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中国の公園でただただ立っている30人くらいのオッサンたちを見た話

日曜日、とても良い天気でしたので友人と近所を散歩していると、噴水のある綺麗な公園を見つけました。

そして、その噴水のまわりに、黒や紺のジャケットを着た赤ら顔のオッサンたちが30名ほどたむろしています。

彼らは互いに話すわけでもなく、ただ公園に立っています。互いに会話するわけでも、噴水を眺めているようでもありません。

ただ深刻そうな顔をしたオッサンたちがたむろしているのです。

そして良く見ると、少し離れたところに数名の警官がいます。

でも警官もオッサンたちを眺めているだけで、何かをしようという雰囲気ではありません。

そして、公園を管理しているビルの警備員らしき人たちも集まってきました。

それで、好奇心に負けてオッサンのひとりに「今日はどうしたの?」と聞くと、彼は「もうすぐ春節だから故郷に帰りたいんだ」と言います。

それでわたしは「そうだよね。春節は家族と過ごしたいよね」と答えると、彼は「でも帰れない。給料が1年未払なんだ。だからこれからここで抗議活動をするつもりだ」と言います。

なるほど・・・

それで、警察官が待機したわけです。彼らが何らかの行動を始めたら取り締まりをするのかもしれません。

もちろん、わたしはただの通りすがりの外国人です。

何の助けにもなれませんし、この状況に少しでも関わっていると思われると良い結果にはなりません。

それでオジさんに「給料がもらえるといいですね」とだけ声をかけてその場を離れました。

オジさんは表情を和らげることも、手を振ったり、わたしに返答することもなく、ただただ前を見ていました。

発展著しいこの街でも、こういった抗議活動が行われているんだなと気づきました。

そして、給料未払いは良くある話ですが、弁護士に相談したという話は聞いたことがありましたが、公共の場所で抗議活動をするとなると次のステージに進んだような気もします。

今後、こういったことは増えて行くのでしょうか?

わかりません。

でも、今は自分のことを安泰だと思っている、IT大手企業に勤めている人がリストラになったり、給料未払いになったりしたら大きな衝撃が走ることになるでしょう。

もちろん、そういったことが起きて欲しいとは思っていません。

でも、あり得ない話ではないなと思っています。

ただ、それでもそれなりにこの国の経済は回っていくと思うので、中国経済壊滅とか、モヒカンになった人たちが電気自転車で街をヒャッホーするような事態にはなることはなさそうです。

お金がないならないなりに、あるならそれなりに暮らす

これはどこの国の人も同じではと思います。知らんけど・・・

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日〜

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くまてつさん@中国|日本語教師
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