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謝っているようで謝っていない表現について思うこと
昨日「誤解を招いてすいません」って中国人から謝られたお話しを書きました。
「誤解を招いてすいません」は、「ぶっちゃけ誤解してる貴方が悪いんだけど、低能のあなたにもわかるように言わなかった私が悪い」つまり「誤解したお前が悪い」という意味です。
この定義の善し悪しは別にして、誤解を招いてすいませんのように、謝っているようで謝っていない表現はかなりあります。
例えば「ご心配をおかけしたことをお詫びします」とか、「世間を騒がしてしまったことをお詫びします」などは、謝っている風で謝ってない表現です。
誰かが心配してくれたのに、どうして謝罪する必要があるのか、私にはさっぱりわかりません。自分の言動に対して、心配してくれたのであれば、必要なのはお詫びではなくて感謝だと思います。
これからは「この度は皆さんが私どもの産地偽装に関して心配してくださり、心から感謝申し上げます。確かにこのアサリは中国から輸入されたものですが、日本の海岸で一定期間海水に浸けて起きましたのでご安心ください」と言えばよいと思います。
恐らく、そんなことを言うと問題がより複雑化するでしょうから、最初から「産地偽装して申し訳ありませんでした」と謝る方が良いでしょう。相手が心配したかどうかは関係がなく、自分の振る舞いが誠実だったか不誠実だったかが重要なのです。
もちろんアサリは例にすぎません。この行為の合法非合法のお話しもしていません。お話ししたいのは「心配された」ことを謝罪するのではなくて、自分の行いを謝罪するべきだろうという点です。
また「世間を騒がせてしまいすいません」も奇妙な謝罪です。同じ事をしても、誰も気にとめなかったら問題ではなかったと言うことなのでしょうか?そもそも世間に向けて、謝罪するような内容なのかも疑問です。
著名人のスキャンダルが報じられると、必ず使われる「世間を騒がせてすいません」というフレーズ。そもそも世間に影響力を与えるのがお仕事なのに、気の毒だなと思います。
また不倫してしまい謝罪会見をおこなうという状況も理解できません。裏切ってしまった家族に謝罪すべきであり、どうして社会に詫びるのでしょうか?著名人は社会に対しても責任を負っているのであれば大変なことです。
さて、こういった謝罪事情を考えてみると、わたしたち日本人は、謝らなくても良い点についても謝ってるような気がします。昨日、Twitterを眺めていて同様の意見を書いておられる方もいました。中国人は謝らないけど、日本人は謝りすぎているという意見です。
中国人が謝らないのは、謝ると責任を取らされるからという意見もありましたが、ちょっとしたことでも中国人は謝らない傾向があるので、そうとも言えないと思います。
また親が子に謝らない。友人同士も謝ったりしません。面子の問題とか言う人もいますが、わたしは彼らは本気で自分が悪くないと思っていると観察しています。また、謝らなくても損失がないので謝らないのだろうと思ってます。
彼らは謝らないとマズいことになると思えば、謝ります。
会社でも様々なトラブルがあります。通常問題を引き起こした人に問題点を指摘しても、ヘラヘラとしていることがほとんどです。しかし、わたしが確実に相手を詰めるつもりだとわかると、すぐに謝ります。謝らないと収まらないとわかっているからでしょう。
ですから、中国の場合、謝るかどうかは過失を認めるかどうかと深く関係しています。しかし、日本の場合「謝罪風責任転嫁」とか「謝罪風批判」とかが社会に受け入れられています。
これは、過失を認めると言うよりは、人間関係を平常に戻すためにおこなわれる行為です。謝罪しても実際には謝罪していませんし、謝罪された側も公式に謝ったのであれば水に流そうとします。(その割に蒸し返しますけどね〜
そんなわけで、謝るという行為ひとつとっても日中では感じ方が違います。
では、自分はこれからどうするかという点ですが・・・
わたしは謝罪しているようで、実は謝ってないスタイルから距離を取っていくつもりです。誤解させてすいませんと言いたくなったときは、自分の説明が十分ではなかったと自分の行為に対して謝罪したいと思います。また自分の勘違いや間違いに気づいた場合も、自分のミスを認めていきたいです。
また、相手を傷つけてしまった時も、ただ単にあなたを傷つけてすいませんと言うのではなく、具体的に自分の何が間違っていたのか、そして思いやりの欠ける行為をしてしまったことを悔やんでいると伝えるようにしたいです。
そうすることで、少しでも「自分が悪かった」と思っていることを伝えるようにしたいです。そうしていけば異文化に囲まれる中で、関係を完全にこじらせることを防ぎ、自分が理想に思う環境に近づく努力ができるのではと感じています。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。
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