2021年の観劇
1月はコロナの関係か観劇のない月だった。
2月
ミュージカル 新テニスの王子様
https://note.com/kumiko_935/n/nbfc71b9b4b1e
感想はこちらに。
どんどん『テニミュ』の姿になっていくのが嬉しいし楽しかったな〜と思う。次回も楽しみ。
監獄REQUIEM
名前は知ってるけど生で見るのが初めてな人がたくさん出ていた舞台だった。
世紀末な世界観が若さを感じたけどそれがまた良かった。衣装がどれもカッコよくて良い衣装だったし、健人くんが貰ってて微笑ましかった。
3月
BARNUM
荻田さんの演出作品は年に1度は絶対に観ているし矢田さんが出ている…。
本当にハッピーで素敵な作品だった。バーナムとチャイリーの互いに強くて支え合える夫婦は加藤和樹さんと朝夏まなとさんだからこそ作り上げられる雰囲気な気がした。お二人とも強い !互いを色に喩える脚本が荻田さんのホンって感じだったなあと思う。
最後チャイリーが天に召されるシーン、ふたりが歳をとった演技が2人で重ねてきた歴史を感じて毎回泣いてしまった。
加藤和樹さんのタップが力強くてカッコよかった。出ずっぱりで一番汗をかいていて役はめちゃくちゃなのに加藤和樹さんの性格がまっすぐなところが内から出ているからか爽やかで、素敵な座長だった。
矢田さんは開幕直前で2役になってびっくりしたけど、リングマスターの役の解釈は荻田さんとのツーカーだなあと思ったし、舞台上で話を進めつつも暴れ回ってて微笑ましかったので観れて良かったなあと思った。トム将軍も小ささの表現が楽しくて、顔が綺麗で衣装が派手で良かったけど、あれだけの出番だと(削ったのかもしれないけれど)勿体なかったな〜と感じたので矢田さんのファンとしてはたくさん観ることが出来て嬉しかった。
リングマスターは、サーカスの概念みたいなキャラクターなのかなと思って観ていたけど、矢田さんは美しすぎて、演じているときに性別とか年齢とかの境界があやふやに見える時があるし、BARNUMでも腰掛けてバーナムを見ているときなどにそう見える姿が何度かあったから、概念のキャラクターがよく合うな〜と思わされた。
黒執事
初めての生執事。
前までのは配信で観ていたけど、今作から演出など色々変わっていたし、変えるぞ! みたいな制作側の意図を感じた。前回までだとグランドミュージカルっぽさも感じていたけど、今作は2.5に凄く寄っていっている印象を受けた。どっちが良いとか悪いとかではないし、色々なチャレンジが出来る作品なんだなあと思う。
高橋駿一さんが好きなので観に行ったところがあるのだけど、最後のマントを羽織ったままのアクロや大立ち回りが凄すぎてやっぱり身体能力がズバ抜けてる方だなあと改めて感じさせられた。
4月
99
田中涼星くん初主演作だし、亀田さん作だし、博品館が好きなので面白そうだな〜と思って観に行った作品。
涼星くんがすごーく愛され主人公でわかる〜と思った。あと赤澤くんも本当に一生懸命で可愛いし、そういう役がよく似合う。
5月
舞台 魔法使いの約束1章
https://note.com/kumiko_935/n/nf84543ae5de0
この一年で一番出会えて良かったコンテンツ。
6月
レミゼラブル
初レミゼ。なかなか機会が無くて観ていなかった。
映画は観ていたので作品内容は知っていたけど、実際目の当たりにして知っている役者が演じているのをみるとまた印象が変わる。
内藤さんは本当に歌が上手いな〜と観るたびに思う。
ジャベールの川落ちの演出がびっくりした。あの背景の映像もプロジェクションマッピング的な感じなんだろうか。
帝劇作品を観るたびにステージにお金が掛かっているって本当にすごいと思う。
SUPER HEROISM
延期になっていたのを拝見できた公演。
パワフルでハッピーで楽しい舞台だった〜。香さんの作品は根底にパワフルがあるから嬉しい。
石賀くんはどこか吹っ飛んでる役がやっぱり良い気がする。
