
今年やりたい10のこと
新しい年を迎え、今年やりたいことを考えてみました。ほとんどが仕事に関係していますが、私生活にも通じる目標です。目標を10個ご紹介します。読んでいただいて、もし共通するものがあれば、ぜひお声がけいただけたら嬉しいです。
1.海外での日本語教師トレーニング
昨年(2024年)、ネパールの日本語教師を対象にした研修の実施という非常に貴重な機会をいただきました。9日間で5都市を巡り、500名近くの教師たち、そして現地エージェントのCEOと知識を共有しました。ネパールの教師たちは非常にまじめで学ぶ意欲が高く、日本に比べて圧倒的にリソースが少ない中でも様々な工夫をして日本語を教えています。多くの教師が自分と同じように日本語教育という仕事にやりがいと誇りを持っていることを知ってすごく感激しました。研修では試験の勉強方法、漢字学習、そして自律学習の重要性や方法を伝えましたが、まだまだ伝えたいことはたくさんあります。今年は、ネパール以外にも、ウズベキスタンやモンゴルなど、他の国にもこの活動を広げたいと思っています。(個人的に興味がある国です)
2.複数の大学でキャリア授業
昨年から始めた留学生向けのキャリア授業やセミナーを今年も続ける予定です。今年は特に英語トラック(英語だけで授業を受けている学生達)の学生支援に特に力を入れたいと思っています。彼らが自分のキャリアを自律的に進めていくには、初めの一歩を踏み出す「きっかけ」が必要です。ここでは、学生自身の過去・現在・未来のキャリアについて深く考える時間を持ち、日本と母国の就職の違い、日本語学習の必要性を考えるきっかけを提供しています。卒業生、企業の担当者、ハローワーク、学習アドバイザーなど、彼らのキャリアに欠かせないステークホルダーを登場させ、より立体的な授業やセミナーにしたいと考えています。
3.大学でのキャリアカウンセリング
キャリアカウンセリングも引き続き進めていきます。留学生の悩みはある程度パターン化されており、効率的な解決策を準備することが可能になりました。今年はこれを体系化し、報告書のような形でまとめる予定です。この資料を使って、他のキャリアコンサルタントとも情報を共有したいと考えています。学生たちの課題に寄り添いながら、解決に向けたサポートを続けます。また、カウンセリングも日本語と英語の両方で対応できるように、自分のカウンセリング力も磨いていかなければいけないと思っています。
4.英語キャリアカウンセリング勉強会を拡大
2023年に始めたこの勉強会は、口コミで参加者が増え、3年目を迎えます。日本語教師、起業コンサル、地域コーディネーターの方など、様々な分野から参加いただいています。今年は勉強会や知識講習の内容も充実させたいと思っています。また、実践の機会をさらに増やし、参加者が実際の現場でスキルを活用できるよう支援したいと思います。
5.外国人が経営する会社への協力
外国人経営者への支援は独立以来続けてきていて、最もやりがいを感じている仕事です。社員や顧客の成功を心から願う外国人経営者たちとの仕事は、日本人経営者との仕事とはまたちょっと違うところがあります。日本にいるのに外国で働いているような気持になることも多いです。文化や言語の壁を超えた仕事は、私にとって大きな喜びであり、楽しみです。
6.協働パターンランゲージを使った企業支援
協働パターンランゲージは、外国人を雇用する企業の問題解決に役立つツールです。平たく言うと、先人の知恵を使って目の前の問題を解決するというようなものです。昨年は外国人雇用企業支援団体や大学でワークショップを実施しました。今年はさらに広げ、全国の企業や自治体、キャリアコンサルタント向けの集まりでも活用していきたいです。
7.学習アドバイジング
2022年に資格を取得して、神田外語大学で約3年間、TA(Teaching Assistant)としてアドバイジング講座の運営に携わってきました。今年は講師デビューを予定しており、新しい挑戦が始まります。最近では特に日本語教師の参加が増えており、業界内での関心の高まりを感じています。アドバイジングは、学習者の「自律」を促す方法論であり、語学教師の専門性をさらに引き出せる魅力的な分野です。また、キャリアコンサルタントとの親和性も高く、次のステップを目指す経験豊富な日本語教師に、ぜひ挑戦してほしい分野だと考えています。ということで、広報も頑張ります。
8.研究者との協働
研究者の視点や知識を活用して、現場の課題を解決する取り組みを始めたいと考えています。私は実務に強みがありますが、アカデミックな知識を取り入れることで、より包括的で効果的な問題解決が可能になると思っています。学会への参加や相談を通じて、研究者と一緒に取り組む場を増やしたいと思います。特に1,2,3,4,6,9は専門家の知見が必要だと感じています。
9.外国人に特化したキャリアコンサルタント講座の開設
これまで行ってきた英語ロールプレイ会を基に、体系的な講座を作りたいと思います。理論と実践を組み合わせ、ふんだんに練習できる場を提供します。もしかしたら、企業や学校への売り込み方法も必要かもしれません。講座は約3か月間を想定しており、ロールプレイ会の仲間や、大学の先生からもアドバイスをいただきながら進めたいと考えています。
10.日本語学校でのキャリア授業/カウンセリング導入
一番最後になりましたが、これはおそらく最も重要なテーマかもしれません。日本語学校は実質的に就職への入り口ですが、現在のところキャリア教育を行っている学校はごく少数です。大学や企業との接点が少ないまま長い時間が経ち、教師が学生の卒業後の進路をほとんど把握していない状況が続いています。まずは、教師たちが学生の来日の目的や背景を理解することから取り組みを始めたいと考えています。また、国内の日本語教師が海外の日本語教師と連携し学生たちをサポートしていくという試みも計画中です。日本語学校が学生のキャリア形成の第一歩を担う場となることを目指していきます。
最後に
たくさん書いてみましたが、10以外は実は今もやっていることです。やっていることを発展させるために、より多くの人の協力を仰ぎ、より内容を充実させていくのが今年の目標です。そういう意味では、「チームワーク」が今年の最大の目標と言えるかもしれません。