病院にて
今日は、わが街による“無料健康診断”のために近くの指定病院にかみさんと一緒に出かけました。その病院は、この街で40年続いている古い病院で、院長は医師を兼ねていて、かなり高齢でヨボヨボしているのようです。僕は見たことがありません。義父が地元の施設で突然死したときに「死亡診断書」を書いてもらったのがこの病院でした。その際に、かみさんが院長を見たことがあるので、かみさんから聞いた印象です。
「市の健康診断でしたら、いきなり来院されても大丈夫ですから、いつでも好きな時間帯にいらっしゃってください」と言われたので、本日思い立ったちゃったので、突然、しかも午後の部(14時から)にのんびりと出かけたのであります。
15分前ほどに前に病院に着くと、暗いんです。ま、午後の開院前ですからね。それにしても暗い…幽霊が出るような感じです。階段の壁は剥がれ落ち、蜘蛛の巣までモアッと張っています。下手すりゃ廃屋的な感じです。
それに玄関には男物のサンダルが転がっていました。かみさんが「院長のだよ」と言います。
怖くなって…。
「俺、帰ろうかな? 健康診断は他の病院で診てもらおうや」
「ここまで来て、何言ってるの、アタシは帰らないよ」
「むう…」そのまま我慢していると、開院近い時間になり、上の階から複数の女性の声がします。看護師さんたちでした。それに合わせるように病院に僕たちと同じほどの年齢の夫婦が入ってきました。看護師さんに「インフルエンザの予防接種受けに来たんだけど…」と言います。そこにまた同じほどの年齢の夫婦や子供連れの女性達が続々とやって来ます。
すると、不思議なことに廃屋状態だった病院が活気に満ちてくるから不思議です。皆、インフルエンザの予防接種を受けるようです。あっという間に待合室の椅子は埋まってしまいました。
そこに院長らしき男性が玄関から入ってきました。玄関に転がっているサンダルを履きながら、僕たちの次に病院に入ってきた夫婦に向って「80歳を過ぎているから…」と言ったようです。自分の年齢でしょうか? しかし、何故、年齢のことを言っているのかもわかりません。
健康診断に来たことを告げ、ついでに胸部レントゲンも撮ってほしいことを告げます。健康診断は身長、体重、血圧、尿検査、採血検査がセットですが、そこにオプションとしてレントゲンを付けてもらいました。
かみさんは受付で「電話で1000円で撮影してくれるって聞いたんですけど…」としつこく聞いています。エライ!僕たちは貧乏なので医療費は僅かなのです。こんなかみさんと結婚できて嬉しいわ。