とっきーさんの役がものすごく美味しくて色々流石だな……と思った。
7月
猫ひたイベ
本当に行きたかったのは2020年度のイベントだったけど、せっかく好きだしと思って行ったイベ。たくさん卒業生が居たので行けて良かったし、大城くんは生で見ると本当に顔がめちゃくちゃハッキリしているし整っていてびっくりした。
ミュージカル テニスの王子様
4thのスタート。
新しいテニミュを作るぞ! という気概をもの凄く感じたテニミュ。
新テニミュとテニミュでキャストを被せてきているのにはちょっと驚いた。じゃあ新テニミュはしばらくやらないのかな…と思っていたけど、交互にやるようで、テニミュ自体がゆっくり進めるつもりなのかなと思う。
8月
朗読劇 逃げるは恥だが役に立つ
矢田さんが恋愛的な要素のある役を演じている印象が無かったけど、舞台の風見は百合さんに対してドラマで見たよりも(尺の都合もあるだろうけど)あまり恋愛感情みたいなものを感じなくて、それはみくりと平匡さんとの関係の対比なのか、それともわたしが矢田さんに持っている印象からなのか判別が付かなかった。
カラフルでさっぱりと明るくて銀座でサラッと観ることが出来てよかった。
ヒプノシスマイク Battle of Pride
初めてのヒプステがBoP。
でもある意味これが初めてで良かった! ステの全ディビがこれで一気に観れたし、わたしが好きなのはアサクサと糸の会だから、これでしか両方を観ることが出来なかったので。
めちゃくちゃ最高のライブだったしショーだった。ステージと音響と衣装、キャスト、スタッフ、全部にちゃんと金が掛かっていて偉い。金が掛かっているものはそれだけ最高のエンタメを我々に提供してくれる。
これでアカバネも好きになって、一気に円盤1〜3まで購入してしまった。
王家の紋章
前山さんのルカを観たくて行った王家。
初めて海宝くんを観たけど海宝メンフィス強いけど冷たすぎるし、平方イズミルが強くて愛情を感じたから『キャロル絶対イズミルの方がいい』と思いながら観た。それを友人にはなしたら、友人は浦井メンフィス&大貫イズミルを観ていて、「浦井メンフィスは優しくて大貫イズミル狂気みたいなものがあったからその印象の違いあると思う」と言われてダブキャスなるほど〜と思った。
植原たっくんのライアン、なんか伊礼さん感じるな〜と思ったら初演と再演が伊礼さんだったから影響ってあるんだなーと感じた。
まなとさんのアイシスが美しくて強くて、執着と情念に満ちているのが、悲しくて良かった。本当に美しい人だなあとつくづく思う。
前山さんのルカは『美』で男でも女でもないような中性さを感じたし、荻田さんが「ルカは脚を隠すように」みたいな指示をしていたと聞いて荻田さんの中のルカも中性的な印象なのかなと思った。あと、カテコのときの挨拶もルカのままで、2.5やってきてる人の挨拶だな〜と思いながら見た。
舞台 鬼滅の刃
今年一番ずっと考えさせられた舞台。
推しが出るので取ったけど、あまり積極的な気持ちで観たかったわけではなかった。
アニメが社会現象になるくらいの人気なので、一応アニメは履修したけどわたしの心にはそんなに残らなかった。もちろん映像が凄いとは感じたし美しかったけど、未だにハマるきっかけが掴めていない。
舞台は1作目も配信を観て、アニメをなぞっているなーと感じたけど、2作目は生で観てもそれをより感じさせられた。
アニメをただなぞるだけなら、舞台化をする意味ってどこにあるんだろうかと思う。
舞台化をするなら、舞台でしか見せることの出来ない表現や演出をしてほしかったし、炭治郎の太刀筋の表現も障子にアニメと同じ太刀筋を映像として見せていたけど、アニメのそのままでいいのか? と感じた。
アニメの演出が素晴らしいのはわかるし、それでいいなら、アニメを見たほうがいいと思う。
それから、歌を凄く取り入れていたけど、ミュージカルであったり歌が入る舞台は歌を入れることによって尺を短くしたり、よりシーンをわかりやすくまとめる効果があると思っているけど、全く尺も短くならないし、歌わなくていい部分に歌を入れて逆に尺を使っていて作り方が謎だった。
