愛知県からのダークホース! 豊工LoL組 その強さとは
先日11月24日、全国高校eスポーツ選手権LoL部門Bブロック決勝にて事件は起こった。
今大会初出場となる豊田工業(愛知)が強豪、朋優学院(東京)を下したのである。
朋優学院とは今年になって実力を伸ばし、高校生eスポーツ大会の一つ「Stage:0」では関東ブロック代表の一角にまで上り詰めたチームだ。
対する豊田工業高校は今大会が初出場のチームでその詳細は全くの不明。初出場のチームとは思えない実力を持ち、飛ぶ鳥を落とす勢いで予選決勝まで勝ち上がってきた。
まさにダークホースと呼ぶにふさわしい豊田工業、いったいどのようにして朋優学院を下したのであろうか?その強さに迫ろうと思う
といっても私はLoLが特別上手いわけでもないので、ゲーム内容に関しては全くの素人であるということをお断りしておく。
強さその① ピック
両者のピックはこの通り
右上「めりお」選手のピックしたチャンピオンにご注目していただきたい
そう、サイオンである。
サイオン、このチャンピオンはシーズン1からいる由緒正しきチャンピオンで、非常に体が硬い。
豊富なCCと高い基礎ステータス、MSも高く全スキルがAoE、無限に伸びるHP、倒されても復活するなど、どこを取っても非の打ち所が無い最強チャンピオンだ。
しかも操作が簡単!
初心者でも必ずチームに貢献できることから”ビギナーはとりあえずサイオン”ともいわれるほどだ。
加えてフレックスピックであり、top jg mid adc sup全5ロールをこなすことが可能。ビルドによってはタンクのみならずメイジ、アサシン、ファイターにもなれる。
レーン戦段階では物理魔法どちらものダメージも強力で相手は防具を積みづらくなることもしばしば。
究めつけはアルティメットスキル「猪突猛進」、車に変形し敵へと突撃して大ダメージと打ち上げをお見舞いする強力なスキルだが、少々運転には難がある。
しかし心配御無用。
”豊田”工業が”車”を操作するのだ。
そう、これは有数の自動車王国である愛知県の特色を活かした最強の選択だったことがお分かりになるだろう。
大企業の力をも味方にする豊田工業。なんと狡猾であろうか。このサイオンピックこそが試合を決定付けたといっても過言ではない。
強さその② 精神力
序盤、試合は朋優サイドに傾いていた。Topでは(何かの間違いだと思うが)朋優のレネクトンにサイオンがソロキルされ、midでもイレリアがガリオにソロキルされ、インファーナルドレイクまで奪取されてしまう展開。
続くマウンテンドレイク争奪戦でも朋優の操るグラガスが見事なスティールを決め、その後の集団戦でも1対1トレードに持ち込まれてしまう。
試合の立ち上がりは確かに朋優学院有利に運んでいた。
大会の試合中でソロキルされてしまう、集団戦で負けてしまうという状況から来るショックは想像以上に重い。
自分のせいで負けてしまうのでないか、このまま負けてしまうのではないかという不安や膨らむ相手からの威圧感には現役のプロでも耐えられない時がある。
ましてや高校生だ。冷静さを欠いても致し方ない。
しかし、豊田工業のプレイに諦めの意志は見られなかった。
何度有利を取られようとも貪欲に勝利を求めていく姿には畏怖すら覚える。
強さその③ 個人技の高さ**
圧倒的なパフォーマンスを見せたmidのイレリア、ソロキルされてもCS負けしないサイオン、積極的に仕掛けに行くレオナなど上げればキリが無いが、特筆すべきはjgとadcの2人だ。
jgの”ファンボーイ”選手のガンク精度とイニシエート判断の的確さは少数戦・集団戦どちらにおいても光るものがあり、adcの”アヒージョ”選手のカイト能力・生存能力は出場高校の中でも頭一つ抜けている。
その生存能力たるや、ノーチラスやガリオ、グラガスといったチャンピオンがいる中でも28分まで0デスという驚異的なスコアに現れている。
以上三項が私の感じた豊田工業の強さである。
もちろん朋優も負けてはいなかった。試合は一貫してシーソーゲームの様相を呈しており、いつどちらが勝ってもおかしくなかった。
プロの試合でもここまで白熱した試合が見られることはそう多くは無いだろう。
あのような試合を見せてくれた豊田工業であれば、他の強豪校にも互角以上に渡り合えるだろう。
12/29に行われる決勝大会でも豊田工業 LoL部から目が離せない!!
興味が湧いた方はぜひともアーカイブをご覧になって欲しい
朋優学院vs豊田工業は2:30:30から!