お若いお母さまのために/小学校の『お受験』についてお話しします。
はじめまして。これからこのnoteという場をお借りして小学校受験、いわゆる『お受験』についてのお話をしていきたいと思います。
このページをご覧になっている方は、おそらく「現在お受験に挑戦中」か、「これからお受験にチャレンジしてみようと考えている」方のどちらかかと思います。そうしたお受験を志すご両親、とくにお若いお母さまの役にたつ、そしてじっさいに教育の現場にいる人間として知っておいてほしい情報をお届けしていこうと思います。
その前にこいつはいったい誰なんだ、こんなことを語る資格があるのか、という問いにお答えしておきますと、ぼくは札幌のとある幼児教室で約二十五年間、幼児さんの先生をやってきました。その間、300人以上のお子さんをお受験生として送り出し、その大半を合格させてきました。
とくにぼくが関わってきたのはご両親が学校に提出する入学願書の添削です。過去に関わった子たちの願書はすべて(ということは三百通以上)チェックし、手を入れ、合格できるよう添削をしてきました。
小学校受験において、願書というものはとても大きな役割を持っています。そのクオリティーは合否に深く影響をおよぼし、その内容によってお子さまの印象がほぼ決まると言っても過言ではありません。
しかしまだお若いご両親にとって限られた文字数の中で文意の整った願書を書くというのはむずかしいことです。しかもその中に学校側が知りたいと思っている情報をさりげなく含ませ、こちらの情熱を伝え、かつお子さまの人柄を的確に表現するというのはかんたんにできることではありません。
そうしたお母さまたちのお手伝いを日々させていただくうちに、ご両親がどんな気持ちでお子さまを私立小学校に入れさせたいと思っているか、そしてそれに対し学校側はどういうお子さまを求めているかがだんだんわかってきました。
うちの教室には毎年お受験に関心を持つたくさんのお母さまがいらっしゃいます。お子さまの年齢はだいたい三歳から五歳くらいでしょうか。その方たちにぼくは「お受験とはこういうものですよ」「お受験に挑戦するなら今からご家庭でこういう準備をしておいてください」と説明をさせていただきますが、毎年それを繰り返すうちに、しだいにこうしたお母さまがたが幼児教室やお受験専門塾にこられる前に、もっと気軽にお受験のノウハウやガイド的な情報にアクセスできる場所があってもいいのではないかと考えるようになりました。
もちろん本屋さんに行けばお受験関連の本はたくさん売られていますし、受験コーナーの棚にはその手のHowto本が並んでいることでしょう。しかしそうした専門的な本とは少しちがった形───もっと平易でわかりやすい言葉で、今まさにそれを必要としている方たちにむけてお受験にまつわるあれこれを説明することができるのではないか・・・と思ったのがこのnoteを書くに至った経緯です。まあ、ぼくの持っているささやかな知識や経験がだれかのお役に立つのであれば使ってください、というのが正直な気持ちです。
幼児を持つご家庭において、わが子の教育を決めるのはお母さまです。これはどういうわけか必ずそうで、学校の下調べも、幼児教室探しも、出願の準備も、ご夫婦のうち担当するのはすべてお母さまであり、そこにお父さまの姿が登場することはとてもまれです。うちのお教室でも、最初にご連絡をいただくのはやはりお母さまであることが大半です。それがなぜかはわかりませんが、やはりお母さまという存在はそれだけお子さまに深い愛情を注ぎ、その未来や将来を自分のことのように気にかけている、ということなのでしょう。
嵐のようにめまぐるしかった乳児期をすぎ、お子さまが幼稚園や保育園に通われる年齢になってくると、お若いお母さまの心境はひとつの踊り場にさしかかります。このままでいいのだろうか。そろそろうちの子も体系的な学習をさせる時期なのではないか。そんな思いを抱いてふとまわりのご家庭を見渡すと、まわりのお子さんはすでに幼児教室に通い、着々と小学校お受験の準備をはじめている・・・。
わが子がいつの間にかそんな年齢になっていることに気づき(というか、それでもまだじゅうぶん早いのですが)、お母さまはあわてて情報収集をはじめます。そして世には小学校受験というものがあり、面接や行動観察(?)というものがあるらしいこと、合格には入念な準備が必要なこと、早い人はもう二年も三年も前からお受験の支度をはじめていることを知り、お子さまの手を引いて幼児教室を探したり、通いはじめたりする。多くの場合、お母さまは孤立しており、周囲に相談できるような年長者や相手はいません。
そんなお若いお母さまの疑問や問いに、このnoteで少しでも応えていきたいと思います。
はっきり言ってその内容はうちの教室のホームページを見ていただければ話は早いのですが、「ふと気づけばお受験という現場の最前線で矢面に立っていた」というお母さまのためにも、もっとわかりやすい形でお受験や幼児教育について語っていきたいと思います。せっかくの機会ですから、ぼくが幼児教室という現場で長く幼児さんとすごしてきた中であったいろんなエピソードや思い出(なにせ話の種は二十数年分ありますので)なんかも綴っていきたいと思います。
よろしくお願いします!