歌詞を脚本と別の人たちがバラバラで書いているからか、歌と脚本にまとまりがないのも感じたし、だったら歌ではなくてそのままストレートの舞台でやるのが良かったのではないかと思う。
キャストも演出も曲もきちんとした人たちが集まっているのに、出来が全く良くなかったのでショックを受けた。わたしがそう感じても絶賛の声もあるし、たぶんわたしには向いてなかったと思うので、次作は観にいかないだろう。
9月10月
GLORY DAYS
https://note.com/kumiko_935/n/n7406366654e4
オリジナル舞台で今年一番最高に好きな舞台になった。本当にまた違うキャストでみてみたい。
11月
舞台 魔法使いの約束 2章
https://note.com/kumiko_935/n/nfe4edb29ebe1
本当に3章が楽しみ。
DustBunnyShow
元々銀劇でやるはずだったものが中止になり、半年後クラブexに場所を移して公演した舞台。
でもクラブexの全方位囲まれていてバルコニーがあって……というステージでやるべきだった作品だったんじゃないかと思わされた煌びやかなショーだった。
三浦香さんの強くて女性のしなやかさを活かす脚本と演出、里美さんのカッコいいダンスの演出、川口さんの闇を生かす照明、もう全部が全部世界観に映えすぎていて、万美さんを中心に、歌い踊り、自分の持てる武器でステージに挑む女たちがあまりにも美しくて、最初から最後まで全部が眩しく、瞳の中に星を埋め込まれた様な心地だった。
全員が全方位に『あなたが見るのは私!』という強い気持ちと美しいパフォーマンスでこちらを煽ってくるのがたまらなく興奮するし、観劇ではそうそう得られない経験だろうと思う。
また再演があれば嬉しいし、これからのJuliet ariaの展開が楽しみだ。
12月
GREY
板垣さんの演出作品を観るのが初めてだったけど、観て見たいと思っていたので今年拝見できて良かった。そして矢田さん主演作で観劇納め。
本人が何度も言っていたけれど、現代劇のミュージカルというのも矢田さんは初めてだとのことだし、朗読劇以外で日本人を演じるのもほぼ初めてだそうで、なんだか観る側としても日本人の役を演じる矢田さんを観るということが不思議な気持ちだった。
ストーリーは現実にも起こりえるストーリーで、あらすじを見てわかってはいたけれど、矢田さんが演じる西田藍生は足元がふわふわしているのに理由のない自信家で、挫折に耐性の無い人間。今作では加害者になる男。
矢田さんは毎回どの作品でも、自分の演じる役柄と多方面から向き合い、役を自分の中に取り込んで観察して消化してから、演じているように感じている。今作でもそれを強く感じて、稽古が終盤になるにつれてSNSの写真の表情に陰が強くなるというか、皮肉さがみえるというか、藍生の人となりや生き方を取り込んでいるんだなとゾッとしたし、観るのが楽しみになった。
観た結果、ショックでもあったしそれでも救いを感じたし、色々な想像を膨らませたりした。
高橋由美子さんは『怪人と探偵』でも拝見していたけどやっぱり上手い方だなあと改めて思う。少女らしさが垣間見えるところが、紫の愛されるところでもあるんだろうなと思ったし、終盤の取り乱し具合は辛すぎて泣けた。それを受け止める黒岩役の羽場さんはどっしりとしうつも柔らかな芝居が本当に素敵。羽場さんは舞台で歌うのが初めてということだったけど、ミュージカル調で歌うわけじゃ無い、優しく響く歌声が本当に良いアクセントになっている。
遠山さん演じる久世さんは、この作品の中で唯一の心からの明るさで救い。土下座のところは毎回楽しかった。個人的に彼らの未来を考えると、shiroちゃんは久世さんみたいな人と一緒に居る未来の方が絶対に幸せになれると思う。NYに行って音楽をしよう!
