となる自由紹介形式。それでは、紹介された作品をまとめます。
紹介された作品
金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』
わたしが紹介した作品。初回の読書会で課題作品にしたため印象深い作品です。また、それだけではなく、物語としての面白さ、人間が抱える生きづらさの描かれかたが好きな作品なので、ぜひ多くの方に読んでいただけるとうれしいです。
北山猛邦『千年図書館』
こちらは未読の作家さんの作品です。メフィスト賞出身で、ダンガンロンパのノベライズもあるようです。
この作品は、5つの短編でファンタジーやミステリ要素があり、ラストが「語りたくなる」作品だそうです。
ちなみに文庫版は『さかさま少女のためのピアノソナタ』のようです。
宇佐見りん『かか』
『推し、燃ゆ』で芥川賞を受賞した作家のデビュー作。文藝賞を受賞し、新人とは思えない筆致で、母子関係を描く。この作品の話しをしているなかで、「母親がうーちゃんとっての神であり、それを信仰している」と言われて、ハッとなりました。
岡田利規『ブロッコリー・レボリューション』
三島賞作品。暴力(?)によって出ていったきみへ、ぼくの妄想のような形で語られるできごとは、本当に起こったことかわかりません。二人称での語りが特徴的な作品です。
本読書会では、課題作品にしようと考えていたのですが、独特過ぎる作品のため見送りました。その作品とこのような形で出会えて嬉しかったです。
グレゴリー・ケズナジャット「開墾地」
芥川賞の候補作品。母国を離れて日本語を研究している主人公が、里帰りを通して血のつながらない父親と、自分自身の「故郷」を見つめなおす。
著者が母国語ではない日本語で創作していることも特徴のひとつ。
西村賢太「焼却炉行き赤ん坊」
『小銭をかぞえる』に収録されている作品。DV描写の読み方が男女で分かれるか気になるという話になりました。
島本理生『ファーストラヴ』
直木賞作品。女性の生きづらさを描いている。ミステリー×恋愛?
文学YouTuberベルさんと西村賢太さんの共演で「女性ファンを増やしたい」という話題から、島本さんは女性の気持ちがわかっているから、女性のファンが多そうだという話になりました。
来年の読書会について
開催日
2023年1月28日(土)
開催概要について
課題作品、開催場所は検討中です。
本日、ご協力していただいたアンケートを参考に、貸会議室などの利用も視野に入れ、もっと多くの方とお話ができる読書会を目指していきたいと考えております。
現状のカフェの一般客として続けていくことも可能かと思いますが、なかなか新規の方が参加しづらい環境ではないかと感じております。さらに、横浜駅では並ぶことなく落ち着いて利用できる場所が限られているため、今後は視野を広げていく所存です。
これまで参加してくださった方も、新たに参加してみようと思ってくださる方に楽しんでいただけるような読書会を目指します。
さいごに
今回は読書会後にランチ、ブックオフに寄ることができて楽しかったです。
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初回から参加してくださっている方からサンザシと抹茶をプレゼントしていただけて、クリスマス気分を味わうことができました。
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本日もありがとうございました。メリークリスマス!
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