忍者トラゾーくん

某テレビ局でコンテンツ制作ディレクターを10年やってました。 東日本大震災の被災地、人…

忍者トラゾーくん

某テレビ局でコンテンツ制作ディレクターを10年やってました。 東日本大震災の被災地、人口減少問題、労働問題などを取材。 2022年に金融機関に転職。 妻と息子2人、ねこ、金魚・メダカ・エビetc...とひっそりと暮らしています。

最近の記事

NHKを辞めて③

(前回は、NHKに経営者がいない、という一般論を書いた。 今回から、なぜNHKが構造的敗者なのか、それをどうやって抜け出せばいいのか、複数の投稿にまたがって考えていく) 武道家・思想家の内田樹さんが雑誌「Number」(2020/05/16)に書いた記事がずっと心に残っている。 (内田樹が語る「兵法の危機対応術」。 スポーツとの差、パンデミック対策) https://number.bunshun.jp/articles/-/843520 『太阿記』という江戸時代の書物に

    • NHKを辞めて②

      NHKには「経営者」がいない。 その事はNHK内でよく議論された。 だから放送を作る現場からは、経営上位層が何を考えているのか、よく分からない。 分かろうとする人も少なかった。 経営者とは、方針を定め、組織を整えて、目的を達成するよう持続的に事を行う者だ。 例えば、従業員が数千人〜10,000人もいる大企業。 組織や業界がシュリンク(縮小)するような危機に直面したとする。 「経営者」は危機感を持って、打開策を打ち出す。 市場が多様化し、既存領域が萎むことはある。 その打

      • NHKを辞めて①

        ちょうど1年前の夏。 自分は今の会社の中途入社の最終面談を経て、内定をもらった。 所属する部署の人事担当管理職や、部長への報告も済み、担当していた番組も無事放送、後処理も終わった。 8月からは積もり積もった有給休暇を消化する予定で、家族をどこへ連れ回そうか、計画を練っていた。 新しい会社は10月入社だった。 全く違う業種なので、最低限の資格の勉強を9月は行う予定だった。 今までの自分を一旦殺して、新しい会社にゼロから身を投じ、空っぽになった自分の内発機関の充電期間にあ

        • 「僕が痴漢に遭った」という話

          ※このテキストには電車内での痴漢の描写があります 14歳の時、僕は痴漢に遭った。 中学2年生の時。 「昨日のことのように」とまではいかないが、「三日前の事のように」くらいはハッキリと覚えている。 当時、思春期まっさかりだった僕は、映画館に一人で行くことが、とてもカッコいいと思っていた。かつてあった渋谷の「シネマライズ」という単館シアターで映画「ピンポン」を観た経験に味をしめ、渋谷という街に魅了されていた。背伸びしてカッコいい文化に触れたいという要求の塊のような中二だった。

          我が家のキム・ジヨン体験

          2年前の仕事帰り。ふと渋谷のジュンク堂さんで「82年生まれキム・ジヨン」を手に取った。 ちょうど、職場の後輩の女性が様々なトラブルに巻き込まれて、傷ついていた彼女の相談に乗っていたのもある。「女性だから」という理由で、いかにひどいことがまかり通っているのか、僕自身嫌になっていた。ニュースでは「#ME TOO」が盛んに叫ばれた後だった。 勝手に「女性を応援したい」という思いで買い、一気に読んだ。 でも、読み終わった夜中、家のリビングで本をパタンと閉じ、 「あれれ…これ俺

          我が家のキム・ジヨン体験