【公文式】B教材筆算

A教材からB教材に上がって、保護者さまより良く問合せを受けることが多いのが、筆算の解き方です。

公文式の算数では、一貫して、『こう解かせなければいけない』というようなガイドラインはありません。

学校では、1の位から書く、繰り上がるときには10の位に1を書いて、10の位の数と書いた1を足す、というように順序立てて解かせます。
もちろん、考え方は、その通りなのですが、公文式では、全くその通りに書かないと✖になるというものではありません。もちろん△もつきません。
たまに、繰り上がりを書かないと△になるよ、と教える保護者の方がいますが、それは学校の影響かなと思います。

逆にこういう話をすると、公文式では、『繰り上がり』を書くと先生に注意される、等と伝わっていたりもしますが、これは誤りです。

自分で一度理解したら、どう解いても良いんです。

どう解いても良いんだけど、あえて言うなら・・・私の希望をまとめておきます。

いずれにせよ、色々な子がいるので、これしかダメですという言い方は公文式ではタブーです。その子が一歩成長できる解き方、意欲を保てる範囲で、というのが常に正解です。ですので、こう解きなさい、というような教え方は、教室からはアナウンスしません、聞かれて答えることが多いので、都度生徒さんに説明をしてまいりましたが、本当によく聞かれるので、いよいよ一度ちゃんとまとめることにしました。こういう記事を読んでいただくことで、公文式の本質への理解をしていただければ何よりです。

Q1:繰り上がりの1を書くか書かないか
書かなくてできるなら書かない!!

覚えることで頭を使っているので、書かなくてすむなら書かずに解かせてみましょう。なるべく書かせないというのが公文式の共通解、ただ、書かないと難しがる子には書かせても良い、というのがガイドラインにあります。
書かないと難しがる子がどんな子か、一時記憶が苦手な子、記憶したことがすぐに飛んでしまう、学習面で何らかの課題がある場合、もしくは、学校ですでにやり方を習ってしまっていて、そのやり方に固執してしまって、なかなか変えられない子、そういう子でも、試してみてと言って、書かない方向に変えられたケースもあれば、たしざん自体おぼつかなくて、書かないと全くできない子もいます。
ただ、公文式の考え方からすると、たしざんを固めず、筆算に進むことは少ないケースだと思いますが、どうしても覚えられない場合に、筆算に進めてみるというやり方をする場合もあるでしょう。
そういう子は書かないとできないとなるかもしれません。

私が良く生徒さんや保護者にお伝えしているのは、B教材はただのたしざんやひきざんの勉強ではない、ただの一桁同士の計算はA教材、B教材はひっ算の計算を通じて、計算過程(プロセス)を自分の思考回路で構築し、アウトプットする行為。

繰り上がり(下がり)の判断、繰り上がる(下がる)という計算をする、もしくはしないという判断が小さいお子さまには難しかったりする、A教材までは、ある程度繰り返しを何度もして記憶だけで何とかなった子も、B教材になると、考えることが面倒になると途中で判断を放棄したり、情報を頭にしばらく留めておくというような力が不足していると間違いが多くなる。
問題をちゃんと見ない傾向がある子も、間違いが多くなる。
そういう意識を変えて、この先の複雑な計算問題に備える教材だと思っているので、そういう使い方が望ましい。

Q2:書くときは1の位から書くか
賢くしたいなら、楽しいと思えるような解き方をする!!

123+877という問題があって、これを1000と大きな位から書いたときの爽快感、パズルのピースをキッチリはめられた感じというのが計算問題を楽しく感じる一瞬だったりする、それを体感してもらえるような解き方が私は理想だと思っていますし、こういう解き方をする子のほうが、結果的に伸びることが多いので、これもできるなら、『大きな位から書きましょう』です。

段階的に変えて行くのも手
例えば、まだプロセスを十分理解していない時期というのも幼児さん等の小さい子ができるようになっていく過程で起こりうることも感じています。

先生が大きな位から解くよと言ってきたので、子どもにそれを強要したところ、難しくて泣いちゃう、やりたがらない、ということが発生し、もう公文はやりたくないと言うことにつながってしまう。

それが嫌で公文やだとなるのは、本当にもったいないことです。

まずはちゃんと理解できているか、なのですが、ちゃんと理解をしているか聞いてみても返答すらあやしかったり、そういう場合には、いったん繰り上がりを書かせる、1の位から書く、というステップを経て、自信を持って解けるようになり、そろそろできるんじゃない?という雰囲気が出て来たら、教室では圧を掛けない雰囲気で、『こんなふうに、書いてみたら?できそうだけど、やってみて(^^♪』という風に声かけしています。
私が見てそういう判断で解き方を変えたケースはこれまでも結構あって、聞くと『お母さんからこうしなさい(1の位から書きなさい)と言われた』と子どもは言うのですが、大体、挑戦させてみるとできたりする。
それで、お母さんに伝えてねと言うのですが、『先生がこういう風に解けたらかっこいいって言ってた』と。

ですので、うちの子には、まだ大きな位からパッと書くのは難しそうだわと思われたら、あまり気にし過ぎず、1の位からでも良いから、ジャッジしてアウトプットすることに慣れさせて、まずは正確性を高めてあげてください。
大体の子どもは自信を持たないとチャレンジしようとしません。自信を与えてあげることが大事です。以上

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