韓国ドラマ&映画「ミッシング続編」&映画「毒戦BELIEVER続編」
「ミッシング」
韓国ドラマに「ミッシング」というシリーズがある。シリーズと言ってもWOWOWで現在放送中の続編(シーズン2)があるだけで、今後、シーズン3があるのかはわからないからシリーズとは言えないかもしれないが、個人的には2以降の制作を期待している。
登場人物は、霊能力(霊が見えるということ)がある詐欺師のキム・ウク(コ・ス)、同じく霊能力者のチャン・ハンソク(ホ・ジュノ)、公務員のイ・ジョンア(アン・ソヒ)、刑事のシン・ジュノ(ハ・ジュン)の4人が主要人物。殺害されて遺体遺棄され行方不明になり、成仏できない人々が暮らす村で、行方不明になった娘を探すチャン・ハンソクと詐欺師のキム・ウク。行方不明になった恋人チェ・ヨナ(ソ・ウンス)を探す刑事シン・ジュノが知己を得て多くの行方不明者の謎を追いながら遺体を探し出す。行方不明者の遺体が発見されると、霊は無事に成仏できて天国に召されるというお話である。シーズン2では、映画「パラサイト」で狂気の家政婦を演じたイ・ジョンウンが村の食堂経営者カン・ウンシルとして参加している。
シーズン1で、刑事ジュノの恋人ヨナを発見を含む多くの行方不明者たちを探し出して天国へ送り出したウクとハンソクは、霊魂の村を出て一般人として暮らしていたが、ある日、少年オ・イルヨン(キム・ドンフィ)に遭遇。イルヨンは行方不明者の霊で、ウクとハンソクは再び行方不明者たちを捜すことになる。行方不明者を捜し出すということは、その人たちを殺害した犯人たちを捕まえるということに直結する。
韓国ドラマお得意のファンタジーではあるけれど、悪人たちを捕らえ、行方不明者の遺体を見つけるという物語は、全体的にコメディタッチであるから面白いし、同時に根幹をなす悲劇の結末では涙腺が緩みっぱなしという結果となる。微笑ましく泣ける極上品なのである。それなのに、シーズン2は、途中打ち切りとなったと聞く。残念である。続々編を希望する。
「毒戦BELIEVER、毒戦BELIEVER2」
映画「毒戦BERLIVER」は、危険な映画だ。麻薬捜査が主題だが、内容はもちろん、登場人物たちもかなり危険なのだ。韓国映画だから非道な行為の残虐さがリアルに表現されているが、その残虐行為を行なう人間たちが恐ろしいのだ。
物語は、巨大麻薬組織を牛耳る正体不明の麻薬王“イ先生”をあぶり出し、その巨大な組織を壊滅するために、麻薬取締局の刑事ウォンホは捜査をしているが、イ先生の尻尾すら掴めない。そんなある日、麻薬製造工場が爆破され、事故現場から“ラク”と名乗る1人の生存者が発見された。ウォンホは、組織から捨てられたラクと手を組んで、危険な筋書きによる組織への潜入捜査を決意する。
まず主人公というのは麻薬を取り締まる刑事ウォンホ(チョ・ジヌン)、ソル薬局のブルータス以来、ドラマや映画で重要な役柄を演じている。組織から捨てられた若者ラクを「応答せよ1988」のリュ・ジュンヨルが演じる。2017年に交通事故死してしまったキム・ジュヒョクは、闇市場のボス、ハリムを演じているが、その最後の演技に凄まじい狂気が感じられる。さらに素晴らしいのはハリムの妻ポリョンを演じるチン・ソヨンだ。狂気に走る妖艶で破滅的な美しさは目を見はる。この人を観るだけでも価値がある。まさに極悪女役が適役という女優である。
売人のパク・ソンチャンを演じるパク・へジュンは、数多くのドラマや映画に出演している。毒戦の正編&続編で重要な役ブライアン理事を演じるチャ・スンウォンは、善人を演じても悪人を演じても不自然さがない演技力が光っている。僕が大好きな映画「楽園の夜」の冷酷な悪人役が印象に残っている。冷酷な悪人だがコミカルな部分も併せ持っているという「花遊記」の牛魔王などの役柄がピタリとはまる俳優だ。
毒戦BELIEVER2で驚いたのは「トンイ」のハ・ヒョジュが、クンカルという恐ろしい女役を演じているが、特殊メイク?で醜悪な姿になっている。これは個人的な意見だが適役とは思えない。少し前の日本制作の「太陽は動かない」のAYAKO役も適役とは思わなかった。無理をして悪役や冷酷な女を演じるのはやめて、生来のキャラクターに合った役を選ぶべきだと思う。
「D.P.脱走追跡官」で脱走兵を演じたキム・ドンヨンが聾唖者のドンヨン役、同じくイ・ヘヨン役のカン・スンヒョンが素晴らしい。両者ともに正編続編に出演して独特な“味”を出している。このふたりが、この映画の肝であると言っても良いほどだ。
ラストは ? 的だけれど、「何かを守るために死ぬ」ことをカッコイイと思っている人間には、たまらないのだろうね。
結果的に、毒戦「BELIEVER」と「BELIEVER2」は、両作合せて1作として観て、大傑作であると思う。できればチャ・スンウォンも死んでほしかった。
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