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病床でM-1グランプリ2024を視聴して気づいたこと

お笑いが好きだったにも関わらず、しばらく遠ざかっていました。

ほぼ寝たきりで生きるのに必死という体調では、面白いものを感受する余裕は無かったんだろうと思います。

M-1だと2019年ミルクボーイのコーンフレークが最後の記憶でした。他の年はたぶんYouTubeで気になった最終決戦だけを見たり見なかったりで、2019年のも全部見たわけではありません。

つまり令和ロマンもヤーレンズも真空ジェシカも知りませんでした。

そんな状態で偶然、病床からTVerリアルタイム視聴した久々のM-1グランプリはとても刺激的でした。

まず20回記念の歴史を感じさせるオープニング映像に感動し、2024年の決勝進出者は誰ひとり知らないながらも、M-1を見るのを好きだった気持ちが掘り起こされました。

そして、現役漫才師ばかりで最早こっちが決勝戦かと見紛うような、代替わりした審査員の面々。くじ引き、2023を見ていないので何に熱くなっているのかはいまいちわからないながらも感じるうねるような会場の空気、次々繰り出される漫才。

今のM-1はこんなに面白かったんだ! という興奮と感動がありました。

終わってから、2023を遡って視聴、特に好感を持った数組のコンビ情報を集めてみて気づいたのが、優勝した令和ロマンの凄さです。

M-1では誰もが翻弄される、出順と観覧の反応。

漫才は磨けても、順番だけはしょうがない。トップバッターを引いたら会場がまだ温まっていなくて審査員が点数を最高でも90までしかつけられないから不幸。どんな漫才の後かも大きく左右するというのが通説だったのに、彼らだけはそういう理不尽なランダム性をランダムのままで放置しなかった。客の反応を客のせいにせず、自分の支配下に置けるコンビだと気づきました。

確かに、あんなにも人生を賭けて挑んでいるのに、順番と客席にだけはノータッチというのはハイリスクだと思いました。歴代の審査員ですら「もうちょっとウケてもよかった」と度々言っていたけれど、そこをなんとかできる漫才師が現れたことで、客の反応には必ず理由があるんだということが、見ているだけの僕にもわかりました。

客は漫才師が不安や緊張を取り除いてくれたらちゃんと笑う。出順という運命すらも、対策する者には有利に運ぶ。

前年優勝したのに連覇を狙ってまた出てきたヒール役というキャラクターと、客にあそこまで対応できる温かさがチグハグで興味深く、分析するのが楽しいです。

また明日。

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