雲ノ平山荘

北アルプスの最奥地、雲ノ平にたつ山小屋です。 オフィシャルWEBサイト https:…

雲ノ平山荘

北アルプスの最奥地、雲ノ平にたつ山小屋です。 オフィシャルWEBサイト https://kumonodaira.com/

最近の記事

国立公園の歴史と「自然」の価値に関する考察

「序」 ●まず本論に入る前に今年の7月末にSNS 内で展開した「国立公園への高級リゾート誘致」をめぐる議論を共有したい。 この議論は7月19日の岸田首相による「国内35箇所の全国立公園に高級リゾートを誘致する」という方針発表を受けて始まった。リゾート誘致計画を懸念する市井の人々の声に対して、某議員が以下のような投稿をしたものに、私が異論を投げかける形である。 (以下、伊藤の投稿) こうした言説もあるが、惑わされない方が良い。 この主張には、「既存の国立公園の運営体制が

    • コロナ後の山小屋           -国立公園の未来と新しい世界について-

      PEAKS連載記事 山と僕たちをめぐる話  第28話〜第31話「これからの話」補稿版(2021年1月号〜4月号)                          2021年4月2日                         雲ノ平山荘 伊藤二朗 コロナ禍からの出発雲ノ平から下山して二ヶ月。今年は寝ても覚めても日常の二文字が遠い。 気がつけばあたりではクリスマスイルミネーションが明滅し、2020年という迷宮のような季節に別れを告げるべく、人々が師走の街を忙しなく

      • コロナ禍の景色② 登山自粛論(PEAKS連載記事「山と僕たちをめぐる話」第21話 大幅補稿版)

                                2020年5月22日                         雲ノ平山荘 伊藤二朗  近所の小高い丘の上に、海が見晴らせる公園がある。よく晴れた日の夕暮れ時、久しぶりに妻と二人で訪れると、公園につながる車道は通行止めで、人影はない。それならば…と、おもむろに芝生の上で大の字に寝転んで空を見上げれば、雲ひとつなく、しみじみと蒼い。その空の一角には半月がぽかりと浮かんでいて、眺めていると、月がふわふわと揺れ動くような気がし

      国立公園の歴史と「自然」の価値に関する考察

      • コロナ後の山小屋           -国立公園の未来と新しい世界について-

      • コロナ禍の景色② 登山自粛論(PEAKS連載記事「山と僕たちをめぐる話」第21話 大幅補稿版)