梅田さんの茜ちゃんは、梅田さん自身もアイドルをやっていた経験でSNSで傷つけられてきたことが少なからずあるんじゃないかなと感じて、重なる部分もあったのかもしれないと思わされた。茜ちゃんがshiroに強くあって欲しかったのは自分が出来なかったことを叶えてほしいみたいな願いや、自分が折れてしまった過去を払拭したいみたいな気持ちもあったような気がする。だからこそ、彼女が選んだ未来が彼女の責任感を感じて少しだけ不安になる。きっと物凄く責任感の強い人だろうから、今度はちゃんと人に頼りながら未来を生きて行ってほしい。
金銀(きらり)はアセクシャルと言っているけどshiroと藍生に対しては性的なものではなく、何かしら愛みたいなものを感じていたんだろうなと思った。凄くやさしい人。shiroが「金銀と付き合おっかな!」と言われてもちゃんとshiroの気持ちを考えて拒否していたのもやさしい。ただ藍生とはぶつかり合って、言いたいことも言ってはいけないことも言い合えたから、いつか戻ってきたら藍生と一緒に居るのもいいかもしれない。竹内さんは真っ直ぐで力強い歌声が印象的で、金銀の性格にも良く合っている。
shiroちゃんは今回の被害者ではあるんだけど、いい子なのが良い人なわけではないんだよなあ……と少し思いながらみてしまった。良い子であることで自分の不安定さを隠そうとしているのかなと感じたし、隠しているつもりでも藍生への依存的な態度や、自分へのリプを全部返そうとしてしまうような仕草で、その不安定さが表に出てしまっているのが、痛々しくみえて辛かった。藍生は加害者ではあるし、やってはいけないことをやってしまっているけど、そのトリガーを引かせてしまったのはshiroちゃんでもある気がする。
shiroちゃんと藍生は仲直りはしたけど、互いに自分の脚で立てるまでしばらく離れた方が良いと思うし、shiroちゃんがどんなに好きでも藍生とは相性が悪すぎるので一緒にいない方が良い。
佐藤さんはshiroちゃんまんまなんだろうな〜と感じる子で、でもshiroと違ってちゃんと愛をたくさん浴びて育ってきたのかなと感じる素直さとパワフルさがあって可愛い〜。かげきしょうじょ! のさらさみたいな子だ! と初見で思った。
矢田さんの藍生は、やっぱり暗い役が似合うし、みんな矢田さんに暗い役させたいんだな〜…と感じた。目がおかしくなるきっかけのshiroちゃんとのシーンがとてつもなく好き。怒りの振る舞いの強さと恐ろしさにグッとくる。
ご本人がソロ曲の『素晴らしい物語』が好きと言っていたけど、アルジャーノンでは『檻の外へ』が好きだと言っていたし、よくわかる……と納得。
ハッピーエンドという歌詞の曲調が全くハッピーじゃないし、曲終わり、暗がりに赤い照明を浴びて怒りの瞳を光らせて立ち尽くしているのがまるで夜の寺で見る仁王像の様だった。
桑原さんの曲は内容に寄り添っていてやさしさがある。生演奏なのもその場の空気感を感じ取っている演奏と感じて贅沢だった。
藍生もshiroも金銀もそれぞれ完璧じゃなくて、どこか欠けている部分があって3人でいることで補い合えていたところがあるのかなと感じたところが、現代劇らしく我々と近い人間たちなところが凄く心に染みる舞台だった。
色々な俳優が観に行っていてそれも素敵だなと思ったし、何より荻田さんが観に行っていたことは納得ではあったけど、驚きが強かった。
この公演中にこの公演内容と近い悲しい事故と報道があって、荻田さんがそれに心を痛めてたのもツイートから感じていたし、人となりを知らないわたしでも色々なことを重ねてこの舞台を観てしまって辛かったので、荻田さんはもっとその重なりが強かったのではないのだろうかと思う。
様々なことを考えたけれど、生きて生活を続ける限り人に未来はある。それが辛いものになっても幸せなものでも、色々なものやことを経て繋がっていく。
ハッピーエンドにならないかもしれないけれど、それを目指して誰もが生きているし生きていく。そういう複雑な物語が、GREYの登場人物、そしてそれを観劇したわたしたちの生きていく人生なのかもなあと今感じている。
舞台を色々振り返ったけど、今年は他にもずっと推してた推しを降りたことがわたしにとって結構大きな出来事だった。理由は色々あるけれど、一番は推しが役者という仕事で自分を高めることに懸命だったわけではなく、人気を集めるインフルエンサーになりたかったのだと感じたことに絶望してしまったからということが大きい。
色々観劇した今年だったなあとしみじみと思う。来年もたくさん観劇する一年になりそうだし、そういう一年にしたい。
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