「日本の漫画が世界に与えた影響」 11月はWOWOWでポン・ジュノ特集
韓国の映画監督ポン・ジュノ…。僕は彼の作品が大好きです。アカデミー賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」の放送と一緒に、彼の作品「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「母なる証明」「スノー・ピアサー」が放送されます。さらに「パラサイト 半地下の家族」のモノクロ版も放送されます。
ポン・ジュノは、もともと漫画家を目指していたそうです。世界の漫画やアニメーションに詳しく、日本では「鉄コン筋クリート」の松本大洋さん、「ヒメアノ~ル」の古谷実さん、「自虐の詩」の業田良家さん、アニメーターの沖浦啓之さんなどの作品を評価しており、影響も受けているといいます。(Wikipedia“ポン・ジュノ”を参照しました)
彼の映画作品も、独特な画角や構図は、漫画や写真の影響を強く受けているように思われます。僕はその感覚がとても好きです。独特なのは作品の内容も同様で、そのためか李明博および朴槿恵大統領時代には、政権に不都合な文化人として、「文化・芸術界のブラックリスト」に入れられていたそうです。こういう人…好きですね。芸術家ってのは常に反権力でなくては、権力に迎合した忖度作品なんて芸術ではありませんからね。
画角、構図と言えば、少し前になりますが、ドラマ化された鈴木小波さんの「ホクサイと飯さえあれば」の独特な絵柄と画角および構図には痺れました。小・中学生の時に読んでいた漫画専門誌「COM」に載るようなコマ割りと展開で進む物語に、新しい時代(といっても2015年…ですか)の作品なのに、昭和40年代の空気感が懐かしさを感じたものです。
無断転載です。申し訳ありません。
講談社刊「ホクサイと飯さえあれば」 鈴木小波 ISBN978-4-06-382595-4
好きなのは超広角&魚眼画角のコマです。
優れた画力に裏打ちされた独特な絵柄に僕はやられちゃいました。
もうひとつ、乃木坂太郎さんの「幽麗塔」にもやられちゃいました。黒岩涙香の「幽霊塔」(霊に麗の字があてられています。ちなみに幽霊塔は、江戸川乱歩の翻案版もあります)を元に展開される猟奇的な物語ですが、乃木坂さんの絵が素晴らしいのです。吾峠呼世晴さんには大変申し訳ないのですが、乃木坂さん版の「鬼滅の刃」が読みたいほどの画力と猟奇力なのです。
小学館刊「幽麗塔」乃木坂太郎 ISBN978-4-09-186344-7
あ、ポン・ジュノ監督の作品の話からだいぶ脱線してしまいましたね。申し訳ないです。