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12月31日に「良いお年を」とは言わないの?日本人のマナーについて思ったこと

毎週土曜日の午後に日本文化講座の講師をしています。

テーマは様々です。

奈良時代から江戸時代までを10回ほどにわけて説明したり、日本の食文化について説明したりしました。

また日本語教室ですので旅行で使える日本語などを練習することもあります。

そして今日のテーマは年末年始の挨拶です。

その準備をしていると「良いお年を」という挨拶は12月31日にはしないという記事を多数見つけました。

どの記事も同じような内容ですが、残念なことに出典などの根拠が書かれていないので本当かどうかは判断できません。

ただ、昨日の授業で学習者さんが紅白歌合戦を見ていたら「良いお年を」と言っていたと言うので31日に使っても構わないとNHKは思っているってことでしょう。

日本語の標準とも言えるNHKが大晦日に「良いお年を」と言ったのであれば、わたしたちがおなじ事をしてもマナー違反にはならないはずです。

「良いお年を」に関するマナーは、きっとマナー大好きな人たちが「あなたたちはマナーもへったくれもないんですわ〜」とマウント取るために造りだした新常識なのでしょう。

知らんけど。

ただこういった良くわからないマナーというのは昔からあります。

わたしが、新社会人の頃、ビールを注ぐときはラベルが相手に見えるようにすることが常識でしたし、印鑑を少しおじぎさせて押すのもマナーでした。

そうすることで相手が気持ちよく過ごせるのであれば、意味が良くわからないマナーであっても取り入れるべきだと思います。

でも、マナーを振りかざして相手にマウントを取ったり、相手の無知だと決めつけて笑うのはどうかなと思います。

加えて客先で出されたお茶を飲まないとか、まったく意味不明です。

喉が渇いていれば飲めば良いと思いますし、飲みたくなければ飲まなければ良いだけだと思います。

お茶を出したほうも、相手が飲んでも飲まなくても腹を立てたり、マナーを知らない人だと笑ったりする理由などないはずです。

マナーとは相手のことを気遣うために創り出された習慣です。

それなのにマナーを振りかざして相手を苦しめたり当惑させたりするのであれば残念なことです。

皆さんはフィンガーボールの水を飲んだ人が恥ずかしい思いをしないように、ホストである女性もその水を飲んだという逸話をご存じだと思います。

エミリー・ポスト(Emily Post)というアメリカのマナーの専門家が、1900年代初頭に『エミリー・ポストのエチケット』(Etiquette)という著書を出版したときに、この逸話を紹介したそうです。

彼女は、マナーを知らない人が間違いを犯したときに、周囲がどのように支え、恥をかかせずにその人を助けるかを考えて欲しいと思ったのでしょう。

この考え方はその通りだなと思います。

そんなわけで、わたしも日本ではこれはNGとかマナー講師のような物言いを避けて、どうすれば外国人が日本で日本人と気楽に過ごせるかに注目しつつ日本のマナーを紹介したいなと考えてます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日〜


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くまてつさん@中国|日本語教師
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