ナレーションを極める7 「フリーランスナレーターの営業術」
ナレーターの熊崎友香です。テレビ東京のワールドビジネスサテライトなどでナレーションを担当しています。
新型コロナウイルスの感染者が増え緊急事態宣言が出ました。
先週は、志村けんさんが荼毘にふされたという原稿を読み、悲しくなりました。コロナの恐ろしさを、明日誰が命を落とすかわからない怖さを、教えてくださったと思います。
そんな中ですが、日本のテレビ局は新年度を迎えリニューアル。ナレーターはレギュラーを続けられるありがたさを感じたり、降板したり、増えたり、スタッフさんとの別れや出会いがある嬉しさみしい季節です。私も長年過ごした戦友と別れの春となりました。(特に今は送別会も開けないので、ゆっくりご挨拶もできず淋しい)
ここで、自分が産後、フリーランスのナレーターの自立を目指し「営業論」を教えてくれるレッスンで学び、出来る限り実行していること。または、これからしようとしている営業術をご紹介します。(他にもたくさんあるのですが、まずは自分ができそうなものを)
題して「売れっ子ナレーターになる!営業10カ条」
①明るい色の服を着る(華やかに!)
②先に"与える"立場になる(自分にできる社会貢献は何か。与えれば返ってくる!)
③インパクトのある写真とボイスサンプルを用意し、個人のホームページと名刺をつくる。
④初めてお会いしたら、必ず名刺交換!メールやFacebookのメッセージで繋がりお礼を。次につなげる努力を。
⑤SNSでとにかく発信!
⑥人に教える。レッスンを受けるだけでは、学びの習得率は5%。人に教えるのが最も高い習得率。(ちなみに⑥の人に教える、はほぼ未経験です。試しにオンラインではじめられないか?と考えております。ブログを書き、人に伝える。アウトプットするということでも、70%ほどの習得率になるそうです)
⑦スタジオにはお土産を持参。私もNHKでリポーター兼ディレクターとして企画を作っていましたが、コンビニに行く時間も気力もない!というとき、机の上に美味しいお菓子がひとつあると頑張れた記憶があります。
⑧堂々とする。
⑨制作会社やディレクターさんの制作歴などをリサーチ
⑩実は売れている人ほどしっかり営業をしている。ことを忘れない。
出産前は、スタッフさんやマネージャーさん、同業の皆さんと、とにかく飲みに行ったり、食事をしたりしてコミュニケーションを取っていました。元々取材をしていて、人と話すのが好きですし、才能ある方の苦労話を聞いたり、こうしたらいいよとアドバイスをもらったり、どんな気持ちで制作していたかなど、ナレーターは現場に行けないけれど、せめて想いに触れることで、読みも違ってくると考えていました。
しかし産後、全くそれができなくなり、収録の前後は忙しそうでゆっくりお話もできない。誘われても参加できない、メールの返信すらできず、どんどん会える人が限られていく。。。孤独でした。何をどうしたらよいかわからず八方塞がり。大げさに聞こえるかもしれませんが、まるで自分だけ世界から取り残された疎外感。を勝手に感じ、自身喪失、精神不安定、被害妄想、、、自分は産後うつ?と悩みました。
今思えば、妊娠中、産後の身動きの取れない状態と、コロナ自粛は少し似ているかもしれません。やりたい事ができない日々。とにかく家にいなければならない日々。。。
そこで「技術+営業術」を学びました。
産後身動きの取れない(飲みに行く回数が減った)自分にとってSNSの発信は、勇気も入りますが自分の考えていることを知ってもらえる、よいツールです。繋がった人とコミュニケーションが取れるのも、これまた嬉しい。楽しい。さらに自粛の今こそ、できることではありませんか!
継続するのは忍耐が入ります。手の内を明かすのは勇気が入ります。ライバルになるかもしれない。レギュラーを取られてしまうかもしれない。でも、包み隠さずお伝えすることで人の役に立ち、しかもこの選択をすると後々自分に返ってくるものが大きいのだとしたら、その方が「生き方として楽しい」と思うのです。
「奪い合えば足らぬ 分け合えばあまる」を信じて。
ちなみに、レッスン代は元を取れました!!色々教えてくれたスクールの皆さまに感謝。お仕事くださった方に感謝。
そしていま、産後間もない方、出産を控えていて、かつての私と同じ気持ちの方がいたらこうお伝えしたいです。「命をかけて子供を産み、育てることは尊いことです。しかもこの状況で。家にこもっていると色々考えてしまうかもしれませんが、どうか自信と誇りを持って堂々と過ごしてくださいね!」
大変な時期ですが、可能な限り自粛をしましょう。家にいましょう。十分な食事と睡眠をとり、乗り切りましょう!
元気に再会できることを願って。
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