災害の多様性「異常気温の危険」
気候変動への対策が進まず、気温の上昇が続くと、2040年には、東京都や大阪府などで夏に熱中症のため救急搬送される人の数が倍増するというシミュレーション結果を名古屋工業大学などのグループがまとめました。以下に記事を転載します。
世界中が、現在のように気候変動への対応を疎かにした場合には以上のように熱中症症患者が倍増するということです。
「寒暖の差が激しく高まる熱中症の危険性」
まだ4月のなのに30度近くの気温・・・異常気温を記録しています。といっても異常気候に異常気温が当たり前になってしまった現在では少しも不思議はないのです。暑ければエアコンを入れるなりすれば良いのですが、「まだ早い」と我慢したり「エアコン嫌い」の方々も多くいらっしゃると思うのです。すると何が起きるかというと「熱中症」ですね。熱中症は冬でも起きるし、年中ので意外ではないですが、一応、熱中症のシーズンは夏ですからね。4月に発生するのは季節外れの熱中症と言えます。つまり想定外ということです。災害は想定外によって発生するのです。
「気温が上昇すると食中毒も増加」
夏に向かって湿度や気温が高まるこれからの季節は、食中毒全体のうち90%を占める「細菌性食中毒」が、年間で最も多く発生する時期にあたります。細菌性食中毒は、食中毒細菌が食品と共に口に入り、腸管内において食中毒細菌が様々な毒素を産生したり、腸粘膜細胞内に侵入したりして、下痢、腹痛、嘔吐、発熱、頭痛、倦怠感などの症状を引き起こします。(一般財団法人 東京顕微鏡院サイトを参照)
食中毒菌の多くは、中温菌と言われ、最も増殖しやすい温度は 30~38℃程度です。 これより低い温度帯でも増殖しますが、温度が下がるにつれて発育速度は遅くなります。ですから今月のように気温が30度近くになると、食中毒菌が活発化するのです。
ただし、例外はウエルシュ菌で、至適温度(増殖する速さが最も大きい温度)は40~45℃と高く、また、鶏の腸内を棲家にしているカンピロバクターも42~43℃となっています。リステリアの至適温度は37℃ですが、-0.4℃でも発育可能となっており冷蔵庫内氷温でも増殖することになります。 ほとんどの食品は水分も多く含んでいるので気温の上昇が細菌を増殖させる大きな要因になります。 ただし、最近の食中毒発生の傾向は少量で感染するカンピロバクターや腸管出血性大腸菌O157など多くの菌を必要としない(少量発症菌)食中毒が多く発生しています。これらはあまり気候に左右されず年間を通して発生します。
「リステリア」
「腸炎ビブリオ」
腸炎ビブリオ食中毒の予防法
主な原因食品は刺身、寿司、一夜漬けなど。
魚介類や刺身は必ず10℃以下で保存し、室温に放置しない。
魚料理だけでなく、きゅうりなどの塩もみや一夜漬を作る際には、熱湯消毒した包丁、まな板を使用する。
「サルモネラ」
サルモネラ食中毒の予防法
主な原因食品は、生卵、卵焼き、親子丼、洋生ケーキ、食肉、レバーなど。
サルモネラの増殖を防ぐため、卵の購入後は必ず冷蔵庫に入れ、10℃以下で保存。
卵を生食する場合は、必ず賞味期限を守る。
調理時には卵黄が固まるまでよく加熱する(70℃、1分に以上)。
肉類も褐色になるまでよく加熱する(75℃、1分以上)。
調理に使用した容器、包丁、まな板などは熱湯消毒を徹底する。
牛レバーはサルモネラやO157汚染があることから生食は禁止されてきました。豚や鳥レバーあるいはササミなどの場合、乳幼児など低年齢層は、少しのサルモネラでも食中毒を起こすことからしっかり加熱をすること。
「カンピロバクター」
カンピロバクター食中毒の予防法
主な原因食品は鶏肉料理、ササミ、レバー、サラダなど
サルモネラと同様、肉を75℃以上で褐色になるまで加熱する。
サラダなどの生食料理を先に作ってから、その後に鶏肉料理を作る。
鶏肉に使用した容器、包丁、まな板などを熱湯で消毒、鶏肉に触れた手指は石鹸で30秒以上もみ洗いし、アルコール消毒しましょう。
今年の夏は、平年以上に暑くなるそうです。異常な暑さを記録した昨年以上に暑くなると、熱中症に食中毒だけでは済みません。森林火災も増加するでしょうし、集中豪雨による水害も多発するでしょう。
できる限り想定外な状況に陥らないように、多様な災害を想定して、少しでも事前に対策しておきましょう。
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