大学卒業後、就職できなかった中国の若者と“無理をさせない”親たちの姿
大学を卒業した中国人若者が、理想の仕事が見つけられないと、ニートになりがちな話は先日の noteに一部書きました。
今日は、そのことについてもう少し詳しく書いていきたいと思います。
その前に、まずわたしの取材源についてご紹介します。
わたしは、中国広東省深圳市で暮らす日本語教師です。中国人日本語学習者とよく世間話しますし、趣味は中国人との世間話ですので、その辺の公園などにいる中国人とも良くおしゃべりしています。
そういった人たちから聞いた内容が主になりますので、統計がとか調査がとか言うのはナシでお願いします。
さてさて、最近アラフィフの中国人たちとおしゃべりする機会がありました。
彼ら、彼女らには大学を卒業したばかり、もしくは大学生の子どもたちがいます。
それで、就職について質問してみました。
すると、ほとんどの人が就職できない、もしくは就職できないと思うと言います。
求人がないということではなくて、理想の仕事が見つからないし、見つけられても就職できないので仕方がないと言います。
仕方がないとはどういうことだろうと思い、さらに質問すると「無理に嫌な仕事をする必要はない」と言います。
でも、仕事をしないと生活に必要なものを稼ぐことができないですよねと言うと、親世代が現役だから大丈夫だと言います。
仕事がない子どもたち・・・といっても大人ですが、彼らは大学生の夏休みのような人生を継続しています。
怠けもののわたしにとっては夢のような状態ですが、もし親のすねをかじることで夢うつつの状態になっているとすれば、心を病みそうだと思いました。
それで、どうしてお子さんに仕事をするように言わないのですかと聞くと、無理をさせたくないし、無理をさせても意味はほとんどないと言います。
親世代の人たちは、嫌な仕事でも一生懸命やれば家も買えたし、生活が向上していく感覚があったそうです。
しかし、今の若い世代はそうではありません。
すでに、贅沢に慣れていますし、着るものも持っているものも安くはありません。親世代が若いときはスマホなんてものはありませんでしたが、今は違います。
そう、生きるコストも違います。
もちろん人件費も向上しており、工場勤務でも給料は悪くはありません。
しかし、夢を見られるような給料は得られません。どんなに頑張っても家を買うなんて夢また夢なのです。
そのことを親も子どももわかっています。
それで、どうせ夢が見られないのなら、親が元気なうちは無理をせず適当に暮らし、どうにもならなくなったら仕方ないので仕事すればよいと考えていると言います。
さて、この考え方ですが、意味がわかりません。
確かに、今見つけられる仕事の条件や収入、将来性は高くないのかもしれません。
でも、働けばいくらかでも収入を得られます。また働くという習慣も得ることができます。
無理しないという点で達観しているので、もし職場がブラックだったりすれば、すぐに辞めることもできるでしょう。そうであれば、居心地の良い職場を見つけだすために動き続けることも可能でしょう。
さらに、何かをしているうちに次なる仕事の糸口を掴んだり、出会いもあるかもしれません。
でも、そういう風には思わないようなのです。
わたしが、動き出すことできっかけを掴めるかもよと提案しても、日本ではそうかもしれないが、中国はそんなに甘くないと反論されてしまうことがほとんどです。
さて、先日の note に中国は悪循環に陥っているという意見について書きました。
確かに、このままでは悪循環にはまり込んでしまう可能性もあります。
そういった中で、チャンスを掴む人ってどんな人なのでしょうか?無理をせずに引きこもっている人が、才能を爆発させることがあるのでしょうか?
とはいえ、現在にも諸葛亮のような人がいるかもしれません。そういう人が見いだされライジングしていくのを見るのは面白そうです。
そして、間違いなくモブである私は、懸命に授業をしスキルを身につけようと思っています。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!
ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。