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【勉強会報告】2級キャリアコンサルティング技能士にいざなわれてみた

国家資格キャリアコンサルタントに合格した「後」の学びを応援してくれるACCラボの主催の、「2級キャリアコンサルティング技能士へのいざない」に参加させていただきました。キャリコン講座でお世話になった先生の主催で、講師は苦労して2級技能士を取った方。毎月のロープレ会でお世話になっている、キャリコンの先輩(熱血タイプ!)でもあります。

私は、ちょうど1年前に、国家資格キャリアコンサルタント(以下、国キャリ)を取ったばかりです。取得後は、ロープレ練習会や日常的な傾聴活動などを続けていますが、“修行中”の身。ですから、「2級キャリアコンサルティング技能士(以下、2級技能士)」を取ろうという意志どころか、国キャリと2級技能士の違いも何もわかっていない状態でした。

先輩による「誘い(いざない)」と聞いた時、きっと熱くオススメしてくださるであろうことを期待し、「試しにいざなわれてみよう」という気持ちで参加してみました。この勉強会で頂いた説明の要点と、私の気づき・感想をまとめました。

■そもそも技能士とは?

厚労省のサイトによると、『働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定』である技能検定が131職種(2024年5月20日現在)あります。その中の一つに「キャリアコンサルティング」があり、2級と1級に分かれています。合格すると、「技能士」と名乗ることができます。

■国キャリと2級技能士との違いは?

このページで、図をご覧いただくのが最もわかりやすいと思います。
https://www.career-shiken.org/lp/

『5分でわかるキャリアコンサルティングの資格試験』キャリアコンサルティング協議会 より

実務で求められるレベルとして、国キャリ(上図の「キャリアコンサルタント」)では、『職業選択・職業生活設計・職業能力開発に関する相談・助言・指導に必要な知識・技能・倫理等の基本的な基盤をもっている』とあるのに対し、2級技能士では、『豊富な実践経験を有し、在職者・求職者のみならず、学生・生徒も含めた幅広いクライエントに対して「厚みと広がり」を持った支援が可能なレベル』となっています。

国キャリが「基本な基盤」で、2級技能士が「厚みと広がり」

ざっくりと自動車運転に例えるならば、国キャリは「運転免許を取得して、公道で走れる状態」。2級技能士は、自動車運転の「経験と知識に裏付けされた運転スキル」を公的に証明するような感じでしょうか。

■2級技能士を取得するメリット

私が最も関心を持っていたのは、2級技能士を目指す過程で、あるいは取得した後、「キャリコンとしてどう成長できるのか」という点でした。国キャリで傾聴やキャリア理論を学んだだけでも大いに得るものがあったと考えている自分は、さらにその次を目指す理由が自分の中に見いだせるか、考えながら講師の話を聞いていました。

あくまで私見ですが、テクニカルなメリットと成長のメリットの、2軸があるように思いました。

#1 テクニカルなメリットの例

  • 合格から5年以内の更新講習がすべて免除

  • 社会的な評価が上がる(技能士という称号、国キャリよりも高い技能が期待される、社内での評価が上がる、指名が増えるetc.)など

更新講習免除のメリットは確かに大きいかもしれませんが、バラエティに富んだ更新講習も魅力的だと思っていましたし、実力が伴わない称号はちょっと・・・というのもあり、私にとっては大きなメリットとまでは、正直感じませんでした。

#2 成長のメリットとは?

国キャリに比べ、2級技能士の実技(論文・面接のセット合格が必要)の合格率は低く、15〜17%程度という狭き門。その門をくぐるために努力を重ね、無事に2級技能士に合格した方々から、「2級になってこんなことが変わった」という話を伺うことができました。たくさんあったのですが、印象に残ったのは次のようなものでした。

  • 一見難しいクライアントでも、色眼鏡なしでその人の可能性を信じて、相談に乗れるようになってきた。

  • 自分とクライアントとの関係を俯瞰できるようになってきた。これがメタ認知か、とわかってきた。

  • 毎日論述の練習をしているうちに、同じ題材でも、日によって自分の着目点が変わり、論述の内容が変化していることに気がついた。

  • 家族との会話の中で、今まで以上に心を拾うことができるようになった。(これはすごい。私は母親とすぐケンカしちゃうので、、、)

もしかすると、「論述」の練習を重ねる中で、相談ケースに対して様々な視点で見る目が養われ、クライントの真意・気持ちを洞察しようとする心の目が鍛えられ、そしてもちろん知識の幅も広がり、実践とつながっていくのかなと、思いました。今回お話された方々は皆さん「受験仲間」がいて、論述を見せ合ったり、持ち回りで勉強会をしたりして、刺激し合ったことも大きな力になったようです。

私だけではないと思いますが、試験勉強というものが好きではありません。試験と実践は別物であり、実践で役立たないけど試験に必要だから勉強する、という時間が無駄に感じられて仕方がないからです。

しかし、国キャリも2級技能士も、試験勉強のプロセスで得たことが、キャリコン実践での力になるのだろうと感じました。特に論述(考えを組み立てて文章にすること)は、クライアントとの対話においても、相談記録を残す際にも必要となる、相談内容や自分の応対を文章として話す・書くスキルの養成に役立つのでしょう。

■2級試験に合格するために

「試験がますます難しくなる前に受けたほうがいい」「国キャリの記憶があるうちに筆記を受けてしまったほうがいい(筆記は2級技能士のほうが難易度低らしい)」「仲間と勉強したほうがいい」といった具体的なアドバイスをたくさんいただきました。

その中でも、講師が強調していて、かつ私も最重要と思ったことです。

  • 基本を理解する
    ・倫理要綱
    ・「合格に求められるレベル」評価区分とその内容
    ・2級試験科目及びその範囲並びにその細目

  • 誰よりもクライアントの理解者になる
    (事象やプロセスよりも、目の前の人)

  • 受容・共感的理解・自己一致(カール・ロジャース) 
    「すごい傾聴」セミナーでも何度も強調されていた

  • 仲間と共に勉強する
    ・一発合格できるとは限らず、勉強は長い道のり
    ・多様な視点・考え方を得られることも大きい

  • いい指導者を探す
    「やりかた(方法論)」ではなく、キャリコンとしての「ありかた」を教えてくれる人を。

■果たして、2級技能士にいざなわれたのか?

合格を目指して学ぶプロセスに、大いに意義ありと理解しました。

ただ、試験勉強の時間・集中力・予算を割いて取り組みたいかでいうと、「今ではない」というのが、現在の私の結論です。

私は外国人就労者向けのキャリコンや、彼らを雇う企業の課題解決支援をしていきたいと思っているので、いまの優先事項は、2級技能士よりも「外国人雇用労務士(外労士)」です。外国人向けのキャリコンでは、日本人の場合と大きくことなり在留資格(ビザ)への理解が欠かせないためです。

さらに、英語でのキャリコンも修行中だったりします。

少しだけ先の未来に、称号や肩書のためではなく、もっと実力をつけて、もっと人の役に立つために、キャリコンの「厚みと広がり」を持ちたいと思った時に、必ず2級技能士を思い出すでしょう。

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