旅の準備をしてたら断捨離に行き着いた。【住んでみた北欧#4】
必要なものを100リットル内に収める
今回は私にとって初めての長期滞在だが、1週間程度の旅行の準備とは違って、2ヶ月以上住むとなると思った以上に持って行く荷物に頭を使う。前回のポストで書いた通り、60LのRIMOWAと33Lのリュックが持って行く鞄のすべて。合わせて100L以内にすべての荷物を収めなくてはならない。
一番カサになるのはやはり服関係だ。2月の視察旅行ではカラフルなフードつきマフラーを持って行ったが結局使ったのは一度きりで、その割にカサばって無用の長物化し、キャリーに入りきれず現地で処分してしまった。その失敗を踏まえ、今回はシーンをよく考えながら必要かつ最低限の枚数でのコーディネートをプラン中だ。
インナーはユニクロ、アウターは愛用品
カサばらず汎用性が高く皺にならず速乾、なおかつ着心地がよい服となると、選択肢は圧倒的にユニクロだ。ファッションに「機能性」を持ち込んだユニクロの先見性はやはりすごい。ユニクロがなかったら、たぶん服は2倍ぐらい嵩増ししてたのではないかと思う。しかも国内はおろか世界どこでも、オンラインでも買える。同社の売上がアパレルダントツの2兆円というのも納得である。
ただしユニクロはインナーはよくても、アウターは好みのものがなく、着慣れたものにした。いろんな気温を考えて、10年来愛用のバーバリーの薄手ショートコート、パタゴニアの薄手ダウンジャケット。現地ではビジネスイベントにも参加するので洗濯機で洗えるネイビーの夏用ジャケットも追加。基本カジュアルだが、オシャレシーンも想定して、ロングのコットンパール、アイロンの要らない薄手スカーフを服の色に合わせて数種類。
そんなこんな「連れて行く子」たちをとりあえずカゴにを入れていくうち、なかなかいい感じの布陣が仕上がってきた。
そう、つまりは服なんてこれで十分なのだ。自分で持ち運びできる範囲でもいける。ところが自分の部屋を見ると、長年ためにため込んで、壁面クロゼットに収まらずハンガーラックにもいっぱい服がかかっている。旅先で持て余したフード付きマフラーみたいな無用の長物がどっさりあるのだ。いてもたってもいられず、仕分けをすることにした。「人生4分割」のポストに書いた通り、今回の滞在は第4フェーズのスタートのイベントということもあり、パッキングと同時並行で断捨離も進めることにした。
違和感のある服は「卒業」
服を手放せない理由として「今は着ないけどいつかまた着る」というのがあるのだが、最終ラウンドに入ったら「いつか」の可能性は限りなくゼロに近い。第3フェーズでは似合っていた服が、年齢や環境とともに似合わなくなっているのだ。たとえば仕事用ジャケットのようなかっちりしたもの、丈の短いスカートなどは、サイズがOKでも、もう違和感があって着られない。こんまり氏の「ときめき」ではないけど、前のフェーズからの「卒業」と思ってリサイクルショップ行き。
服にしても雑貨にしても、これまで何かを買う時にはその最終段階までは考えていなかった。しかし買うのは簡単だけど、捨てるのは大変。人にあげるにしても、リサイクルショップに持ち込むにしても、メルカリに出品するにしても、ゴミとして出すにしても、買うことよりはるかに面倒くさく、エネルギーを必要とする。それが嫌で、ついついそのままにしてしまっていて、くだらないものをいっぱいため込んでいたのだ。なのに相変わらずモノは買い続けるから増える一方。人のせいにはできないけど、メディアの扇動にまんまとハマり、流行や見栄で買い物をして、消費文化にどっぷり使っていたのだなあと改めて反省しきりだ。
北欧でモノの持続可能性を学びたい
これから行こうとしている北欧は、住スペースを大事にする文化がある。前回、持続可能な家具のメーカーを取材して、家具に関する考え方の違いを知った。堅実で、「捨てない」考え方が根付いている。
大量に作って、大量に買って、大量に捨てる。長く続いた大量消費社会の考え方にいつのまにか慣らされてしまっていたが、それではこれから地球は持たない。今回の滞在は、一度その考え方をリセットするいい機会だ。一般家庭に行く機会はあるかどうかわらかないが、サーキュラーエコノミーの取材や調査を通じて、北欧のサステナビリティに関する考え方やライフスタイルをたくさん学んでこようと思っている。
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