【佐藤亮子さんインタビュー③】幼児教育のポイントを教えてください。
豊かな教育実践で注目される「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんが、これからの子どもたちに一番大切な力だという「読解力」。
2021年3月には、「読解力」を育む育児、幼児教育とは……という視点で、子どもたちへの働きかけや学習を振り返り、その実践方法を、子育て中の保護者の方々へのエールとして盛り込んだ『我が家はこうして読解力をつけました』を執筆されました。そんな佐藤さんにさまざまな観点でインタビューを行いました。
――第2回では、「絵本を読むときに親が意識したいポイント」についてお話をうかがいました。今回は、幼児教育についてお聞かせください。
佐藤:
幼児教育というのは、小学校就学前の0歳~6歳頃の子どもに対して行われる教育を意味しますが、その時期は子どもにとって非常に大事な時期になります。
なぜなら、小学校に入学すると、すぐに「ひらがな」「数字」を学習するため、それまでの準備をしっかりしておかないと、とても大変な思いをするからです。
このスタートダッシュが、その後の小学校6年間に影響します。小学校1年から6年の間には、人間として生きていく上で大切な事柄を学びます。それが血となり肉となることは非常に重要です。小学校6年間をいかに楽しく有意義なものにするかは、入学までの0~6歳をいかに家庭でしっかりと過ごすか、ということにかかっているのです。
学習する習慣がなければ、小学校へ入学したからといって、突然机に向かって勉強するということは、基本ありません。
たとえば、公文をするときのようにきちんと鉛筆を持ち、座ってなんとなく書く。そして、だんだん書けるようになってきたら、ていねいに書く。ていねいに書けるようになってきたら、人に分かるようにはっきりと書く―。
――たしかに、「書く」にも細かいプロセスがありますね。
佐藤:
そういった段階を踏む中で、「学ぶということは大変なことで、まじめにやらないとできないことだよ」と実体験から子どもが少しずつ学んでいけるのです。
そして小学校に入学すると、学校で学ぶ授業がすごく楽しめるのです。つまり、親元にいる時間が長い0歳~6歳は、いかに親が子どもに働きかけるかということが大事になってきます。
――佐藤さんはどのようにお子さまに働きかけられたのでしょうか。
佐藤:
親が働きかけようとしても、忙しいとなかなかしっかりできません。私の場合、家庭だけでは難しく、きちんとしたシステムに入ったほうが楽だなと感じ、公文式にお願いしました。公文式の先生に指導を受けることで、子どもは着々と実力がついていきました。
我が子は小学校に入学して、ひらがな、カタカナ、漢字を習うことが待ち遠しくて、結果、6年間楽しく小学校に通いました。きっとそれは入学までに公文式のプリントをきちんとやったということがベースになっていたからだと思います。公文式を真ん中に置いて、絵本や童謡などを使いながら学習していくことは、本当に大事なことです。
お父さんお母さんもお子さんも楽しく過ごし、6年間を大切にして育てていただきたいなと思います。
――『我が家はこうして読解力をつけました』でも、佐藤さんが幼児教育のひとつに公文式を活用されたことが書かれていました。佐藤さんのお子さまはいつごろから公文式を活用されていたのでしょうか
佐藤:
長男が1歳半になったときに公文式に入り、その後子どもたち4人全員、お世話になりました。初めて入会したとき、先生と一緒に子育てをしていた感覚でした。
例えば、「〇〇(長男)くんはあれが苦手だよね」「△△(次男)くんはあれが得意だよね」などと、先生の視点でおっしゃってくれ、私が気づいていないことも教えてくれました。
また、「お母さんはこういうふうに言ったらいいのでは?」などとアドバイスしてくださるので、私自身「なるほど」と勉強になることが非常に多かったです。
子育ては家庭内だけではなかなかうまくいかないからこそ、そこにプロの方がしっかり入って、基礎学力をつけた状態で上手に小学校入学へと導いてくださるというのは、とても大切なことだなと感じています。指導者なしではなかなか難しいと思います。そういった意味で、子育てを公文式の先生と一緒にしたな、手伝っていただいたな、という思い出があります。
――公文式のしくみで、よかったと思われることを教えてください。
佐藤:
「先にも進める、元にも戻れる」ということです。「何かが苦手だな」「計算のここが苦手だな」と思う分野は、先生から指摘をいただいて、いつでも見直せるということは、大変魅力的でした。
公文式のプリントは非常にシンプルなので、子どもたちは取りかかりやすいし、進みも早く、理解もしやすい。子どもたちは楽しんでやれると思います。まずはプリントをしっかりやることをマスターし、ぜひ次の学年に進むというステップを踏んでいただけたらと思います。
(本企画は佐藤ママスペシャルインタビュー動画をもとに再編集し、記事化したものです。)
大分県生まれ。大分県内の私立高校で英語教師として2年間教壇に立った後、結婚。その後は専業主婦として3男1女の子育てをし、お子さんたちが揃って東京大学理科三類に進学したことで、メディアを通じ「佐藤ママ」として注目を集める。その子育てにまつわる著作物の刊行や、中学受験を中心に子どもの勉強に悩むご両親を対象にした講演会に多数登壇している。くもん出版から『我が家はこうして読解力をつけました』を出版した。
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