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【日曜日のweb教室&GW特別編#06】今週の自然のトレンド&ツバメの描き分けポイント
毎週日曜日の、みるみる自然に詳しくなるweb教室。自然を見る目を育てて、ただの緑にしか見えない光景を、生き生きとした自然のドラマに変えていきましょう。
毎回2部構成でお届けしています。1部は今週の自然界のトレンドをスマホ写真でお届けする「ネイチャースナップ」。2部は「絵手紙ワークショップ」。知識を得るインプットだけでなく、描くアウトプットを通じていろんな発見をしていきます。
ネイチャースナップ
自然界のさりげない瞬間をスマホ写真で捉える「ネイチャースナップ」
今週も素敵な自然の様子をお届けします
日常の中で見逃されがちな自然の美しさや不思議を感じていただければと思います。どうぞ、これを機に自然界のトレンドを一緒にスマホ写真で撮り溜めませんか?日々の生活に新鮮な息吹を取り入れてください。
(このコーナーの写真はすべてiPhone13で撮影しています)
森の白き守り神
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雪のような白さで、たたずむギンリョウソウ。葉緑素を手放し、光を求めずにいます。林の中でひっそりと生きる姿には、静寂の中にも強さが秘められています。
白く純粋な姿は潔さを映し出しています。まるで森の守り神のように。
雨上がりの誓い
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昨夜の雨がまだ水滴として残るムラサキツユクサ。花びらは空を見上げるように咲いています。直接雨を浴びたのかもしれません。
近づいてみると、おしべを囲むように細かな毛がふわふわとして、あの雨にも負けずに残っていました。まるで小さな勇気の証を、ひっそりと示しているかのようです。
夕暮れの約束
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夕方の公園にて、ツツジが満開。まぶしいほどに輝いていました。花びらの中を覗いてみると、きらりと光る蜜が見えました。
その甘い誘いには、ささやかな秘密が含まれているかのようです。夕日に照らされたその瞬間、花々は黙って語りかけています。
忘れられないレッスン
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これは思い出の花、ハルジオンです。自然写真を教わった際、この花が題材でした。貧乏草と軽んじていましたが、先生が撮った一枚の写真は、その繊細な花びらの美しさを引き出していました。
その時、見過ごされがちな野草の中に隠された魅力に、初めて向き合いました。その美しさは、静かに、しかし確かに、私たちの心に訴えかけてきます。
これも自然の恵み
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今年もまた、勝手に生えてきた花が咲いてくれました。特に手をかけていないのに、自然と美しく開花してくれるその姿が、ボクは大好きです。
この植物は毎日新しい花を咲かせますが、夕方にはご覧の通り、しおれてしまいます。 はかない美しさが、日々の移り変わりを教えてくれるようです。
ツバメの特徴と描き分けポイント
ボクは毎日自然の絵を描いていて、よく観察することが良い絵につながると強く実感しています。ここからは第2部。絵の教室のようだけど、同時に理科の教室みたいな観察と探究の時間です。アートとサイエンスが融合したような時間をお楽しみください。
もし、絵を描くことにすこしでも興味があって、手が出せないでいるなら、この機会に挑戦してみませんか?
と、その前に告知。5月28日にイベント開催します!
「ゆる~くサクッと自然イラスト教室」
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ボクが普段絵を描くときに使っている道具やアプリを紹介しながら、楽しく自然イラストを描くコツを伝授します。自然の美しさ、面白さを自由に描きましょう!
ツバメの特徴|ウナギパイ、頑張りもの、飛び名人
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ツバメの大きさはウナギパイ
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ツバメは毎年夏になると日本にやってくる「夏鳥」です。冬の間はフィリピンやタイなどの南の国にいます。子育てのために日本にやってくるんですね。
渡航距離は4000〜5000kmもの長距離です。こんな小さな体ひとつで渡ってくるのだから、ほんとうに驚きしかありません!
さて、その大きさは体長17センチ。ちょうどウナギパイと同じくらいの大きさなんです。ウナギパイが飛んでいると思えばいいんですね〜。親近感。笑
そして体重は6Pチーズのワンピース分と大体同じ20g。かなり軽い!
その小さな体で何千キロもの長旅を繰り返すツバメには、ただただ感嘆する他ありません。
ツバメが巣を作る家は繁栄する?
ツバメが家に巣を作ってくれると、その家は繁栄するとか、良いことがあるとか聞いたことありませんか?これは、ツバメが巣を作ってくれたらか繁栄するわけではなく、もともと賑やかで人の行き来が多い家にツバメは巣を作る傾向があるのだそうです。
その理由は意外と明確で、天敵から守ってもらえる可能性が高いから。例えば人通りの多いところだとヘビなどはおいそれとはやってきませんね。そんな効果を期待して、賑やかなお家に巣を作るのです。
スコップもトラックも使わない頑張りものの建築工事
ツバメの巣作りは、驚くほど緻密な技術を要します。泥と枯れ草、そして自らの唾液を使用して巣を作ります。泥だけでは乾燥後に崩れやすいので、粘り気のある唾液を混ぜて土台を強化し、枯れ草で補強します。この工程を、小さな体で一日に300往復も飛びながら繰り返し、約一週間で一つの巣が完成します。
当然ながら、スコップやトラックのような道具は使いません。自然に存在する素材だけで、あの巣を作り上げるのです!
飛びの名人
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ツバメはいつも小気味良い疾走感で空中を飛び回っています。常に活動的で、休む間もなく空中を駆け巡ります。彼らは飛びながら狩りをし、食事をとり、さらには水を飲んだり体を清める水浴びさえも行います。そのくらい飛びに特化した鳥なのです。
ツバメの飛行速度は時速40〜50kmにも及びます。これは車と同等のスピードです。直線飛行だけでなく、急な旋回も得意技。その飛行スキルを存分に発揮して空中の小さな虫を捕まえます。トンボ、ガ、ミツバチなどです。
特に子育ての季節には、1日に1羽のヒナに100匹の虫が必要とされます。もし巣にヒナが5羽いれば、その日に必要な虫は合計で500匹にも上ります。これだけの大量の虫を確保するためには、そのくらいのスピードで絶え間なく飛び回る必要があるのです。
ツバメのこのような活動的な生態は、彼らがどれだけ飛行に適応しているかを示しています。飛びながらの生活は、単なる移動手段ではなく、生存戦略そのものなのです。
動画を用意しました
いつものように動画解説もつけました。リアル教室でもこのような流れで進行しますので雰囲気をすこし感じていただけると思います。
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【週刊】自然ガイドと街歩き
都会の片隅。ひっそりと息づく緑。小さな鳥たち。日常の中に潜む自然の美しさに、あなたは気づいていますか? くますけが、自然ガイド視点で街歩…
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