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相手を傷つけるのではなく、気遣うことがアドバイザーに必要な資質
わたしの仕事はアドバイスすることです。
例えば、他の教員の授業に参加して気づいたことを伝えます。また作られたテキストや教材を確認し、意見を述べます。
意見される方も気を遣うでしょうが、意見する方も気を遣います。むしろ誰かに提案したりフィードバックする側は、アドバイス受ける側よりもはるかに時間も気も遣うべきなのです。だってわたしだって教師であり、自分を喜ばすわけにはいかないのです。
この記事で書いたとおり、少しでも偽善や欺瞞を相手に感じさせると、相手はこちら側の提案を受け入れるのが、本当に難しくなります。
しかもわたしと仲間との間には国籍・文化・言語の壁があります。日本語を教えるという共通点のみがつながりです。彼らにとってもっとも大事なのは、わたしの専門知識であり、私のことが好きだから助言を聞いているわけではありません。
それで、自分の側に細心の注意が必要です。それは「傷つけられた」と感じさせてはならず「気づかされた」と思うように、助言することです。
人を傷つけてしまうアドバイス
相手から理解されてないと思われた時点て、すべてのアドバイスは無駄になります。
例えば、払われた努力や、もしかすると抱えていた心配などに、アドバイスする側が無頓着だと傷つけてしまいます。多くの時間が使われている証拠や、ちょっとした言葉つかいから感じ取れたサインに気づいたら、言語化したり、確認したりすることが大事です。
「この授業を準備するのに、相当な時間がかかったでしょうね」とか、「もしかすると、この説明をするときにどうしたらよいかと悩みませんでしたか」と聞くと理解を深めます。
決して、時間ばっかりかけて・・・とか、この項目について理解できてないようですねと言ってはいけません。自分の苛立ちはすーっと消えていくかもしれませんが、相手の心は傷ついてしまいます。そして、その後は何を言っても回復させることが難しくなります。
しかし、自分でも気がつかなかったことに気づいてもらえたと相手が思うと状況は大きく違います。
気づかせるアドバイスは相手より先に気づくことから始まる
せっかく専門知識があるのです。しかも、自分だって日本語教師として失敗した経験があります。
それで、後輩が行う失敗を先回りすることが可能です。ただ先回りしたときに、ちょっと意地悪く接するか、それとも思いやりをもって接するかで、結果が大きく違います。
わたしは先にすべての情報を開示する方法が好きです。例えば「受身形」について模擬授業を依頼する場合、前もって注意すべき点、間違えやすい点も通達します。そして、質問も受け入れます。
そうしておけば、教員は自信を持って模擬授業に臨めます。模擬授業は教員を試すために行うのではなく、伸ばすために行うのです。
また、間違いに気づいたとき、率直に助言しますが理由が推測できる場合は、先回りします。例えば教科書の説明がわかりにくい、もしくは不適切な例文が載っている場合もあります。それが理由で説明に説得力が感じられないこともあります。
その際には、教科書の問題点を一緒に考慮したりします。そうすることでその教員は教科書を鵜呑みにすることの危険性を理解して、次回からは失敗しなくなるでしょう。
もし相手が自分で自分のミスに気がついた時には、深追いしません。だって傷つけるのが目的ではなく、成長させるのが大事だからです。自分で自分のことに気がつけるのであれば、わたしの気づきは必要ないでしょう。
◇◇◇
さて、こうやって気をつけていても、わたしも不完全な人間です。ついつい言い過ぎてしまったり、嫌みっぽくなってしまうことがあります。ましてや外国語である中国語でコメントするので、注意が必要です。
本当に気をつけなくちゃいけないなと思ってます。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。
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