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肌触りとぬくもり
あなたはいつもほかほかしている。
ぬくぬくしている。
その背中をそっと撫でるとそのぬくもりと日頃から手入れを怠っていない艶やかな毛並みがフワッと手に触れる。顎の下を撫でると目を細めて顎をしゃくれさせ心地良さそうな顔で満足げに、にんまりしている。
テレビを見ながら、スマホを眺めながらなんとなく撫でれば手の中でも皮膚の弱いところをカプっと噛みついてくる。
撫でて欲しくないタイミングで必要以上にこちらから撫でるとガッッブっと小さな穴が開くほど噛みつくてくる。
おいでと声をかけると4割くらいの確率で来てくれる。お尻をぽんぽん軽く撫でれば不思議な鳴き声で、すりすりしてくる。
ヒゲをこれでもかと広げて、短いしっぽをブンブン振り回している時もある。
きっとそうしたい時だってあるのだろう。
夏は風通しが良いところにのびのびと溶けている。
冬はストーブの目の前で暖をとる。
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寝る前には必ず、わたしの足元でしばらくリラックスしてのんびりしてから枕横まで移動してきてグルグルのどを鳴らしながらまるで私を寝かしつけるかのようにしばらくそばにいる。
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でも決して、一緒に寝てくれることはなく、一定の時間が経てば自分の寝床へ行ってしまう。天邪鬼とはきっとこのことなのかもしれない。
そして、何かを境に1階にある彼女の洋服を自ら咥えて何度も何度も何かを訴えるようにさまざまな音程で鳴き声をあげながら2階の寝室までせっせと運ぶ謎に包まれた冬限定の儀式がある。きっと、この真相はあの名探偵少年にも解けないであろう。
そんな、彼女がわたしはだいすきだ。