トンさんとの暮らしについて
わたしは猫を愛しています。
もちろん、すべての猫を等しく愛しているわけではありません。
特別に愛しているのは我が家の猫さまである「トン」です。
トンさんとの付き合いも16年くらいとなりました。
日本から一緒に中国にまで来てくれたトンさんには、特別の感情があります。
わたしたちは、トンがさみしがると思えて旅行も行きません。また夫婦揃って日本へ帰国もほぼできません。
でも、トンのことを考えるとそれで良いと思えます。
よく友人に、せっかく中国にいるのだから旅行を楽しめばいいのにと言われますが、トンを病院に預けてまで旅行に行く気にはなれません。
もし、旅行にいく時間的余裕があるのであれば、トンの横に座ってボンヤリと時間を過ごしたいと思っています。
もちろん、トンが若いころは家に彼を残して旅行に行くこともありました。
その時はトンが大好きなお姉さんたちが我が家に泊まってくれて世話をしてくれました。
でも、この数年、トンは発作を起こすようになり、医者からもいつ死ぬかわからないので心の準備だけはしておくようにと言われるようになりました。
それで、トンを友人に任せるのも申し訳ありませんし、ましてや病院の狭い部屋に押し込めることなどできないのです。
猫ファーストとまではいきませんが、何かを決定するにあたってトンが幸せであるかどうかをまず考えること。それがわたしたち夫婦の基本的な思考パターンとなっています。
それと同時に、他のネコさんたちに対して責任をとれないことも知っています。我が家にはすでにトンさんがいますので、それ以外のネコをお世話することができません。
良く我が家のトンの話を聞いた中国人が、ネコを貰ってくれないかと言ってきます。
笑顔で「ウチのトンさん、ネコ見知りなので他のネコさんと一緒には暮らせないんですよ」と言ってますが、正直はらわた煮えくり返ってます。
お前さんとこのネコさんは、一途にあなたのことを愛しているのに、どうしてそんな不義理なことができるのだと。
もちろん、ネコを飼えなくなる事情が生じることもわかります。
ただ、ヘラヘラとした態度で深刻な話を持ちかけられると、価値基準の違いに頭がクラクラします。
また、最近悩んでいることがあります。
それは、同じフロアに住んでいる住人が、飼い猫を通路に閉め出すことです。
ネコさんは玄関の前に座っています。
しばらくは大丈夫なのですが、時間がたつと猫ちゃんは切ない声で鳴き出します。それでも飼い主はネコさんを家の中に入れようとしません。
するとネコさんはますます大きな声で鳴きます。
その泣き声を聞いていると、家に突撃してやろうかという気持ちになります。
我が家のトンさんもその泣き声が気になるのか、玄関まで行って外の声を聞く仕草をすることすらあります。
動物を飼うコトへの心構えや責任感が自分よりも低い人と接すると、疲れてしまいます。
これは中国特有の問題とは言えないでしょう。
可愛いからという理由で動物を飼い始める人はたくさんいます。ただ、最後まで面倒見ることの重大さについてもうすこし考えていただきたいです。
とはいえ、最初に申し上げたとおり、わたしはネコさんたち全員に愛情を持っていますが、愛しているのは我が家のトンさんだけです。
そして、トンのことを我が人生で最初で最後のネコと決めています。
それで、今後もトンさんとの素晴らしい生活を楽しみたいと思っています。それと同時に、すべてのネコさんが家族から愛されることを希望します。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日
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