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奢られるのは当然?中国の"奢り文化"に見る世代間ギャップ

先日、友人のAさん(中国人)と、中国の「奢る文化」について語り合いました。

Aさんの両親は教員で、ご自身も大学の教師をしています。海外留学の経験もあり、中国語だけでなく英語やイタリア語も堪能な方です。

博識で正義感に富み、しっかりとした方で話していてとても楽しい友人です。

さて、そんなAさんには、どうしても理解できないことがあるそうです。

それは、中国人たちの「お金持ちにたかるのは当然」という考え方です。

ましてや、お金持ちに対して「奢ってくれ」と要求することを、はしたないと感じるそうです。

Aさんは、それは教育の影響だと言います。

子どものころ、母親によく「よそ様はよそ様、うちはうち」と言われて育ったそうです。

他の家庭を羨ましがるのも、お金持ちだから何かをしてくれるのが当然と思うのも、常識外れだと教えられてきたとのことでした。

そういえば、私の家庭も似たようなしつけを受けていました。

また、この会話に参加していたフランス人も同じ価値観を持っていたので、これは国を越えて共通する考え方なのかもしれません。

しかし、中国では「奢られて当然」と思う人が少なからずいます。

ただ、個人的な印象では、世代によって考え方に違いがあるように思います。

40歳以上の人たちは、奢られたら奢り返すのが当たり前と考えているようです。

誰かが食事代を支払ったら、次回は自分が食事を手配して支払う。そうやって、奢り合いを繰り返しながら人間関係の輪を広げていくように見えます。

一方で、若い世代は「与えられるのが当たり前」と思っているような節があります。

中には、「奢ってくださいよ」と平気で頼む人もいます。

もちろん、日本でも「先輩、奢ってください」と上司におねだりする場面はあるので、中国だけの文化とは言い切れません。

ただ、奢られることを当然のように受け入れる中国人若者の姿を何度も目にすると、これは文化の違いなのだと実感します。

少し話が逸れますが、こんな投稿を見かけました。

名前も知らない相手に「红包(お年玉)」をねだるというもので、とても驚きました。

またわたしには読解力がないので、「ぽんきちさん、本名をさらして大丈夫なのか?」と心配してしまったほどです。

それはさておき・・・これも「自分より経済的に余裕のある人に何かをもらうのは当然」という考え方の表れなのかもしれません。

とはいえ、若い頃は奢られる側だった人たちも、40歳を過ぎるころには経済的に余裕ができ、今度は奢る側に回る、という流れがあるのかもしれません。

そう考えると、現在はバランスの取れた考え方をしている中国人も、若い頃はそうではなかった可能性があります。

それで、「今、奢られて当然と考えている若者も、成長したら変わるのでは?」とAさんに聞いてみました。

すると、「そうなることを期待するけど、彼らが40歳になるころには、本当に他人のことなんて気にかける余裕がなくなっているかもよ」との答えが返ってきました。

できれば、そんな悲しい未来が訪れないことを願いたいですが、あり得ない話ではないと感じました。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
また明日〜

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くまてつさん@中国|日本語教師
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