『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』
まず言おう。
こんなワクワクする作品を作ってくれてありがとう。
僕はガンダムはかなり沼ってます。
小学生以降、OO・AGE・SD以外のガンダムは大体観てるんじゃないかな?観てなくても知識はある作品も。
NetflixオリジナルCGアニメーション、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』
ホントに良かった。
アメリカの製作陣のガンダム愛が随所に感じられる作品だった。
僕は既に2周しまして、1周目は過去作からのサプライズキャラが登場した場合により感動したいから、日本語吹替で。2周目は英語で。最終的にこの選択は良かったのだが。
まず、過去作オマージュがかなり多い。
OPラストのタイトルカットは、初代ガンダムのOP冒頭のオマージュ。
それからザクの動力パイプを引きちぎったり、ザクの両腕を切り落とす姿がランバ・ラル戦を彷彿とさせたりとガンダムEXの戦闘スタイルの随所にアムロの面影。アーフンの故郷はZZに出てきたタイガーバウムだし、ジムを操縦したザイドスの「ザクより良いな、ザクより」は完全にランバ・ラルの名台詞のオマージュ。
そして、なんと言ってもユーリ・ケラーネ少将のサプライズ出演。マジで声漏れたね。いや、配信開始前に連動企画でMSイグルーと08小隊が一挙配信されてて、イグルーはフルCGアニメ繋がりということで分かる。でも08はグフカスタムが出るとはいえそんな取り上げられる程の事か...?って思っていたが、こりゃ配信して正解ですわ。ってか製作陣08小隊好きなんだなってのが作中随所で感じられた。日本語吹替はちゃんと当時のケラーネ少将の声優さんだったし。ってか、TVシリーズ以外の作品のキャラが別の映像作品に出るのってかなり珍しくない?ってか宇宙世紀なら初?じゃない?そこもビックリした。グフカスタムってそこまで量産されるイメージ無かったから、初めは慣れなかったけど、よくよく考えたら使い勝手の悪いグフの改良型なんだからそりゃ普通のグフより量産されていても頷ける。まぁ武装とか増えてるからコストはグフよりかかりそうだけど。
そもそもCGがめっちゃ綺麗になったねぇ。MSイグルーの頃とは大違い。冒頭シーンのカラスとか特に実写と見間違うほど。
予告の時点から伝わってたけど、ガンダムをこうも驚異的に悪魔的に描けるのかと感服しました。いやぁ、パイロットが終盤まで分からないからこそ、ホントに共感できないというか、話の通じない殺人マシーン感が凄かった。
あと、1、2話なんかはガンダムを相手にしたホラーゲームのような、ガンダムにバレないように逃げろ!みたいなリトルナイトメアとかDeadbyDaylightみを感じて良かった。1話のソラリがザクタンク駆るシーンなんか特に、わずか数10m先に居るガンダムの背後をそろりそろりと移動する所とかホントにゾクゾクした。まぁそれと同時にこの世界はセンサーどうなってんだとは常に思ったけど(笑)あんな近くに敵いたら接近警報とかで気づかないのかと。ラストのガンダムをグフカスが背後から不意打ちで貫くのも、いやNT能力開花してないからとかじゃなく、それセンサーで気づけなかったん?とは思ったり。でも、いいんです。
てかガンダムEXがとにかく驚異的に、魅力的に描かれすぎてて、ホントにガンプラが欲しい。初めは既存のガンダム作品のデザインセンスからは少し逸れたような感じがしたし、ビームサーベル3本とか肩にガトリングとかゴテゴテ感を少し感じたけど、映像で観るとあれで凄くスタイリッシュに無駄なく纏まってる印象を抱いた。他の機体とは明らかに違う身のこなしが"絶対に勝てない敵"感満載だけどカッコよすぎた。戦闘機は肩ガトリングで撃墜し、敵機が戦闘不能になっても生身の人間を殺すまで徹底的にやるスタイルは狂気。