寄生
心臓が動く音
血が滴る腕
母に見せる笑顔
刃物を自身に刺す行為
全てが現実で夢は一つもない
閉鎖されたこの空間に
居心地の良さを求める余裕もない
私の何が悪かったの?
どこで間違っていたの?
どの道のりを辿ればよかったの?
母は、この事実に背を向けるかのように
永遠と私に非現実を言いつける。言い放す。
認めてもらえない、今の私を。
蝕まれていく。
私は現実と非現実に蝕まれていく。
ひとつ残さず綺麗に蝕まれるのなら、
むしろ私はそれを望むであろう。
だってその方がいい。
希望や夢を唱えるものが私は嫌いだ。
人の気持ちを知らずに描かれたものが嫌いだ。
聴いた本人の気持ちを保証も出来ないくせに
自分自身の気持ちに浸って描く
物語も歌も全てが嫌いだ。
勝手な正義を振り翳してくるものも大嫌い。
そんな捻くれた自分も嫌い。
全部が全部。何もかも。
自分の内側からだだもれる感覚に
歪で大きな岩をぶつけられたなら。
あぁ、閉鎖された私に
心の奥深くから寄生した何かが、
寄生した何かが、私を少しだけ救う。
心の奥深くにざわざわと寄生されて
わたしはわたしになっていく。