シルバー人材日記「タクシー綺談」後編
「幽霊を見たんですか?」
「うん、見たよ」
嬉しいな。僕は物書きではないが、こういう話を聞いたり記録したりするのは好きだからね。
「おお、その話をぜひ聞かせてくださいよ」
「ああ、いいよ」
「で、どんな話ですか?」
「うん、ここに引っ越してくるまで東京の東陽町に住んでいたんだけど、当時はタクシー会社で働いていたんだよ。でさ、ある日、あれは終電過ぎの時間だったな・・・。自宅がある東陽町駅から若い女性を乗せたんだよ」
「どこまで乗せたんですか?」
「神田の明神下までだね」
(あ、