結構ビームサーベルメインで戦ってたのも、3本もマウントしてるからガンガン使える余裕があって良かったし、ライフルとかじゃなくサーベルでより痛めつける感じが怖い。ガンダムの予備パーツから組んだ陸戦型ガンダムとは違い、本機は企画設計段階から陸戦専用として製造された真の陸戦型ガンダムって設定も好き。欲を言えば宇宙装備のガンダムEXとかも見てみたかった。パイロットも配信前は「パラレルワールドのアムロでは?」とか言われてたけど、良い意味で名前も素性も分からないポっと出のNT少年ってのがいいなぁ。アムロじゃなかった事とケラーネ少将が出てきた事とで正史に組み込めそうだし。初めはソラリの実の息子かと思ったけど、他人だった事が少しでも救い。いやぁやっぱり幼子の乗るガンダムって他のガンダムとは別格のロマンがあるよなぁ。見た目的にアムロより若そうだけどいくつなんだろ。大人の都合で子供が戦争に巻き込まれ、戦神のように祭り上げられていくってのが戦争の非情さとロマンが......。劇場版ククルス・ドアンもそうだけど、最近のガンダムの擬人化、賛否両論あるけど、やりようによっては凄く輝くんよなぁ。今作のパイロット判明するまでのガンダムの、ロボットというより悪魔そのものといった雰囲気が堪らない。そしてパイロットが判明してからの、悪魔も心ある人間が操るロボットの1つというギャップがいい。
ビーム兵器に対する解釈も良かった。そりゃ現実で考えたら「母さぁぁぁん!」なんて断末魔を叫ぶ間もなく、一瞬で空気と化しますわな。ザクのコックピットに灰も残らず綺麗な穴が空いて後ろの風景が見えるのは怖すぎた。
無識別型ザクも配信前は無識別ってどゆことって思ったけど、言わばジャンクで組んだザクもどきだから無識別なのね!って凄く納得いったし、資金難のジオン故の工夫って感じがして良かった。ビームライフルにシールド2枚重ねで対抗するのは貧相ながら良かった。1枚目のシールドでビームを去なして、その下の2枚目のシールドの表面にミサイル搭載しててカウンター狙うのは頭いい。ザク組み上げるシーンはアメリカ映画味を凄い感じた。アメリカ映画ってアガる曲流しながら何か組み立てたり、メカ弄ったりするシーンありがちじゃんw
復讐のレクイエムってタイトルも、初めは仇のガンダムに対してのレクイエムだと思ったんだけど、実はタイトルの通り、復讐を終わらせるレクイエム(鎮魂歌)だったってオチが凄く綺麗。恐らくガンダムパイロットは連邦に無理やり家族と離され、オーガスタ研かどっかでNT被検体として養成されてたと推測されるから、連邦的には「子供を実験して実戦に投入してました」なんて口が裂けても言えないから、近親者などには死亡報告等はされないだろうという事で、一応本当に復讐の連鎖は終わっただろうって推察をYouTubeで見たけど、悲しいけど納得できるなぁ。
武器・メカ考証も最高だった。写実的な風景に溶け込むマゼラアタックやドップなどガンダムメカ達......空想と現実の絶妙な塩梅が最高。ラストにソラリのザクを輸送してるトラックがサムソントレーラーだって気づいた時は興奮した。昔プラモ持ってたからなぁ。昨日ガンダムベースでドップのプラモ見つけて買いそうになるくらいにはMS以外のメカも輝いていた。流石にドップに3300円は買い渋ったけど。
あとUMRCという新解釈が生まれたのも良いんじゃないかな!医者ねぇ。戦艦の専任医師は今までも描かれてきたけど、戦場に赴く医者、それも連邦/ジオン関係なく救う国境なき医師団的存在は確かに居てもおかしくないよねぇ。そんな医療従事者視点の戦争も描かれていたのは何気に新しかったし、今後も描けそうよね。
あと、もしシーズン2以降があるなら、このクオリティで宇宙を見てみたいなぁ。地球が舞台の本作は凄くリアリティがあったけど、殆どの人が実際には行ったことのない宇宙にどれほど説得力とリアリティを持たせられるのか気になる。
今回はこんな感じで。
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おわり。