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中国のカンニング業者が自分のことを正義の味方だと開き直る姿に中国味を感じたお話
先日、オンラインで行われる就職試験で替え玉受験を請け負っていた人が逮捕されたという報道がありました。何度も何度も挫折すると、不正な方法にもすがりたくなるのでしょうか?
さて「目先の利益」がとっても大事な中国においても、カンニングビジネスが横行しているようです。
いくらか、今更感のある記事ですが、注目したのはカンニングビジネスが流行しているってことよりも、記事の最後のコメントが秀逸です。これぞまさにCHINAだなって思いました。
中国では、国家試験で他の人のカンニングを助けることは犯罪にあたります。しかし、中国当局は国際試験で不正を働くことに対してほとんど関心を払わないと、業者たちは話しています。
中国政府が、国内での不正には厳罰を処すが、国際試験という場で人民が何を行っても気にしないという実情を指摘しています。
つまり、よそ様のテリトリーでどのように振る舞おうと気にしないってことです。出し抜かれる方がお間抜けであって、そういう抜け道を使わないという手はないってことなのでしょう。
さらに、この記事は次のように締めくくられます。
ワン氏は「自分がやらなくてもどうせ学生はカンニングするだろうし、自分に手助けしてもらえなかった学生はカンニングをした他の学生に対して不利になってしまう」と(省略)「どうせみんなやっていることですよ」と話しました。
ワンさん、カンニングビジネスを人助けと言ってます。自分が手伝ってやらなければ不利になると。そして、みんなやってるんだから気にするなと開き直ってます。
この論理や開き直りに中国味を感じます。
カンニング業者にとって、「自分の利益」がもっとも大事なのですが、そうとは言いません。むしろ、自分は正義の味方であり、報われない受験生の守護者、もしくは助け手と主張しているかのようです。
しかし、彼らが手を出すのは逮捕されるリスクの少ないTOFELなどの外国機関の試験ばかりです。高考とか中考(大学試験・高校入学試験)などには手を出さないでしょう。
さらに、TOFELをうけて留学できる人が顧客というのもポイントです。彼らは富裕層であり、替え玉受験のために高額の支払いができるのでしょう。それでワンさんのようなカンニング業者は比較的低リスク、そして高リターンな状況を作り出しているとも言えます。
替え玉受験にコストを支払える財力と、それで良しとするメンタル(厚かましさ)があるのであれば、必死に勉強すればよいと思うのですが、中には必死に勉強してもしてもどうしても合格できずに、カンニング業者に頼るって人もいるのでしょう。
でも、そうだとしても・・・この記事を読んでカンニング業者が開き直るのは良くないと思います。不正がおこなわれるのがデフォルトで、不正をしないと不利になるというが主張としてまかり通る。これがまさに大陸だなって感じます。
老实人吃亏(正直者は馬鹿をみる)って言葉が中国にもあります。
もちろん、日本だって馬鹿正直に振る舞っていると損をすることがあります。しかし、中国の方が日本よりもずる賢さを求められるような気もします。さらに正直者が騙されるリスクは、中国の方がはるかに上でしょう。
転んだ老人を助けたら、その老人に訴えられて損害賠償を求められたりする場所ですからね・・・
でも、中国においても尊敬されるのは誠実で一生懸命な人ですし、立派な人も大勢います。ただ、このカンニング業者の記事を読んで、中国ってそうだよねって感じるのも事実だってことです。なんだか救いのない結論になってしまい、すいません。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。
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