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【活動録】第18回カムクワット読書会
本日は王谷晶さんのジェンダーレス小説『君の六月は凍る』を課題作品に、関内の「コーヒーの大学院」にて開催しました。
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参加者は初参加が1名、何度も参加してくださる方が1名でした。
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『君の六月は凍る』読書会
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この作品は徹底して登場人物の性別を描かない。わたしと君、BとZはそれぞれが男女である可能性がある。舞台となる町も具体的ではなく、どこにでもありそうな地方都市。
君が飼うことになる鶏に「名前をつけない」ことからも、その徹底ぶりは明らかだ。名前は先入観のもとになるため、BやZなどで「きょうだい」の名前を表している。
においや恰好、事物から性別を想像することはできるが、それは重要なこととは思えない。また、帯に「恋」という表現があるが、わたしと君の、あるいはBとZの関係は恋愛関係だろうか。
それもまた、読者によって答えが違うように感じる。すこし異なるが、ある種「夢小説」のようなもので、物語の決定権、たとえば名付けが読者に委ねられているのかもしれない。
そのように感じた。
夢小説を説明するくだりで、なぜか『NARUTO』を例にしてしまった。来月の課題作品である『##NAME##』の影響もあるかもしれない。
古本屋めぐり
午後は伊勢佐木モールに移動して、阪東橋方面へ歩きました。4店の古書店をまわり、わたしは7冊を購入しました。
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面白いのは小林多喜二の『工場細胞』のレトロ本の復刻版。ページの下部がアンカットで、古書の趣と復刻版ゆえのキレイさがあります。
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また、青羽悠さんと真下みことさんの共作のプルーフ本らしきもの。これは書店員か編集者、または印刷業者が売ってしまったのか。気になるところです。
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次回
次回は9月23日(土)の午前中に児玉雨子さんの『##NAME##』を課題作品に、横浜駅付近にて開催します。
雑誌版でも単行本、電子書籍どれでもご参加いただけます。「わたし」の決定権は誰にあるか。そんなことを考えながら、わたしは読みました。あなたのご感想を聞かせていただけると嬉しいです。
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