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第82話 全部自分で出来なくてもいい

こんにちは。

昨日からワンピースを読み始め、今更ながらドはまりしているくみみです。
涙が止まりません。
感動です。

☆☆☆

ワンピースは、もちろん知っていた。
家にずっと置いてあった。
元主人が好きだったもの、気付かないうちに遠ざけていた。

ワンピースも、ミスチルも。

やっと、大丈夫になったんだな。
ミスチルはまだ、心が痛むときもあるけれど。


ルフィーがアーロンとの戦いの中で、言う台詞がある。

おれは剣術を使えねェんだコノヤロー!!!
航海術ももってねェし!!!
料理も作れねェし!!
ウソもつけねェ!!

おれは助けてもらわねェと
生きていけねェ自信がある!!!

全部、自分で出来なくてもいいんだ。

やっと分かった。

私は人を頼るのが苦手だ。
苦手というか、どうする事が頼るということなのか、分からない。

相手の気持ちを感じやすいから、相手が欲しいであろう言葉を選ぶ。
自分の中の激しい感情が嫌いで、出してしまえば相手が離れていくのではないかと思っていた。

本当の心など、要らないと思っていた。
私の不安定な心など、邪魔でしかなかった。
いつも私を苦しめるのは、自分自身の感情だったから。

そんなだったから、誰かに本当の感情を見せることなど、出来るはずもない。

悲しみも
不安も
怒りも
全部、自分で抑えるしかなかった。

それしか、方法を知らなかった。


心理学を勉強し、いろんな事を話せる友人が出来て、人に頼ることの大切さも学んだ。
頭では理解しているし、頼れるようになったと思っていた。


自分のことは、自分でやる。
自分自身に、責任をもつ。

自分のことは、自分で出来なければいけない。

気が付けば、ちゃんとしなくちゃ。いつもそう思っていた。

ちゃんと働かなきゃ、
ちゃんとご飯作らなきゃ、
ちゃんと掃除しなきゃ、
ちゃんと
ちゃんと
ちゃんと

ちゃんと頑張らなきゃ。

頑張れない自分は、ダメな自分だった。

頑張っていない自分は、
何も価値がなくて、
誰の役にも立っていなくて、
存在していないのと同じだと思っていた。

誰かに認めて欲しかった。
その唯一の方法が、頑張るということだった。

ちゃんとしている自分でいることだった。

そうやって、生きてきた。
子供の頃からずっと。

そうすることが、私が存在している意味で
私がここに居てもいい、という理由だった。

長い間、そう思ってきた。
きっと、今でも心の奥ではそう思っているのかもしれない。

だから頭で分かっていても、簡単には変われない。

本音を吐き出してもいいよ。と言ってくれる人がいる。

私もそうしたいと思っている。

長い長い時間、固まっていた私の心。
柔らかくなるには少し時間が掛かりそうだ。

ゆっくりいこうと思う。

焦るのは苦手だから。

全部、自分で出来なくてもいいのかな。

誰かと、分け合ってもいいのかな。

苦しいって言ってもいいなかな。

嫌だって言ってもいいなかな。

頑張れない自分でも、ここに居ていいのかな。

ここに居る意味なんて、必要ないのかもしれないな。

もう、いいのかな。

頑張らなくても、肩肘を張らなくても。

もう、いいのかな。

自分のままで、生きていっても。

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